A1 | Let's Fall in Love Again | B1 | Number One Attraction |
A2 | Sho' Nuff Must Be Love | B2 | Make a Little Wish |
A3 | Love for Love | B3 | Didn't I Give You Love |
A4 | Queen of My Heart | B4 | Ghost Town |
A5 | Back Street Love Affair | B5 | If |
前作、'74年の『ウェイク・アップ』では、ニュー・ソウルの重苦しい空気をまとっていたザ・ヤングハーツ。
それから3年経った本作は、「やっぱりオレらにニュー・ソウルなんて無理っす」とでも悟ったのでしょう、明るく楽しいディスコ・ミュージックを貫いています。ジャケット写真にしても吹っ切れた感がありますよね。
ソフトでマイルド、ソフィスティケイテッドなブラック・コンテンポラリー・ディスコです。
軽妙洒脱とはこういうサウンドを言うのでしょう。ジャケット写真そのまんまのチャラい雰囲気は上々で、アルバムの完成度も高い。しっかり作ってあります。
A1のイントロからずん、ずん、ずん、ずんとバスドラム4つ打ちですよ。このアルバムは、ディスコなんだぞ、ニュー・ソウルじゃないんだぞ、そう冒頭で高らかに宣言しています。
プロデューサー、ジョージ・トービンの召集に、おなじみのミュージシャンたちが駆け付けました。彼らの手堅い演奏力に支えられ、これがオレたちの道なんだとわき目もふらずディスコ街道を走り抜ける新生ザ・ヤングハーツ。いやあ、清々しいですね。
本作がラスト・アルバムになってしまったのが残念でなりません。このクオリティなら、ディスコ・ブームのど真ん中に躍り出ることだってできたろうに。
コケはしたものの、プロデューサーのトービンはきっと、ここでの仕事に手応えを感じていたのでしょう。後年、スモーキー・ロビンソンのアルバムをプロデュースする際、本作のサウンドを再現しようと企てたフシがあります。結果はみなさんご存知の通り、スモーキーのアルバムは大ヒットしましたね。
ザ・ヤングハーツで試行錯誤したアダルト・コンテンポラリーな音作りが、スモーキーで結実した、というわけ。つまりザ・ヤングハーツはスモーキーを花咲かせるための、肥料となってくれたのです。ありがとう。
なお本作のタイトル、映画好きの御仁ならお気付きでしょう。『イヴの総て』"All About Eve"にかけています。
新人女優がベテラン女優を引きずり降ろしてのし上がる、えげつないストーリーの映画です。しかしそれ以上にえげつないのは、ザ・ヤングハーツごとき小物を踏み台にしてヒット・チャートを駆け上がってしまった大物のスモーキーかもしれません。
さてアルバムのオーラスは、ブレッドのヒット曲「イフ」のカバーときた。
こういう節操のないカバーも、ディスコ音楽にありがちですよね。ディスコ道を突き進むザ・ヤングハーツにとっちゃ、おいしそうなパンが目の前に転がっているようなもの。ためらうことなくかぶりつきます。
オリジナル作者のデヴィッド・ゲイツが聴いたら「オレの曲に何てことするんだこの野郎!」と襲いかかってきそうなカバーです。
でもそれでいい。かの名曲「イフ」で、踊れちゃうんだもん。たとえ作者に嫌われようとも、自分たちのやりたいようにやる、その覚悟やよし。
それから3年経った本作は、「やっぱりオレらにニュー・ソウルなんて無理っす」とでも悟ったのでしょう、明るく楽しいディスコ・ミュージックを貫いています。ジャケット写真にしても吹っ切れた感がありますよね。
ソフトでマイルド、ソフィスティケイテッドなブラック・コンテンポラリー・ディスコです。
軽妙洒脱とはこういうサウンドを言うのでしょう。ジャケット写真そのまんまのチャラい雰囲気は上々で、アルバムの完成度も高い。しっかり作ってあります。
A1のイントロからずん、ずん、ずん、ずんとバスドラム4つ打ちですよ。このアルバムは、ディスコなんだぞ、ニュー・ソウルじゃないんだぞ、そう冒頭で高らかに宣言しています。
プロデューサー、ジョージ・トービンの召集に、おなじみのミュージシャンたちが駆け付けました。彼らの手堅い演奏力に支えられ、これがオレたちの道なんだとわき目もふらずディスコ街道を走り抜ける新生ザ・ヤングハーツ。いやあ、清々しいですね。
本作がラスト・アルバムになってしまったのが残念でなりません。このクオリティなら、ディスコ・ブームのど真ん中に躍り出ることだってできたろうに。
コケはしたものの、プロデューサーのトービンはきっと、ここでの仕事に手応えを感じていたのでしょう。後年、スモーキー・ロビンソンのアルバムをプロデュースする際、本作のサウンドを再現しようと企てたフシがあります。結果はみなさんご存知の通り、スモーキーのアルバムは大ヒットしましたね。
ザ・ヤングハーツで試行錯誤したアダルト・コンテンポラリーな音作りが、スモーキーで結実した、というわけ。つまりザ・ヤングハーツはスモーキーを花咲かせるための、肥料となってくれたのです。ありがとう。
なお本作のタイトル、映画好きの御仁ならお気付きでしょう。『イヴの総て』"All About Eve"にかけています。
新人女優がベテラン女優を引きずり降ろしてのし上がる、えげつないストーリーの映画です。しかしそれ以上にえげつないのは、ザ・ヤングハーツごとき小物を踏み台にしてヒット・チャートを駆け上がってしまった大物のスモーキーかもしれません。
さてアルバムのオーラスは、ブレッドのヒット曲「イフ」のカバーときた。
こういう節操のないカバーも、ディスコ音楽にありがちですよね。ディスコ道を突き進むザ・ヤングハーツにとっちゃ、おいしそうなパンが目の前に転がっているようなもの。ためらうことなくかぶりつきます。
オリジナル作者のデヴィッド・ゲイツが聴いたら「オレの曲に何てことするんだこの野郎!」と襲いかかってきそうなカバーです。
でもそれでいい。かの名曲「イフ」で、踊れちゃうんだもん。たとえ作者に嫌われようとも、自分たちのやりたいようにやる、その覚悟やよし。
★★★★ | 採点表を見る |
All Vocals
The Younghearts
Dyana Whitman Featured on A5
Musicians
Horns: Dave Grover, Lance Buller, Jason Ingram, Ross DeRoche, John Yochum, Joel Peskin
Guitar: Bill Neale
Bass: Scott Edwards, Gary Richwine, Mike George
Keyboards: Stewart Levin
Drums: James Gadson, Sammy Urdank
Percussion: Mark Wolfson
Strings: George Poole Section
Steel Guitar: J. D. Mannis
Harmonica: Marcos
Arrangers
George Tobin / Mike Piccirillo on A1, A5, B1
Lenny Macaluso on B3
Jimmy Bond on B5
Ronald Preyer / Charles Ingersol on A3, A4, B2, B4
Orchestration
Harry Goodnight
Recording Engineers: Paul Tregurtha, H. Lee Wolen, Lewis Peters
Mixing Engineer: Mike Piccirillo
Production Manager for GTP: Gary Goetzman
Mastered at ABC Recording Studios, Los Angeles, California
Recorded and Mixed at Studio Sound Recorders, Studio City, California
Produced by George Tobin
Art Direction: Frank Mulvey
Design: Philip Chiang
Photography: Olivier Ferrand
The Younghearts
Dyana Whitman Featured on A5
Musicians
Horns: Dave Grover, Lance Buller, Jason Ingram, Ross DeRoche, John Yochum, Joel Peskin
Guitar: Bill Neale
Bass: Scott Edwards, Gary Richwine, Mike George
Keyboards: Stewart Levin
Drums: James Gadson, Sammy Urdank
Percussion: Mark Wolfson
Strings: George Poole Section
Steel Guitar: J. D. Mannis
Harmonica: Marcos
Arrangers
George Tobin / Mike Piccirillo on A1, A5, B1
Lenny Macaluso on B3
Jimmy Bond on B5
Ronald Preyer / Charles Ingersol on A3, A4, B2, B4
Orchestration
Harry Goodnight
Recording Engineers: Paul Tregurtha, H. Lee Wolen, Lewis Peters
Mixing Engineer: Mike Piccirillo
Production Manager for GTP: Gary Goetzman
Mastered at ABC Recording Studios, Los Angeles, California
Recorded and Mixed at Studio Sound Recorders, Studio City, California
Produced by George Tobin
Art Direction: Frank Mulvey
Design: Philip Chiang
Photography: Olivier Ferrand
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