2020/07/27

Monty Alexander / Perception! ('74)

モンティ・アレキサンダー / アランフェス
オスカー・ピーターソンも絶賛する若きピアノ・ジャイアント、
モンティ・アレキサンダーの話題作登場!
A1Concerto D'Aranjuez
アランフェス協奏曲
B1Carnival in Jamaica
カーニヴァル・イン・ジャマイカ
A2Ben
ベンのテーマ
B2For All We Know
ふたりの誓い
A3Battle Hymn of the Republic
リパブリック讃歌
B3Rude Old Man
ルード・オールド・マン
B4Shaft
黒いジャガー
 節操のない選曲っぷりも、モンティ・アレキサンダーの魅力。
 いわゆるティン・パン・アレー・スタンダードのみならず、クラシックの有名曲、ポップスのヒット曲、映画音楽、はては童謡や民謡にいたるまで、あっちゃこっちゃから題材を拾って来るのです。

 リストに並んだ曲をごらん下さい。「アランフェス協奏曲」はいいとして、「ベンのテーマ」に「ふたりの誓い」おまけに「リパブリック讃歌」ですよ。

 とどめは「黒いジャガー」、これをジャズでやります。やっちゃうんですこの人は。

 ダダダッ、ダダダッ、ダダダッ、ダーン。
 ダダダッ、ダダダッ、ダダダッ、ダーン。

 1:45のあたりで、あのフレーズを完全再現。アイザック・ヘイズのオリジナルに対する敬意を感じます。
 オリジナルを尊重しつつも、アドリブ・パートはモンティ節がフル・スロットル。題材をどこに求めようと、きっちり自分の色に染め上げるモンティはさすがですな。

 内容は申し分ない本作、残念なことに音質がちょっと物足りない。
 豪快に鍵盤を弾きたおすモンティのダイナミズムがあんまり伝わらない、元気のない音なのです。

 かつて拙ブログにて、ジョージ・シアリング『追憶』の音質をくさしたことがありました。
 本作も『追憶』も、MPSの音源から日本のテイチクが製盤し、発売しているもの。ひょっとしたら本国のオリジナル盤は優秀録音なのに、テイチクの手にかかった日本盤は音質が劣化してしまった、ということなのかもしれません。

 アナログの世界では、あり得ないことではない。
 しかしですよ、天下のテイチクが、そんなやっつけ仕事をするかなあ。ジャズ・ファンにゃ音質にウルサイ人がゴマンといるのは、テイチクだってよくわかっているでしょうに。

 ま、こればっかりはオリジナルと日本盤、両方揃えて聴き比べでもしないとわからんことです。
★★★

Monty Alexander: Piano
Senator Eugene Wright: Bass
Bobby Durham: Drums

Recorded June 18, 1973
Produced by Don Schlitten
Recording Engineer: Paul Goodman

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