2026/07/14

England Dan Seals / Stones ('80)

ソロ第1弾はアダルト・コンテンポラリー

A1Stones (Dig a Little Deeper)B1Holdin' Out for Love
A2Late at NightB2You Could've Been the One
A3Love Me Like the Last TimeB3Take You Home
A4Getting to the PointB4When It's Over
A5How Do I SurviveB5Lullaby
 70年代、イングランド・ダン・シールズ&ジョン・フォード・コーリーという長ったらしい名前のコンビが、ソフトでマイルドな西海岸ロック路線で活躍しました。

 わが国でもまずまずの人気があったようで、ブレンディというインスタント・コーヒーのCMソングを歌っています。

 ポール・ニューマンが出演していたCMですね。ちなみに当時は、ハリウッド・スターがたくさん日本のCMに起用されていました。それだけ日本企業に勢いがあったわけです。

 味の素AGFのブレンディといえば、わが国のインスタント・コーヒー界ではネスカフェと双璧をなす、国民的コーヒーです。異論はないでしょう。
 その国民的コーヒーに、何が起こっているのか。

 下の画像をごらん下さい。まずは2023年に買ったブレンディ。

 140g入ってます。これが398円(税抜価格、以下同)でした。

 そしてこれが一昨日、近所のドラッグストアで買ったブレンディ。

 70gで698円。量は減ったくせに、値段は上がっています。

 この時世、ありとあらゆるものが値上がりしていますよね。だから値段が上がること自体は珍しくも、おかしくもありません。むしろ値上がりしていない方がおかしい。
 それにしてもブレンディよ、上がり方があまりにも急峻ではありませんか。グラム単価を比較してみましょう。
購入年内容量価格1g価格
20231403982.84
2026706989.97
 え、3.5倍…。

 並べてみると、パッケージの大きさはそれほど変わっていない。

 内容量が半分になったのだから、もうちょっとコンパクトになると思うんだよな。包装資材がもったいないような気がします。

 なお2023年に買った方は期限過ぎてました。

 ゲー、早く飲まなきゃ。

 さて、おいしいコーヒーを飲みながらアナログ・レコードに耳を傾けるのは、音楽ファンにとって幸せなひとときですよね。ということでアルバムの話に戻りますよ。

 イングランド・ダン・シールズとジョン・フォード・コーリー、長いことコンビ活動をしていた鬱憤が爆発したのでしょうか。ディケイドの変わり目でコンビは解消、ふたりはそれぞれの道を歩むことになります。もはやスマイルをキープできなかったのかもしれません。

 80年代に入るや、イングランド・ダン・シールズはさっそくソロ・アルバムを発表します。それが本作。
 もともとダンにはカントリー志向がありました。フォードと別れてようやく、自分のやりたい音楽ができる、はずでした。

 ところがこのソロ第1弾は、LAで録音しています。やはり時代がそうさせたのか、デヴィッド・フォスターとその仲間たち、ピカピカの現地ミュージシャンを動員して、アダルト・コンテンポラリーなサウンドにハメ込まれてしまったのです。

 ただしクレジットを見ると、ナッシュヴィルでも録音しているっぽい。曲によってはLAのスタジオ・ミュージシャンと、ナッシュヴィルのプレイヤーズがいっしょに伴奏していることになってます。どうせダビングの共演でしょこりゃ。

 ダンとしてはナッシュヴィルに腰を据えて、じっくりカントリーな音楽に向き合いたかったのではないかと思う。
 しかしプロデューサーのカイル・レーニングは、それを肯んじませんでした。ひとり立ちしたばかりのダンを、ファースト・アルバムでこかすわけにはいかんかったのです。ビジネス上の安全牌として、LAサウンドにぐぐっと寄せる舵を切りました。ダンが本当にやりたい音楽はひとまず棚上げして、ソロ・デビューの成功を優先させた結果です。

 ダンにとって幸いなことに、このアルバム、さっぱり売れませんでした。LAサウンド、大失敗。迷いを吹っ切ったダンは次回作からカントリーに専念してヒットを連発、やがて80年代後半のカントリー界を背負って立ちます。

 本作がたとえダンの本懐ではなく、またセールスが振るわなかったとしても、この時代のLAサウンドやデヴィッド・フォスターのキラキラした感じがたまんねえ、な人たちにはまずまずのご馳走になるでしょう。
 レイ・パーカー・Jr.やポール・ジャクソン・Jr.がひっきりなしにシャカシャカとリズム・ギターを刻んでしまったおかげで、カントリー要素はすっかり霧消してしまいました。「カントリーなんてカッペの音楽聴いてられっかよバーカ」とのたまうみなさんにも、安心してオススメできます。

 A3はダンとレイフ・ヴァンホイが共作したメメント・モリ系バラード。じつに心に迫ります。たくさんの歌手にカバーされたのも納得。
 これを機にヴァンホイはダンと急接近し、ダンのカントリー路線を伴走することになります。
★★★

Recorded at Producers Workshop, John Thomas Studio, Redwing Studio, Larrabee Recording Studio, Woodland Studio, Lee Hazen's "Studio by the Ponds"

Mixed at Cherokee Recording Studios
Mastered at Sterling Sound by George Marino

Album Coordination: Karen Sobel
Product Management: Susan Stein

Produced and Engineered by Kyle Lehning for Twin Trumpets Productions

Assisted by Tony Gottlieb
Mixed by Bill Schnee

Photography: Jim Houghton
Art Directions: Bob Defrin

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