2019/10/24

David Ruffin / Who I Am ('75)

A1Who I AmB1Wild Honey
A2It Takes All Kinds of People to Make a WorldB2Heavy Love
A3Walk Away from Love B3Statue of a Fool
A4I've Got Nothing but TimeB4Love Can Be Hazardous to Your Health
A5The Finger Pointers
 デヴィッド・ラフィンは素行が悪くて、テンプテーションズを追放された人です。
 そのまま音楽界からフェイドしてもおかしくない。素行は大事ですからね。しかしこの人、こうしてレコードを出したりしているのです。それもモータウンから。
 素行に難ありでも、消えるに惜しい音楽的才能だったのでしょうか。気になる1枚です。

 テンプスから放逐された彼は、いくつかソロのアルバムをリリースします。いずれも不発弾でした。迷走の果てに身を寄せたのが、当時イケイケだったヴァン・マッコイ。
 マッコイのプロデュースした本作は、デヴィッド・ラフィンにとって久々のヒットになったのです。

 ヴァン・マッコイは、一聴してそれとわかる独自のサウンドを持っています。例えば本作のA3。イントロを聴いただけで、「あ、マッコイだ」と誰にでもわかります。グロッケンの音がマッコイの刻印ですな。
 そんなマッコイ・サウンドを高度な演奏技術で支えたのが、ご存知スタッフの面々。まさにヴァン奏というべきか。

 いかにもマッコイらしい、ときに華美で、ときに仰々しいシンフォニックな伴奏をしたがえ、デヴィッド・ラフィンが存分に歌ってくれます。
 オレが脱けた後のテンプスが、モータウンのトップランナーとして華々しい活躍をしている。オレも負けていられない。ヴァン・マッコイを踏み台にして、モータウン・カーストの上位層に返り咲いてやるぜ…そんな野心も少なからずあったのでしょう、それはもう真剣な歌いっぷりです。
 たしかにここまで歌えるのなら、ちょっとやそっと素行がアレでも大目に見たくなっちゃいますよね。今の時代ならコンプライアンスがどったらこったらで、そうはいかんのでしょうけど。

 いちばんの聴きどころはB3。ゆったりめのバラードを、切なげに歌ってます。切なげ色にたそがれます。
 ちなみにジャケットの裏を見ると、B3の作者クレジットはデヴィッド・ラフィン本人です。ホンマにこの人が作ったのでしょうかねえ。

 さて後年、デヴィッド・ラフィンは別荘送りになります。税金の滞納をしたそうな。別荘行きになるくらいだから、滞納額は少なくなかったことでしょう。
 やはり納めるべきもんはきちんと納めんと。そうですよね徳井さん。
★★★

Produced, Arranged and Conducted by Van McCoy

Musicians
Bass: Gordon Edwards
Piano: Richard Tee, Paul Griffin, Van McCoy
Guitar: Eric Gale, John Tropea, Hugh McCracken
Clavinet: Paul Griffin
Percussion: David Carey, Arthur Jenkins, George Devens
Drums: Stephen Gadd
Moog Synthesizer (ARP 2600): Ken Bichel

Horns
Mel Davis, Bernie Glow, Marvin Stamm, Urban Green, Mickey Gravine, Sonny Russo, Bob Alexander, Paul Faulise

Strings
Gene Orloff, Kermit Moore, Jesse Levy, Cathy Keinke, Harry Lookofsky, Richard Sortomme, Max pollikoff, Guy Lumia, Julie Schachter, Joe Malin, Al Brown, Manny Vardi, Selwart Clarke, Julian Barber

Background Vocals
Albert Bailey, Diane Destry, Brenda Hilliard

Recorded at Media Sound Studios, New York, New York
Engineer: Alan Varner

Photography: Norman Seeff
Art Director: Frank Mulvey

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