アトランタのローカル・ピアニスト
| A1 | One Note Samba | B1 | You Are the Sunshine of My Life |
| A2 | MacArthur Park | B2 | Send In the Clowns |
| A3 | Everything Must Change | B3 | Maybe Tomorrow |
| B4 | What To Say |
どインディなLPです。いやそもそも、レーベル業者なぞ介していないっぽい。インディと呼んでいいものか。
本作、いったいどのように制作されたのでしょうか。
まずこのディック・ドリューなるピアニスト兼歌手が、地元アトランタのスタジオに仲間を呼びます。
集まった有志のメンバーが自主的に演奏し、それをタダ同然の報酬でエンジニアが録音、ミックスしました。
仕上がった2トラサンパチのマスターを直接、製盤工場に持ち込んでカット、プレスしてもらったのでしょう。
500枚か、1,000枚か。いずれにせよ、大した数ではなさそう。
ただし一般的な流通網に乗せるわけではないので、さばくのはなかなか骨だったのではないかな。
工場から届いたレコードの山を、ドリューと関係者がちびちびと、じわじわと手売りしてちょっとずつ、ちょびっとずつ在庫を減らしていった。
そうして長い長い時間をかけて世に放たれたレコードたちは、アトランタからジョージア一帯、周辺の諸州、やがて東のニューヨーク、西のLAまで、ゆっくりゆっくり、ときに持ち主を交代しながら、北米のすみずみへと染み渡ります。
そのうちの1枚は人の手から人の手へと更に旅を続け、運命のいたずらで太平洋を渡り、半世紀もの漂泊の果てに、アトランタから6,000マイル離れた私のところへ流れ着いたのでありました。グレート・ジャーニーや。
そういう経緯の自主盤なので、ものすごく規模のショボい音楽なのではないか、みなさんそうお考えになりますよね。私もそうでした。
ピアノ・トリオに管入りのカルテット、せいぜいクインテット。そんな程度だと。
驚きました。
なかなか大所帯のオーケストラが、いっぱいいっぱい音を出して、ダイナミックに盛り上げます。
とりわけA2。ドナ・サマー以前に、この曲の秘する爆発力に気付いていた男がアトランタにいたのです。
ジョビン、スティーヴィー、ソンドハイムなど、カバー中心の構成。オリジナルはB3のみ。
手売りする側も、される側も、「まあ、有名曲どっさり入っとるし」という謎の安定感、安心感みたいなものはあったと思う。もし全曲オリジナルだったら、グレート・ジャーニーには至ってなかったかもしれない。
小編成のインストがA1、B1。軽快にスイングするカクテル・ピアノの趣き。
オーケストラをバックに歌うA2、A3、B2、B4は、ラスベガスでショーやってるエルヴィスみたいなゴージャス感。
そして唯一のオリジナルB3は、甘美なバラードです。
ヴァラエティ豊かな内容は期待以上で、通常のレーベルから売り出されている商業作品に引けを取りません。ディック・ドリューのリード・ヴォーカルに深いリバーブがかかっているせいで、何だか森の妖精が歌っているかのような幻想的な雰囲気があります。
残念なのはジャケットです。内容がショボいのではないかって不安になるのは、この絵に因るところが大きい。
そもそも、アコベじゃない。全編エレベです。ジャケットを担当した画家は、いっぺんも聴くことなく描いたのでしょう。
何せ手作りのアルバムですからね。ジャケットも、知り合いの美大生にメシおごって頼んだとか、そういう事情なのかもしれません。
なお自主盤の世界には、ジャケット・デザインなし(白ジャケそのまま)というのもあります。お店に並べることを想定していないので、ジャケットは盤を保護する役割に徹しているわけです。なので本作、絵があるだけまだまし、と言えなくもない。
本作、いったいどのように制作されたのでしょうか。
まずこのディック・ドリューなるピアニスト兼歌手が、地元アトランタのスタジオに仲間を呼びます。
集まった有志のメンバーが自主的に演奏し、それをタダ同然の報酬でエンジニアが録音、ミックスしました。
仕上がった2トラサンパチのマスターを直接、製盤工場に持ち込んでカット、プレスしてもらったのでしょう。
500枚か、1,000枚か。いずれにせよ、大した数ではなさそう。
ただし一般的な流通網に乗せるわけではないので、さばくのはなかなか骨だったのではないかな。
工場から届いたレコードの山を、ドリューと関係者がちびちびと、じわじわと手売りしてちょっとずつ、ちょびっとずつ在庫を減らしていった。
そうして長い長い時間をかけて世に放たれたレコードたちは、アトランタからジョージア一帯、周辺の諸州、やがて東のニューヨーク、西のLAまで、ゆっくりゆっくり、ときに持ち主を交代しながら、北米のすみずみへと染み渡ります。
そのうちの1枚は人の手から人の手へと更に旅を続け、運命のいたずらで太平洋を渡り、半世紀もの漂泊の果てに、アトランタから6,000マイル離れた私のところへ流れ着いたのでありました。グレート・ジャーニーや。
そういう経緯の自主盤なので、ものすごく規模のショボい音楽なのではないか、みなさんそうお考えになりますよね。私もそうでした。
ピアノ・トリオに管入りのカルテット、せいぜいクインテット。そんな程度だと。
驚きました。
なかなか大所帯のオーケストラが、いっぱいいっぱい音を出して、ダイナミックに盛り上げます。
とりわけA2。ドナ・サマー以前に、この曲の秘する爆発力に気付いていた男がアトランタにいたのです。
ジョビン、スティーヴィー、ソンドハイムなど、カバー中心の構成。オリジナルはB3のみ。
手売りする側も、される側も、「まあ、有名曲どっさり入っとるし」という謎の安定感、安心感みたいなものはあったと思う。もし全曲オリジナルだったら、グレート・ジャーニーには至ってなかったかもしれない。
小編成のインストがA1、B1。軽快にスイングするカクテル・ピアノの趣き。
オーケストラをバックに歌うA2、A3、B2、B4は、ラスベガスでショーやってるエルヴィスみたいなゴージャス感。
そして唯一のオリジナルB3は、甘美なバラードです。
ヴァラエティ豊かな内容は期待以上で、通常のレーベルから売り出されている商業作品に引けを取りません。ディック・ドリューのリード・ヴォーカルに深いリバーブがかかっているせいで、何だか森の妖精が歌っているかのような幻想的な雰囲気があります。
残念なのはジャケットです。内容がショボいのではないかって不安になるのは、この絵に因るところが大きい。
そもそも、アコベじゃない。全編エレベです。ジャケットを担当した画家は、いっぺんも聴くことなく描いたのでしょう。
何せ手作りのアルバムですからね。ジャケットも、知り合いの美大生にメシおごって頼んだとか、そういう事情なのかもしれません。
なお自主盤の世界には、ジャケット・デザインなし(白ジャケそのまま)というのもあります。お店に並べることを想定していないので、ジャケットは盤を保護する役割に徹しているわけです。なので本作、絵があるだけまだまし、と言えなくもない。
| ★★★ | 採点表を見る |
Produced by Dick Drew and Parker Henderson
Recording Engineer: Don Wagner
Arranged by Larry Payne, Dick Drew, Benny Goss
Keyboards: Dick Drew
Acoustic Bass, Fender Bass: Larry Payne
Drums: Mack Margrave
Vocals: Dick Drew
Special Thanks To
Doug Smith: Woodwinds
Larry Payne: French Horn
Cecil Welch: Flugelhorn, Trumpet
Don Wells: Trombone
Vocal Backing on A3: Sharon Scott
String Section: Of the Atlanta Symphony
Soloists
Doug Smith: Alto Sax on A2, A3
Cecil Welch: Flugelhorn on A1, A2, A3
Album Design: Grover Dear
Recorded and Mixed at Doppler Studios, Atlanta, Georgia September, 1975
Lacquering: Milan Bogdan and Don Wagner at Sound Pit, Atlanta, Georgia
Recording Engineer: Don Wagner
Arranged by Larry Payne, Dick Drew, Benny Goss
Keyboards: Dick Drew
Acoustic Bass, Fender Bass: Larry Payne
Drums: Mack Margrave
Vocals: Dick Drew
Special Thanks To
Doug Smith: Woodwinds
Larry Payne: French Horn
Cecil Welch: Flugelhorn, Trumpet
Don Wells: Trombone
Vocal Backing on A3: Sharon Scott
String Section: Of the Atlanta Symphony
Soloists
Doug Smith: Alto Sax on A2, A3
Cecil Welch: Flugelhorn on A1, A2, A3
Album Design: Grover Dear
Recorded and Mixed at Doppler Studios, Atlanta, Georgia September, 1975
Lacquering: Milan Bogdan and Don Wagner at Sound Pit, Atlanta, Georgia
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