| A1 | Misty | B1 | Willow Weep for Me |
| A2 | Nature Boy | B2 | Yesterdays |
| A3 | Georgia on My Mind | B3 | Emily |
| A4 | November Song | B4 | Angel Eyes |
| A5 | Clark After Dark | B5 | Girl Talk |
そばとうどんの違い。わかる。
カレーとシチューの違い。わかる。
そんな私でも、トランペットとフリューゲルホーンの違い。わかりません。
私もかつては、とりわけ若い頃は、トランペットとフリューゲルホーンの違いがわからないといけないのではないか、わからないと小馬鹿にされるのではないか、そう考えていました。強迫観念の一種だったのかもしれません。
でも今はそうじゃない。正直どうでもいい。小馬鹿にしたければしれ。
さて本作、クラーク・テリーがオーケストラと共演しました。フリューゲルホーンに専念しています。
これを浴びるように聴いて、聴いて、聴きまくったれば、私にだってフリューゲルホーンの音がわかるんじゃないか、そういう不純な動機で買ってしまったのは内緒です。
ここでのテリーは、得意技の「シュビドゥビ、ドゥビドゥビ、ドゥビ、ドゥバ、ドバッ、ドピュッ」というスキャットを封印しています。フリューゲルホーン、一本槍です。
お上品なオーケストラ(約50人)を前に、うやうやしく吹奏しています。ヨーロッパのレーベルだからでしょうか、下卑たスキャットは許可してもらえなかったのかなあ。
有名なスタンダード・ナンバーを中心に、軽やかに、まろやかにプレイするテリー。一音入魂、命を削るようなアドリブはなくて、イージー・リスニング寄りのサウンドに徹しています。
クラーク・テリーの職人芸(artistry)を引き出す企画ゆえ、オーケストラは控えめな伴奏に徹するのかな、と思いきやそんなことまるっきりなくて、ブカブカドンドン遠慮なく音を放っています。ときおりオーケストラの分厚い響きに、テリーのフリューゲルホーンが埋没しちゃったりもします。オリジナル曲のA4に、その傾向が顕著です。
餃子好きによく知られたスタンダードのA3。このイントロ。やさしく、繊細で、歌心のこもった編曲に組み込まれ、テリーはとても気持ちよさそうに吹いています。
映画主題歌のB3。怒涛の如きフォルテの風圧でテリーに襲いかかるオーケストラと、巨大な金玉袋で彼らの猛攻を受け止めるテリーの応酬が凄まじい。本作におけるオーケストラは単なる引き立て役ではない、ということがよくわかりますよ。
オーケストラと主役を分け合いつつ、きっちりイージー・リスニングなアルバムに仕上げました。テリーの職人芸は、単に楽器をコントロールすることではなくて、レーベルやプロデューサーの企図するアルバム作りを実現することなのです。
カウント・ベイシー・オーケストラとデューク・エリントン・オーケストラ。ジャズ界を代表する名門ビッグ・バンドふたつに在籍し、数々のイカれた狂人たちに揉まれて生き抜いたテリーだからこその、処世術、仕事術。それがテリーの職人芸の本質なのではないか、そんな気がしてなりません。
彼が今、吹いているのはトランペットなのか、フリューゲルホーンなのか。そんなことは大したこっちゃない。
その音の向こう側に横たわる、彼の人生。彼の職人芸。私はレコードに耳を傾けながら、どんな世界を生きてきた人なのか、吹きながら何を考えているのか、感じているのか、そういうことに思いを馳せます。
楽器が何なのかなんて、正直どうでもいいじゃないですか。だからもういっぺん言う。小馬鹿にしたければしれ。
カレーとシチューの違い。わかる。
そんな私でも、トランペットとフリューゲルホーンの違い。わかりません。
私もかつては、とりわけ若い頃は、トランペットとフリューゲルホーンの違いがわからないといけないのではないか、わからないと小馬鹿にされるのではないか、そう考えていました。強迫観念の一種だったのかもしれません。
でも今はそうじゃない。正直どうでもいい。小馬鹿にしたければしれ。
さて本作、クラーク・テリーがオーケストラと共演しました。フリューゲルホーンに専念しています。
これを浴びるように聴いて、聴いて、聴きまくったれば、私にだってフリューゲルホーンの音がわかるんじゃないか、そういう不純な動機で買ってしまったのは内緒です。
ここでのテリーは、得意技の「シュビドゥビ、ドゥビドゥビ、ドゥビ、ドゥバ、ドバッ、ドピュッ」というスキャットを封印しています。フリューゲルホーン、一本槍です。
お上品なオーケストラ(約50人)を前に、うやうやしく吹奏しています。ヨーロッパのレーベルだからでしょうか、下卑たスキャットは許可してもらえなかったのかなあ。
有名なスタンダード・ナンバーを中心に、軽やかに、まろやかにプレイするテリー。一音入魂、命を削るようなアドリブはなくて、イージー・リスニング寄りのサウンドに徹しています。
クラーク・テリーの職人芸(artistry)を引き出す企画ゆえ、オーケストラは控えめな伴奏に徹するのかな、と思いきやそんなことまるっきりなくて、ブカブカドンドン遠慮なく音を放っています。ときおりオーケストラの分厚い響きに、テリーのフリューゲルホーンが埋没しちゃったりもします。オリジナル曲のA4に、その傾向が顕著です。
餃子好きによく知られたスタンダードのA3。このイントロ。やさしく、繊細で、歌心のこもった編曲に組み込まれ、テリーはとても気持ちよさそうに吹いています。
映画主題歌のB3。怒涛の如きフォルテの風圧でテリーに襲いかかるオーケストラと、巨大な金玉袋で彼らの猛攻を受け止めるテリーの応酬が凄まじい。本作におけるオーケストラは単なる引き立て役ではない、ということがよくわかりますよ。
オーケストラと主役を分け合いつつ、きっちりイージー・リスニングなアルバムに仕上げました。テリーの職人芸は、単に楽器をコントロールすることではなくて、レーベルやプロデューサーの企図するアルバム作りを実現することなのです。
カウント・ベイシー・オーケストラとデューク・エリントン・オーケストラ。ジャズ界を代表する名門ビッグ・バンドふたつに在籍し、数々のイカれた狂人たちに揉まれて生き抜いたテリーだからこその、処世術、仕事術。それがテリーの職人芸の本質なのではないか、そんな気がしてなりません。
彼が今、吹いているのはトランペットなのか、フリューゲルホーンなのか。そんなことは大したこっちゃない。
その音の向こう側に横たわる、彼の人生。彼の職人芸。私はレコードに耳を傾けながら、どんな世界を生きてきた人なのか、吹きながら何を考えているのか、感じているのか、そういうことに思いを馳せます。
楽器が何なのかなんて、正直どうでもいいじゃないですか。だからもういっぺん言う。小馬鹿にしたければしれ。
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Personnel
Clark Terry: Flugelhorn
Orchestra Assembled by Nat Peck
Violins:
Tony Gilbert (Leader)
Desmond Bradley
Paul Sherman
Jim Archer
Homi Kagnga
Bela Dekany
Peter Benson
Dennis McConnell
Bill Reid
John Willison
Hans Geiger
Bill Armon
Michael Jones
Max Salpeter
Diana Cummings
Charles Vorzanger
Fred Parrington
Derek Solomon
Violas:
Ken Essex
Luciano Jorio
Margaret Major
Rusein Gunes
Cellos:
Derek Simpson
Bram Martin
Alan Dalziel
Vivien Joseph
Double Basses:
Rodney Stratford
Arthur Watts
Trumpets:
Derek Watkins (All Tunes Except B1, B5)
Tony Fisher (All Tunes)
Dave Hancock (on A1, A5, B1, B5)
Kenny Wheeler (All Tunes)
Eddie Blair (All Tunes Except A1, A5, B1)
Trombones:
Cliff Hardy
Dave Horler
Nat Peck
Ray Premru
French Horn:
Terry Johns
Reeds:
Roy Wilcox (Alto Sax, Flute, Clarinet)
Al Newman (Alto Sax, Bass Clarinet)
Stan Sulzman (Tenor Sax, Flute, Alto Flute)
Tony Coe (Tenor Sax, Flute, Clarinet)
Ronnie Ross (Baritone Sax, Clarinet)
Gordon Peck: Piano
Martin Kershaw: Guitar
Chris Laurence: Bass
Tristan Fry: Percussion
Solos:
A5: Gordon Peck (Piano), Dave Horler (Trombone)
B1: Gordon Peck (Piano)
B5: Tony Coe (Tenor Sax), Martin Kershaw (Guitar)
Arrangements:
Peter Herbolzheimer (Except A3, A4, B2)
Jerry van Rooyen (A3)
Horst Muhlbradt (A4, B2)
Produced for MPS by Mike Hennessey
Executive Producer: Willi Fruth
Recorded at the Olympic Sound Studio London, Sept. 9, 10, 11, 12, 1977
Recording Engineer: Keith Grant
Photos: T. H. of Bloomsbury
Cover Design: Muller & von Frankenberg
Clark Terry: Flugelhorn
Orchestra Assembled by Nat Peck
Violins:
Tony Gilbert (Leader)
Desmond Bradley
Paul Sherman
Jim Archer
Homi Kagnga
Bela Dekany
Peter Benson
Dennis McConnell
Bill Reid
John Willison
Hans Geiger
Bill Armon
Michael Jones
Max Salpeter
Diana Cummings
Charles Vorzanger
Fred Parrington
Derek Solomon
Violas:
Ken Essex
Luciano Jorio
Margaret Major
Rusein Gunes
Cellos:
Derek Simpson
Bram Martin
Alan Dalziel
Vivien Joseph
Double Basses:
Rodney Stratford
Arthur Watts
Trumpets:
Derek Watkins (All Tunes Except B1, B5)
Tony Fisher (All Tunes)
Dave Hancock (on A1, A5, B1, B5)
Kenny Wheeler (All Tunes)
Eddie Blair (All Tunes Except A1, A5, B1)
Trombones:
Cliff Hardy
Dave Horler
Nat Peck
Ray Premru
French Horn:
Terry Johns
Reeds:
Roy Wilcox (Alto Sax, Flute, Clarinet)
Al Newman (Alto Sax, Bass Clarinet)
Stan Sulzman (Tenor Sax, Flute, Alto Flute)
Tony Coe (Tenor Sax, Flute, Clarinet)
Ronnie Ross (Baritone Sax, Clarinet)
Gordon Peck: Piano
Martin Kershaw: Guitar
Chris Laurence: Bass
Tristan Fry: Percussion
Solos:
A5: Gordon Peck (Piano), Dave Horler (Trombone)
B1: Gordon Peck (Piano)
B5: Tony Coe (Tenor Sax), Martin Kershaw (Guitar)
Arrangements:
Peter Herbolzheimer (Except A3, A4, B2)
Jerry van Rooyen (A3)
Horst Muhlbradt (A4, B2)
Produced for MPS by Mike Hennessey
Executive Producer: Willi Fruth
Recorded at the Olympic Sound Studio London, Sept. 9, 10, 11, 12, 1977
Recording Engineer: Keith Grant
Photos: T. H. of Bloomsbury
Cover Design: Muller & von Frankenberg
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