2019/10/06

James Bradley ('79)

A1Let's Paint the TownB1I Can't Get Enough of Your Love
A2Wrapped up in Your LoveB2Knowing You're My Everything
A3I'm in Too DeepB3Never Too Far Away
B4Let's Do It Together
B5The Night We Called It a Day
 本作が登場した1979年というのは、作り手も聴き手も、ディスコ音楽に飽き、あるいは疲れていた頃なのではないか。そういう気がします。盤面から、そういう空気が漂っています。

 ノン・ストップ・ミックスされたA面からは、あまりやる気が感じられない。ディスコ後期、倦怠期にありがちな、ムダに長くしている水増しの感は否めません。
 おまけにB面と比べると、A面は音がよくない。ノン・ストップ・ミックスの工程で音質を保持できず、劣化させてしまったのでしょう。素人か。

 しかしながらB面は、なかなか聴かせます。プロデューサーのフレデリック・ナイトにありがちな、演歌っぽいソウル・ミュージックです。
 本作が唯一のアルバムであるジェームズ・ブラッドリーは、声も歌いっぷりもフレデリック・ナイトによく似ています。イケイケのディスコなA面よりも、野暮ったい曲が並ぶB面の方がこのヴォーカリストにはそぐっているような気がする。

 とりわけディスコに背を向けたかのようなゆっくりテンポのバラードB2がいい。胸毛ボーボーのおいちゃんが愚直に歌い上げる様子は、胸に迫るものがあります。

 クレジットに気になる名前を見つけました。いち伴奏者としてフレッド・ノブロックが参加しています。

 ジェームズ・ブラッドリーの野暮ったい歌い方は、ジャンルこそ違えどフレッド・ノブロックにどこか通じるものがある。そんなことに気付いて、何だかうれしくなってしまいました。
★★★

Produced by Frederick Knight
Horns & String Arranged by Mike Lewis
Recorded and Remixed at Malaco Studios
Additional Recording at Criteria Studios
Engineers: Wolf Stephenson, James Griffin
Additional Engineers: Steve Klein, Don Gehman
A1, A2, A3 Remixed by Steve Thompson and Michael Arato
A1, A2, A3 Remix Engineer: Michael Barbiero
A3 Remix Engineer: Alec Head
Musicians: Blair Cunningham, Ray Griffin, Fred Knobloch, Carl Marsh, Michael Toles, Carson Whitsett, Dennis Zimmerman
Background Vocals: Frederick Knight, Jewel Bass, Valerie Williams, Cheryl Bundy, Jeanette Williams
Photos by Lonnie Kees and Bill Ray
Graphic Design by Phil Allen of Image Art Studios

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