2024/10/02

The Euclid Beach Band ('79)

A1Don't Play That SongB1End of the World
A2There's a Moon Out TonightB2You Make It Easy
A3KarenB3Don't You Know What You Mean to Me
A4I Need YouB4So Hard To Say Goodbye
A5There's No Surf in ClevelandB5You're the One
 私を誘っている、このタイトル。

 ビーチ・ボーイズのぱちもんを追いかけている好事家にとって、まるで眠狂四郎のように「ここだあ」と存在を知らせてくれるキーワード、それがbeachです。
 おかげでリッチ・マーティンの"Beached"を買っちゃったりもするわけ。

 なので本作も、ビーチ・ボーイズ的なバンド・サウンドを期待して手を伸ばしました。
 エリック・カルメンのプロデュース、というのがちょっと引っかかります。はたして、吉と出るか凶と出るか。

 聴いてみると、やや懐古テイストのある甘口のポップスでした。ビーチ・ボーイズ成分もほどほどにあります。
 有名曲のタイトルかぶりがチラホラ。しかし本作の収録曲はことごとく、エリック・カルメンまたはバンドのオリジナルです。

 ちょうどこの頃、"Change of Heart"を発表したカルメンの作風をちょっぴり軽やかにした感じ。うん、なかなかいいぞ。

 カルメン作のB1"End of the World"は、"Change of Heart"にてカルメン本人も歌っています。
 両バージョンをじっくり聴き比べると、やはりというかカルメンに負けちゃってます。そのへんの至らなさも、アルバム1枚で終わったバンドならでは。
 この「アルバム1枚で消えた」という切ない事実が、ノスタルジックなポップスに絶妙の寂寥感を醸しているのです。

 さて、ジャケットの右下に何かいますね。

 チンパンジーかな。コーンの上に、アイスクリームを器用に積み上げています。

 特に意味はないのでしょう。そう思いたい。
 チンパンジーすなわち東洋人の暗喩、なんて考えに飛びつくのは、さすがにちょっと安易な気がしなくもない。

 しかし本作は、白人バンドによる懐古調のポップスです。東洋人が東洋人として「きちんと」差別されていた昔はよかったなあ、というノスタルジアが、まったくないとは言い切れないところではあります。
★★★

Produced by Eric Carmen
Production Assistance: The Euclid Beach Band

Recorded at Mediasound, New York, NY
Engineer: Harvey Goldberg
Assistant Engineers: Lincoln Clapp, Ramona Janquito, Greg Mann
Additional Engineering: Doug Epstein
Additional Recording: Suma Recording Studio, Cleveland, Oh.
Engineer: Paul Hammond
Remixed at Cherokee Sound, Los Angeles, Ca.
Remixed by Bill Schnee
Mastered at Masterdisk, New York, NY by Bob Ludwig
A CAM Production
A2 Remixed at Suma Recording Studio, Cleveland, Oh.
Remixed by The Euclid Beach Band
A5 Recorded at Agency Recording Studio, Cleveland, Oh.
Engineer: Jim Hillenbran
Mixed at Mediasound, New York, NY

Cover Art by Charles White III
Photography: Rebecca A. Huryn
Cover Photos Reprinted From "Euclid Beach Park Is Closed for Season." Used by Permission of Amusement Park Books, Inc., Mentor, Ohio
Management & Direction: Jim Girard for Terminal Management, 1314 Huron Road, Cleveland, Ohio 44115

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