2018/07/01

Paul Smith / Intensive Care ('78)

A1The Lady Is a TrampB1Surrey with the Fringe on Top
A2YesterdaysB2My Heart Stood Still
A3Everything Happens to MeB3Chicago
A4On a Clear DayB4Lover
 ポール・スミスとはこれまた検索殺しの名前ですね。
 案の定、グーグル検索しても違うもんばっかりヒットしてしまいます。

 かつてマイケル・ジョンソンのことを検索したら、検索結果が同じ名前の陸上選手に埋め尽くされてうんざりしたのを思い出しました。

 ちなみにこれまでいちばん検索しにくかったのは、Silverというバンド。"Silver"で検索してもバンドのことなんていっくらページをめくったってちっとも出てきやしません。

 さて、ポール・スミスは西海岸のピアニストです。
 いくつかリーダー・アルバムこそあるものの、長いことアルバムを出していない時期があるので、ジャズだけで食っていたわけではなさそう。
 ポップス系の伴奏をしていたか、あるいは音楽以外の仕事で生計を立てていたのかもしれません。

 軽妙かつ流麗な持ち味のスミスが今回共演するのは、ベースの巨人レイ・ブラウン、そしてドラムの重戦車ルイ・ベルソン。伝説級の大物たちです。

 よく知られたスタンダード・ナンバーを、サラッと演奏しています。スピード感をともなった、この軽さが本作のキモです。
 オスカー・ピーターソンからゴリゴリ感を除去したような、マイルドにして能弁なピアノ。なかなかの実力派ですな。

 アルバムの終盤、B4の後半で突如発狂します。
 いきなり牙をむいて、ブラウンとベルソンを「ちゃっちゃとやらんかーい」と煽っています。
 紳士のピアニストが、心の奥にうごめく獣性をつかの間、チラッとのぞかせてくれました。
★★★

Paul Smith: Piano
Ray Brown: Bass
Louie Bellson: Drums

Arrangements by Paul Smith

Produced by Jeffrey Weber for Pirouette Productions
Recorded March 17-18, 1978 at Filmways/Heider Studios, Studio C, Hollywood, Calif.
Executive Producers: Dr. Bruce Maier and Jim Hall (Discwasher, Inc.)

Engineer: Phil Schier
Disc Mastering Engineers: Phil Cross (Filmways/Heider Studios, F/H), Stan Ricker (JVC Cutting Center)
Disc Plating: Jim Shelton, Europa Disk Plating

Assistant Chief Engineer (F/H): David Brand
Maintenance Engineer (F/H): George Bennett
Second Engineer (F/H): Jim Seiter
Assistant Second Engineer (F/H): Rich Feldman
Maintenance (F/H): Mike Couzzi
Production Assistants (Pirouette Productions): Kim B. Newman, Jerold Weber

Illustration: Roger Huyssen
Design: Stan Evenson
Photography: Richard Upper
Hand Tinting: Larry duPont

Album Manufactured by AGI

Concept and Direction: Jeffrey Weber

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