2024/11/16

Peterson & Pass & Brown / The Giants ('74)

A1Riff BluesB1Sunny
A2Who CaresB2I'm Getting Sentimental Over You
A3JobimB3Caravan
A4Blues for DennisB4Eyes of Love
 オスカー・ピーターソンはピアノに座ると、コンサート・グランドでさえ小さく見えてしまう、それくらいの巨漢だったそうです。

 似たような話で、フォークギターをつま弾いていたジャンボ鶴田を遠くから目にした人が、てっきりウクレレに見えた、なんてことがあったらしい。
 いかにもありがちな、プロレスラーの人間離れしたエピソードですね。プロレス界にはこういう話、掃いて捨てるほどありますよ。しかもたいがい眉唾です。浴槽に大便をしていたアンドレとか。
 でもそれでいい。プロレスの宇宙は、虚実ないまぜだからこそ成り立つのです。

 さてピーターソンが巨漢なのはいいとして、このジャケット写真だと、傍らのジョー・パスもなかなか大柄のようです。身長差わずか数cmくらいか。ほぼ肩を並べています。
 よく見るとジョー・パス、ズボンのポケットに右手つっこんでますね。ポケットの中でチンポをフィンガー・ピッキングでしょうか。

 本作、ピーターソンがオルガンを弾いている、というのが珍しくて買ってしまいました。

 A4とB1、B4がオルガンです。全8曲中、3曲ですよ。オルガン率が意外と高いのね。
 ピーターソンがオルガンを弾いている間は言うまでもなく、彼のピアノ・プレイを聴くことはできまへん。ピアノを腹いっぱい聴きたいリスナーにとって、ひたすらガマンの時間となります。インタビューがエンエンと続くアダルトビデオを見せられているようなもん。

 オルガンを弾いても、ピーターソンはピーターソンです。これはもう『新幹線大爆破』だろうと『居酒屋兆治』だろうと『ブラック・レイン』だろうと高倉健は高倉健を演じてるだけじゃん、と言うのに等しい。
 もうちょっとオルガンの音色に寄り添った粘っこいプレイがあればよかったのになあ。やはりそのへんは専門の人(ジミー・スミスとか)に任せておけってことですかね。

 ともあれ可もなく不可もなく、スター・プレイヤーたちが70点の仕事をする、いかにもパブロらしいアルバム。
 A3、B1の2曲はレイ・ブラウンが参加してなくて、ちょっと損した気分です。オルガンと剛腕アコースティック・ベースの組み合わせって、案外あるようでないんですよ。
★★★

Personnel
Oscar Peterson: Piano & Organ
Joe Pass: Guitar
Ray Brown: Bass

Produced by Norman Granz
Recorded at M. G. M. Recording Studios, December 7, 1974
Photography: Phil Stern
Layout & Design: Norman Granz / Gribbitt

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