2023/09/23

The Controllers / Next in Line ('79)

A1Let Me Entertain YouB1Gunning for Love
A2We Don'tB2Ankle Chain
A3If Tears Were PenniesB3I Don't Know
A4I Can't Turn the Boogie LooseB4Hurt Again by Love
 フレデリック・ナイトがプロデュースしたヴォーカル・グループ。
 内容は期待した通り、いかにもナイトらしい、演歌テイストのソウル・ミュージックがたっぷり詰まっています。リード・ヴォーカルの、ぶっといおっさん声がたまらなく魅力的。

 ナイトがプロデュースしたアルバムはたいてい、明るく前向きな曲で終わります。しかし本作、B3からB4の流れがじゃっかん重々しくて、後味があまりさわやかではありません。そこは異色と言えます。でも、これはこれで悪くない。むしろこの下腹にずしんと来る終わり方が、本作の価値を高めているような気さえします。

 気になるのは、すでに拙ブログで紹介した"Tommy Tate"と一部の曲がかぶっている件。どちらも、ナイトのプロデュース作品です。
 本作のA1、A2、B3はトミー・テイトの方にも同曲があって、伴奏はまるまる同じなのです。ヴォーカル・トラックのみが違う、と言えばいいのかな。つまりオケ・テープを使い回しちゃったわけ。

 制作にかかる費用をなるべく抑えつつ、良質の作品を送り出すのが優秀なプロデューサー、というのはわかります。ナイトが長いこと第一線で活躍できたのは、こういうみみっちい節約術のタマモノだったのかもしれません。
 この人もしかしたら、お風呂の残り湯で洗濯したり、カレンダーやチラシの裏をメモ紙にしているんじゃないのかなあ。しわい野郎だ。つーかそれ私です。

 本作は私の知る限り、ナイトのプロデュース作品で屈指の出来です。この時代にわらわら登場した、有象無象のヴォーカル・グループたちが束になっても敵わんでしょう。少なくとも私にとっちゃ、エンチャントメントなんかよりもずっと上等。
★★★

Produced by Frederick Knight

Recorded at Malaco Recording Studios
Engineered by James Griffin
Drums: Blair Cunningham
Guitar: Michael Toles, Michael Ward, Dino Zimmerman
Keyboards: Carson Whitsett, Frederick Knight
Bass: Ray Griffin
Arp: Carl Marsh
Percussion: Frederick Knight
Horns and Strings Arranged by Mike Lewis
Cover Design by Image Art Studio / Phil Allen
Photography by Bill Ray Studios / Lonnie Kees

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