2023/10/08

Bill Perkins and His San Franciscans / The Other Bill... ('79)

A1Oh, Look at Me NowB1Bye Bye Baby
A2KirstenB2Last Dance
A3MohawkB3Easy Livin'
A4Blues Lim-RikB4Ow!
「ビル・パーキンス」といえば、誰もが思い浮かべるのは西海岸ジャズの人。ボブ・クーパーやリッチー・カミューカと並び称される、テナー・サックスのスター・プレイヤーです。
 でも、本作でテナー・サックスを吹いているビル・パーキンスは、その人じゃない。同名異人です。それゆえ、タイトルにちょっぴり自虐入ってます。

 同じ名前、同じ楽器ということで、インターネット上のデータベースではうっかり同一人物扱いしているところも少なくありません。
 おいおい写真見ろよ、顔が全然違うだろうがよ…と難詰したくもなります。しかしながら、データベースの作成者がいちいちアルバム・ジャケットを手にとって登録作業を進めることは稀でしょうから、これは仕方ないのかも。

 インターネット情報の真贋は結局のところ、受け取る側のリテラシーにかかってくるということなのでしょう。なので皆の衆、心してかかられよ。

 音質良好。それもそのはずで、本作の録音エンジニアはフィル・エドワーズ。コンコード・レコーズでおなじみの職人ですな。
 雰囲気もコンコードっぽくて、陽気なスインガーたちが楽しそうに共演しています。


 本家のビル・パーキンスが名作『グランド・エンカウンター』で大熱演したスタンダード・ナンバーの"Easy Living"を、「よーしオレだって」とこちらのビル・パーキンスが果敢に挑みました。それがB3。
 同姓同名のテナー・サックス奏者ふたりが時空を超え、"Easy Living"というリングで対決したのです。

 結果は言わずもがな、本家ビル・パーキンスの完全勝利。
 さすがにこれは相手が悪い。並のレスラーがアンドレをボディスラムしようとしても、持ち上がりませんって。

 ただしこちらのビル・パーキンスも、プロとして食っていくのに申し分ない腕前です。
 実力はあるのにアルバムが本作1枚こっきりというのは、もしかしたら同姓同名(おまけに同楽器)のスター・プレイヤーがいるせいで自由闊達なアーティスト活動ができなかったからかもしれません。
 もったいないですよね。でも同じ氏名が同じ業界に複数いたら、ややこしいことになるんだろうなあ。ジェームス・テイラーとジェームス・テイラーのように、せめて肌の色が違っていたら区別できたのに。
★★★

Personnel
Bill Perkins: Tenor Sax
Chuck Peterson: Tenor Sax
Cal Lewiston: Trumpet
Al Plank: Piano
Dean Reilly: Bass
John Markham: Drums

Produced by Harry Lim
Recorded at Coast Recorders Inc., San Francisco, August 18, 1978
Recording Engineer: Phil Edwards
Remix Engineer: Richard Le Page
Photography: Bob Shaffer
Art Direction: Richard Shear

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