A1 | Desperate Fools Overture | B1 | Change of Heart |
A2 | Haven't We Come a Long Way | B2 | Hey Deanie |
A3 | End of the World | B3 | Someday |
A4 | Heaven Can Wait | B4 | Desperate Fools |
A5 | Baby I Need Your Lovin' |
エリック・カルメンのアルバムが手元に1枚くらいあってもいいかな、と思って買ったもの。
アリスタ時代の、彼のアルバムならどれでもよかった。1stや2ndと比べると、ジャケット・デザインが秀でていたこいつにしたわけです。
どうですかこのデザイン。色のないモノクロの世界だけに、光と影の構図が寸分の隙もなく完成されています。見事じゃ。
サマンサ・サングに提供した「チェンジ・オブ・ハート」の作者バージョンがB1。
ダラダラと無気力に歌って、なかなか得難いテイストになっていたサマンサのそれと、あまりにも違うのでちょっと驚きます。作者バージョンはじつにキビキビと、こざっぱりと歌われているのでした。
永遠の愛を誓ったあなた。しかしあなたの心はうつろい、さすらい、やがて迎える別れの朝。
まあだいたいそういう内容の歌詞です。愛を失った心の痛みを、苦しそうに、呻くように歌ったサマンサに対し、作者のエリック・カルメンは軽快に、サッと流しています。
苦しいのは、どちらもいっしょ。男女差なんてない。しかし私が共感を覚えるのは、だんぜんエリック・カルメンの方。
破れたハートを、笑顔で隠す。つまり寅さんです。70年代アメリカ西海岸にも、寅さんがいたのです。
そういえばずいぶん前に、ウィーンの市長が飛行機の機内上映でたまたま『男はつらいよ』を見て、すっかりファンになってしまった、なんて話がありましたね。
恋に破れても、泣いたりわめいたりしない寅さんのダンディズムは、昭和ニッポンに止まらない、普遍的なものなのでしょう。あらゆる時代の、あらゆる場所に、寅さんがいるのです。
エリック・カルメンが、寅さんを知っていたのか否か。それはわかりません。たぶん知らなかったと思う。しかし彼の中にも、寅さんがいます。私たちリスナーの心にも、もちろん寅さんがいて、お互いの寅さんが太平洋を越えて握手し、ハグし、酒を酌み交わすのです。人種も言語も、国家も文化も、そして時代さえも異なるポピュラー音楽に共感するというのは、きっとそういうことなのでしょう。
帽子をかぶって座っているエリック・カルメンが、だんだん寅さんに見えてきた。
アリスタ時代の、彼のアルバムならどれでもよかった。1stや2ndと比べると、ジャケット・デザインが秀でていたこいつにしたわけです。
どうですかこのデザイン。色のないモノクロの世界だけに、光と影の構図が寸分の隙もなく完成されています。見事じゃ。
サマンサ・サングに提供した「チェンジ・オブ・ハート」の作者バージョンがB1。
ダラダラと無気力に歌って、なかなか得難いテイストになっていたサマンサのそれと、あまりにも違うのでちょっと驚きます。作者バージョンはじつにキビキビと、こざっぱりと歌われているのでした。
永遠の愛を誓ったあなた。しかしあなたの心はうつろい、さすらい、やがて迎える別れの朝。
まあだいたいそういう内容の歌詞です。愛を失った心の痛みを、苦しそうに、呻くように歌ったサマンサに対し、作者のエリック・カルメンは軽快に、サッと流しています。
苦しいのは、どちらもいっしょ。男女差なんてない。しかし私が共感を覚えるのは、だんぜんエリック・カルメンの方。
破れたハートを、笑顔で隠す。つまり寅さんです。70年代アメリカ西海岸にも、寅さんがいたのです。
そういえばずいぶん前に、ウィーンの市長が飛行機の機内上映でたまたま『男はつらいよ』を見て、すっかりファンになってしまった、なんて話がありましたね。
恋に破れても、泣いたりわめいたりしない寅さんのダンディズムは、昭和ニッポンに止まらない、普遍的なものなのでしょう。あらゆる時代の、あらゆる場所に、寅さんがいるのです。
エリック・カルメンが、寅さんを知っていたのか否か。それはわかりません。たぶん知らなかったと思う。しかし彼の中にも、寅さんがいます。私たちリスナーの心にも、もちろん寅さんがいて、お互いの寅さんが太平洋を越えて握手し、ハグし、酒を酌み交わすのです。人種も言語も、国家も文化も、そして時代さえも異なるポピュラー音楽に共感するというのは、きっとそういうことなのでしょう。
帽子をかぶって座っているエリック・カルメンが、だんだん寅さんに見えてきた。
★★★ | 採点表を見る |
Produced by Eric Carmen
Engineered by Greg Ladanyi and Dennis Kirk
Assistant Engineer: George Ybarra
Recorded at the Sound Factory, L. A.
Mastered at A&M Studios by Bernie Grundman
Aphex System
Art Direction: Donn Davenport
Photography: Garry Gross
Stylist: Nora Lee
Engineered by Greg Ladanyi and Dennis Kirk
Assistant Engineer: George Ybarra
Recorded at the Sound Factory, L. A.
Mastered at A&M Studios by Bernie Grundman
Aphex System
Art Direction: Donn Davenport
Photography: Garry Gross
Stylist: Nora Lee
0 件のコメント:
コメントを投稿