2020/05/08

Rafe VanHoy / Prisoner of the Sky ('80)

A1Keep Me Hangin' OnB1Love Crazy Love
A2Silver SaxophoneB2At the Moonlite
A3If You Don't Know by NowB3The Woman with the Heart of Gold
A4Tell MeB4I Wish That I Could Hurt That Way Again
A5What's Forever ForB5Prisoner of the Sky
 このようにシュリンクがついたままの中古レコード、ときおりありますよね。

 前のオーナーは、シュリンクをむしらなかった。それゆえ、レコードを大切に扱っていた人である可能性が高い。だから、盤のコンディションは良好なのではないか…そう考えたくもなります。
 しかしアナログの世界は、そんなに単純ではありません。シュリンクがあろうとも、盤面がボロボロのクタクタなんてことは日常茶飯事です。

 新車のシートにかぶせてあるビニールを、いつになってもはぐらない人っているじゃないですか。でもそういう人が、丁寧な運転をするとは限りませんよね。そういうことです。

 ブログに上げるべく、LPのジャケットをデジカメで撮影する私にとって、このシュリンクというのはジャマです。ごらんの通り、光ってしまい、うまく撮れません。

 それはともかく本作、ナッシュヴィルのシンガー・ソングライター、レイフ・ヴァンホイのリーダー・アルバムです。'70年代にソングライターとしてじわじわと実績を重ねたヴァンホイが、そろそろ自分で歌って表舞台に立とう、脚光を浴びよう、そんな風に考えたのでしょうかね。
 残念なことに、このファースト・アルバムが(現時点での)ラスト・アルバムになってしまいました。

 ほのかにカントリー風味な、王道ポップ・ロックです。ジャケット写真の印象そのまんま、ヴァンホイの歌声が若々しく、そして青臭い。サウンドが全体的にマイルドな味付けで、あまりとんがっていないため、本国よりむしろ日本人にウケそうな感じもします。日本で大々的に売り出せば、もしかしたら化けていたかもしれません。

 何となく、ジャクソン・ブラウンに似ているような…そんな気がしました。でもそれ多分、タイトルにskyとあるので印象が引きずられてしまったのでしょう。ともあれイケイケドンドン、オラオラソレソレな押しの強さに乏しい、内省的なキャラクターはジャクソン・ブラウンに通じるものがあります。

 要所々々で愛妻デボラ・アレンのコーラスが聴こえます。特徴のある声なのですぐわかるよ。

 A2"Silver Saxophone"はサックスを女体に例えた、官能小説もどきの歌詞。男の巧みな指使いで、彼女は喘ぎ声を漏らす…みたいな、しょっぱい擬人法です。この曲で間奏を担当したサックス・プレイヤー(ブルー・ジェイ・パットン)は、いったいどんな気持ちで吹いたのでしょうか。
★★★

Produced by Ron Chancey and Don Gant

Engineers: Tom Knox, Marshall Morgan, Les Ladd, Terry Choate, Barry "Byrd" Burton, Danny Hilley
Assisted by Skip Shimmin and Steve Goostree
Remixes by Tom Knox
Mastering Engineers: Denny Purcell and Hank Williams
Recorded at Tree International Studios and Woodland Sound Studios, Nashville, Tn.
Remixed at Woodland Sound Studios
Mastered at Woodland Sound Studios
String Arrangements by Bergen White

Strings
George Binkley, III
Marvin D. Chantry
Roy Christensen
Carl Gorodetzky
Sheldon Kurland
Wilfred Lehmann
Dennis Molchan
Bobby Taylor
Donald C. Teal, Jr.
Sam Terranova
Gary Vanosdale
Stephanie Wolf

Cover Photo: Frank Laffitte
Design: Harold Burch
Art Direction: Tommy Steele

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