A1 | Fit To Be Tied | B1 | New York, New York |
A2 | Music and Words | B2 | Pavement Princess |
A3 | Son of a Song and Dance Man | B3 | Drinking |
A4 | D-D-D-Dancin' | B4 | Nickels and Dimes |
A5 | Love | B5 | Made It Thru the Rain |
きみはピアノに登ってオンガク。
そんなような歌詞を、はるか昔、何かで聴いたような気がする。
げえっ、本当に登るやつがあるかよ。しかも裸足だぜこの人。
いくら堅牢なベーゼンドルファーとはいえ、こんなイナバ物置みたいな扱いあんまりです。
ジャケット写真の印象そのまんま、ジェラルド・ケニーはピアノ弾き語りの人です。
このジャンルでは英のエルトン・ジョン、米のビリー・ジョエルが両横綱でしょう。これまで拙ブログでも、ジャズ寄りのフランク・ウェーバー、さらにジャズ寄りのベン・シドラン、もろジャズのマイケル・ファインスタイン、高学歴のロバート・クラフト、ヴォードヴィリアンのピーター・アレン、何でもありのジョー・ジャクソン、なぜかやたらアクセス数の多いジム・マンデル、たぶん誰も気にしていないスティーヴ・ギブ、そして両横綱に伍するスーパースターのバリー・マニロウなど、数々紹介してまいりました。
こうして枚挙した人々なんて、ホンのひと握り。ピアノ弾き語りの世界は、たくさんの才能あふれるプレーヤーがひしめくレッド・オーシャンです。
音楽業界にゃピアノが上手い人なんてゴマンといますからね。いかにして埋もれることなく、独自の色を出してリスナーにアピールするか、レコードを手に取ってもらうか、アーティストたちはそこに心血を注ぐわけ。
ジェラルド・ケニーは、このジャンルの連中にありがちな、ピアノの腕前をこれでもか、これでもかと押し付けてくるタイプではないようです。そもそもピアノが目立つような編曲ではありません。ストリングスやクワイヤでギランギランに飾り立てられた、ど派手なサウンド。その結果、ピアノの音量がぐっと抑えられたミキシングとなりました。
控えめな人だったのでしょうか。もとより「ピアノ・マン」としてやっていくより、ソングライティングに軸足を置いていたのかもしれません。
本作、すべての曲ではないものの、ところどころ、いいメロディだな、歌心が豊かだな、と感じる箇所があります。A2のグッタリしたサビなんて、聴いているこちらがずぶずぶと溺れていくような感覚に陥るほど。
B5を気に入ったバリー・マニロウが、後年カバーしました。蛇の道は蛇が知る。ピアノ弾き語りの天上人が、ジェラルド・ケニーの才能に気付いてしまったのです。
同業者の耳を惹きつけるくらいですから、ジェラルド・ケニーはけっしてボンクラというわけではないのでしょう。本作もそこそこヒットしたらしい。
ちなみにマニロウはカバーの際、かなり手直ししてました。自分を素材に合わせるのではなく、素材を自分に合わせる。それができたからこそ、マニロウはスターたり得たのだと思います。弱肉強食のピアノ弾き語りバトルロイヤルで勝者であり続けるためには、これくらいのことしなくっちゃね。
ジェラルド・ケニーはその後、シンガーとソングライター、2足のわらじで音楽界を生き延びました。晩年のアラン・ジェイ・ラーナーとも仕事したらしいぜ。表方と裏方を、行ったり来たり。ミュージシャンの身の立て方として、これはこれでアリでしょう。レッド・オーシャンで殺し合うばかりが人生じゃないって。
そんなような歌詞を、はるか昔、何かで聴いたような気がする。
げえっ、本当に登るやつがあるかよ。しかも裸足だぜこの人。
いくら堅牢なベーゼンドルファーとはいえ、こんなイナバ物置みたいな扱いあんまりです。
ジャケット写真の印象そのまんま、ジェラルド・ケニーはピアノ弾き語りの人です。
このジャンルでは英のエルトン・ジョン、米のビリー・ジョエルが両横綱でしょう。これまで拙ブログでも、ジャズ寄りのフランク・ウェーバー、さらにジャズ寄りのベン・シドラン、もろジャズのマイケル・ファインスタイン、高学歴のロバート・クラフト、ヴォードヴィリアンのピーター・アレン、何でもありのジョー・ジャクソン、なぜかやたらアクセス数の多いジム・マンデル、たぶん誰も気にしていないスティーヴ・ギブ、そして両横綱に伍するスーパースターのバリー・マニロウなど、数々紹介してまいりました。
こうして枚挙した人々なんて、ホンのひと握り。ピアノ弾き語りの世界は、たくさんの才能あふれるプレーヤーがひしめくレッド・オーシャンです。
音楽業界にゃピアノが上手い人なんてゴマンといますからね。いかにして埋もれることなく、独自の色を出してリスナーにアピールするか、レコードを手に取ってもらうか、アーティストたちはそこに心血を注ぐわけ。
ジェラルド・ケニーは、このジャンルの連中にありがちな、ピアノの腕前をこれでもか、これでもかと押し付けてくるタイプではないようです。そもそもピアノが目立つような編曲ではありません。ストリングスやクワイヤでギランギランに飾り立てられた、ど派手なサウンド。その結果、ピアノの音量がぐっと抑えられたミキシングとなりました。
控えめな人だったのでしょうか。もとより「ピアノ・マン」としてやっていくより、ソングライティングに軸足を置いていたのかもしれません。
本作、すべての曲ではないものの、ところどころ、いいメロディだな、歌心が豊かだな、と感じる箇所があります。A2のグッタリしたサビなんて、聴いているこちらがずぶずぶと溺れていくような感覚に陥るほど。
B5を気に入ったバリー・マニロウが、後年カバーしました。蛇の道は蛇が知る。ピアノ弾き語りの天上人が、ジェラルド・ケニーの才能に気付いてしまったのです。
同業者の耳を惹きつけるくらいですから、ジェラルド・ケニーはけっしてボンクラというわけではないのでしょう。本作もそこそこヒットしたらしい。
ちなみにマニロウはカバーの際、かなり手直ししてました。自分を素材に合わせるのではなく、素材を自分に合わせる。それができたからこそ、マニロウはスターたり得たのだと思います。弱肉強食のピアノ弾き語りバトルロイヤルで勝者であり続けるためには、これくらいのことしなくっちゃね。
ジェラルド・ケニーはその後、シンガーとソングライター、2足のわらじで音楽界を生き延びました。晩年のアラン・ジェイ・ラーナーとも仕事したらしいぜ。表方と裏方を、行ったり来たり。ミュージシャンの身の立て方として、これはこれでアリでしょう。レッド・オーシャンで殺し合うばかりが人生じゃないって。
★★★ | 採点表を見る |
Produced by Christopher Neil for D&J Arlon Enterprises, Ltd.
Engineer: Nick Ryan
Assistant Engineers: Simon Hurrell and Brett Kennedy
Recorded and Mixed at Audio International Studios, London, England
Mastered by Ian Cooper at Utopia Studios, London, England
Keyboards: Gerard Kenny
Guitar: Phil Palmer
Drums: Harold Fisher
Drums: Peter Van Hook (A2, A3)
Bass: Mo Foster
Synthesizer: Ken Freeman and David Cullen
Percussion: Frank Riccotti
Rhythm Guitar: Gerard Kenny (B2, B3)
Choir: The English Chorale
Choir and Orchestra Arranged and Conducted by David Cullen
Rhythm Track Engineer: Greg Walsh (A2, A3, B1)
Contractor: Peter Owen
High Heels: Linda Kenny (B2)
Background Vocals: Dominic Bugatti, Frank Musker, Christopher Neil, Deke Arlon, Gerard Kenny, Nick Ryan, Sharon Cambell, Kim Goody, Annie Kavanagh
Photography: Gered Mankowitz
Design: Richard Gray
Engineer: Nick Ryan
Assistant Engineers: Simon Hurrell and Brett Kennedy
Recorded and Mixed at Audio International Studios, London, England
Mastered by Ian Cooper at Utopia Studios, London, England
Keyboards: Gerard Kenny
Guitar: Phil Palmer
Drums: Harold Fisher
Drums: Peter Van Hook (A2, A3)
Bass: Mo Foster
Synthesizer: Ken Freeman and David Cullen
Percussion: Frank Riccotti
Rhythm Guitar: Gerard Kenny (B2, B3)
Choir: The English Chorale
Choir and Orchestra Arranged and Conducted by David Cullen
Rhythm Track Engineer: Greg Walsh (A2, A3, B1)
Contractor: Peter Owen
High Heels: Linda Kenny (B2)
Background Vocals: Dominic Bugatti, Frank Musker, Christopher Neil, Deke Arlon, Gerard Kenny, Nick Ryan, Sharon Cambell, Kim Goody, Annie Kavanagh
Photography: Gered Mankowitz
Design: Richard Gray
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