2020/07/31

Sylvia / Just Sylvia ('82)

シルヴィア / スイート・メッセージ
その瞳の輝きは愛の星。
シルヴィア――“ユアー・マイ・ラッキー・スター”噂のシルヴィアいよいよデビュー!!
シングル「ノーバディ」全米ビッグ・ヒット!!
A1Nobody
ノーバディ
B1Like Nothing Ever Happened
愛はさりげなく
A2Mirage
ミラージュ(蜃気楼)
B2I'll Make It Right with You
あなたとならば
A3Sweet Yesterday
スイート・イエスタデイ
B3Not Tonight
ノット・トゥナイト
A4You're a Legend in Your Own Mind
ふたりの物語
B4I Feel Cheated
偽りのロンリー・ラブ
A5You Can't Go Back Home
ユー・キャント・ゴー・バック・ホーム
B5The Mill Song (Everybody's Got a Dream)
ザ・ミル・ソング
 このジャケットを見て思うのは、やっぱり美人はトクなんだな、ということ。
 レコード店のエサ箱をパタパタと探っていた私の手が、本作にさしかかって、止まった。

 人間は顔じゃないよ、心だよとさんざん言われて、これまで生きてきました。しかし圧倒的な美貌の前になすすべもなく魅入られてしまうのもまた、人間なのです。
 どんな声なのか、どんな音楽なのかもわからぬまま、私は本作を持ってレジの前に立っていました。

 カントリー音楽のタネを、80'sポップスのコロモで揚げた天ぷら。本作はおおむね、そういう趣旨です。
 シルヴィアさんの歌いっぷりは、凡庸の一言に尽きます。上手くもなく、下手でもない。心に訴えるようなものはない。
 でもこの美貌のおかげで、2割増しくらいに感じられます。いやあ美人はトクなんだな。

 専属のソングライター(フレミング&モーガン)が、ほとんどの曲を書き下ろしました。印象的なメロディが粒ぞろいで、彼らがこのアルバムを縁の下で支えています。
 ソングライターも男だもん。美人のためだもん。そりゃ、発奮しますって。うまくいけば、「ステキな曲を書いてくれてありがとう」なんて1発やらせてくれるかもしれないのですから。夢想のニンジンをぶら下げ、彼らは全力で走りました。
 周囲をその気にさせ、才能を引き出してしまう。なるほど美人はトクなんだな。

 本作はそこそこヒットしたようで、シルヴィアさん、次作よりカントリー路線を脱してポップスの爆心地に討って出ることになります。
 当時の音楽シーンは、マドンナやシンディ・ローパーが彗星のごとく登場した女性ヴォーカリスト戦国絵巻。シルヴィアさん、彼女らと同じ土俵に立とうとしたわけです。あちゃー。
★★★

Produced by Tom Collins

Piano: David Briggs, Archie Jordan
Rhodes: David Briggs
Synthesizer: Shane Kiester, Bobby Ogdin
Electric Guitar: Pete Bordonali, Fred Newell
Mandolin: Pete Bordonali, Fred Newell
Drums: Buster Phillips, Kenny Malone
Bass: Joe Osborn
Rhythm Guitars: Jimmy Capps, Dennis Morgan

Background Voices
Sylvia
Cherry Sisters (Sheri Huffman, Diane Tidwell, Lisa Silver)
George Grantham
Kyle Fleming & Dennis Morgan (A5)

Strings
Nashville String Machine
Arranged by D. Bergen White

Recording Studio: Music City Music Hall, Nashville, TN.
Engineer: Bill Harris
Assistant Engineers: Doug Crider, David DeBusk

Mastering Engineer: Denny Purcell, Woodland Sound Studio, Nashville, Tennessee

Art Direction: Hogan Entertainment Design
Photography: Mario Casilli

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