A1 | Golden Earrings | B1 | Speak Low |
A2 | I'm a Fool to Want You | B2 | Misty |
A3 | 'Round Midnight | B3 | What Am I Here For |
A4 | I Remember Clifford | B4 | Lullabye |
日本のレコード会社のプロデューサーがニューヨークに出張し、現地のジャズメンを動員して作られたアルバム。
ジャパン・マネーがニューヨークの不動産を買い漁っていたあの頃、食い詰めた本場のジャズメンを札ビラでビンタするような蛮行がはびこっていました。アルフレッド・ライオンやノーマン・グランツ、オリン・キープニュースのような、あこがれのジャズ・プロデューサーの座を日本人が「カネで買った」わけです。
好意的に解釈するなら、あり余るカネの力で、衰退しつつあったジャズという文化を何としても保護してやろう、と考えていたのかもしれません。
ま、プロデューサーが日本人だろうと、どこの国の人だろうと、はたまた地底人や火星人であっても、完成したアルバムが上出来ならそれでいいっす。私ごときに、当時のバブル紳士を断罪する権利なんてありゃしませんからね。
さて、日本人プロデューサーの手掛けたジャズ・アルバムには、顕著な特徴があります。
その1。新人発掘よりも、冷や飯のベテランを重用。
ポッと出の若造を見つけ出し、鍛え上げ、磨き上げて大物にしてやろう、なんて気概はありまへん。50~60年代に活躍して、つとに知られたジャズメンを登用することがほとんどでした。
本作のレイ・ブライアントについては、言うまでもありませんね。プレスティッジの『レイ・ブライアント・トリオ』という50年代の大ヒット・アルバムで、抜群の知名度を誇るピアニストです。
その2。音がいい。
当時、日本のオーディオ技術は世界を席巻していました。また、日本のレコード会社はソニーやビクターなどがケツ持ちだったおかげで、最先端の優れた技術を享受しやすい立場にありました。
どうせ本場のジャズを録音するのなら、カネに糸目をつけず最新技術をめいっぱい盛り込んで高音質を目指しましょう、となるのは当然のなりゆき。このあたりの事情は『ヴァーモントの月』にも書きました。
ちなみに本作、レーベルのマークにDIGITALなんて付記されていますよ。アナログディスクなのにデジタルとはこれいかに。
その3。有名なスタンダード曲がズラリと並ぶ。
まさにヒット・パレード。誰もが知っている曲ばかりです。それゆえ、ジャズメンのオリジナル書き下ろし曲はありません。やらせてもらえません。
さる大物ジャズメン(たしかアート・ペッパーだったような…)が日本人プロデューサーに「オレのオリジナル曲をアルバムに入れてくれよう、1曲でいいからさ」と懇願したものの、
「誰がテメーのオリジナル曲を聴きたがるんだバカヤロー」と一喝されたそうです。
なお本作は、上のリストをごらんの通り、老若男女に親しまれた耳タコ曲でガチガチに塗り固めてあります。しかしよく見るとオーラスのB4はブライアントのオリジナル。いやあ、寛容なプロデューサーでよかったですね。
ジャパン・マネーがニューヨークの不動産を買い漁っていたあの頃、食い詰めた本場のジャズメンを札ビラでビンタするような蛮行がはびこっていました。アルフレッド・ライオンやノーマン・グランツ、オリン・キープニュースのような、あこがれのジャズ・プロデューサーの座を日本人が「カネで買った」わけです。
好意的に解釈するなら、あり余るカネの力で、衰退しつつあったジャズという文化を何としても保護してやろう、と考えていたのかもしれません。
ま、プロデューサーが日本人だろうと、どこの国の人だろうと、はたまた地底人や火星人であっても、完成したアルバムが上出来ならそれでいいっす。私ごときに、当時のバブル紳士を断罪する権利なんてありゃしませんからね。
さて、日本人プロデューサーの手掛けたジャズ・アルバムには、顕著な特徴があります。
その1。新人発掘よりも、冷や飯のベテランを重用。
ポッと出の若造を見つけ出し、鍛え上げ、磨き上げて大物にしてやろう、なんて気概はありまへん。50~60年代に活躍して、つとに知られたジャズメンを登用することがほとんどでした。
本作のレイ・ブライアントについては、言うまでもありませんね。プレスティッジの『レイ・ブライアント・トリオ』という50年代の大ヒット・アルバムで、抜群の知名度を誇るピアニストです。
その2。音がいい。
当時、日本のオーディオ技術は世界を席巻していました。また、日本のレコード会社はソニーやビクターなどがケツ持ちだったおかげで、最先端の優れた技術を享受しやすい立場にありました。
どうせ本場のジャズを録音するのなら、カネに糸目をつけず最新技術をめいっぱい盛り込んで高音質を目指しましょう、となるのは当然のなりゆき。このあたりの事情は『ヴァーモントの月』にも書きました。
ちなみに本作、レーベルのマークにDIGITALなんて付記されていますよ。アナログディスクなのにデジタルとはこれいかに。
その3。有名なスタンダード曲がズラリと並ぶ。
まさにヒット・パレード。誰もが知っている曲ばかりです。それゆえ、ジャズメンのオリジナル書き下ろし曲はありません。やらせてもらえません。
さる大物ジャズメン(たしかアート・ペッパーだったような…)が日本人プロデューサーに「オレのオリジナル曲をアルバムに入れてくれよう、1曲でいいからさ」と懇願したものの、
「誰がテメーのオリジナル曲を聴きたがるんだバカヤロー」と一喝されたそうです。
なお本作は、上のリストをごらんの通り、老若男女に親しまれた耳タコ曲でガチガチに塗り固めてあります。しかしよく見るとオーラスのB4はブライアントのオリジナル。いやあ、寛容なプロデューサーでよかったですね。
★★★ | 採点表を見る |
Ray Bryant: Piano
Rufus Reid: Bass
Freddie Waits: Drums
Producer: Kiyoshi Koyama
Recording: January 23, 24 & June 26, 1988 Power Station, New York, NY
Engineer: Tom Lazarus
Designer: Marlyn Rennie-Bryant
Photography: Daniels & Glionna, Toronto, Canada
Makeup: Cristine Dymond
Jewellery: Little Lanes
Rufus Reid: Bass
Freddie Waits: Drums
Producer: Kiyoshi Koyama
Recording: January 23, 24 & June 26, 1988 Power Station, New York, NY
Engineer: Tom Lazarus
Designer: Marlyn Rennie-Bryant
Photography: Daniels & Glionna, Toronto, Canada
Makeup: Cristine Dymond
Jewellery: Little Lanes
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