2018/07/13

Ron Carter / Empire Jazz ('80)

ロン・カーター、ボブ・ジェイムス&フレンズ / スター・ウォーズ帝国の逆襲
ロン・カーターのプロデュース&アレンジ!
ボブ・ジェイムス、ヒューバート・ロウズ、ビリー・コブハムら人気アーティストが一堂に会して作り上げた一大傑作!!
A1The Imperial March (Darth Vader's Theme)
ダース・ベイダーのマーチ
B1Han Solo and the Princess (Love Theme)
ハン・ソロと王女(愛のテーマ)
A2The Asteroid Field
小惑星の原野
B2Lando's Palace
ランドの城
B3Yoda's Theme
ヨーダのテーマ
 ジャズを知らない人でも、ロン・カーターというベーシストはご存知かもしれません。
 かつて、わが国のテレビCMに出演したことがあるのです。たしかウイスキーのCMだったかな。ゴールデンな時間帯にバンバン放映され、全国のお茶の間に知れ渡りました。

 なぜこの人が起用されたのか、理由を知りたいものです。
 当時はレイ・ブラウンやレッド・ミッチェルもいたし、ニールス・ペデルセンやチャーリー・ヘイデンやリチャード・デイヴィスやデイヴ・ホランドやゲイリー・ピーコックやジョージ・ムラーツなど、ジャパンマネーの札束ビンタでCM出演を快諾しそうなグレート・ベーシストはたくさんいたことでしょう。
 なぜロン・カーターなのか?

 そもそもなぜベーシストなのか、という疑問はさておいて、彼が選ばれた理由を考えてみると、まるで大学教授のようなインテリっぽい風貌(実際に音楽学校で教鞭を振っている)、ちょっと陰気で、自分に厳しい求道者のような雰囲気が、真面目に、誠実にウイスキーを作っていますよ、という商品イメージのアピールにそぐったのでしょう。

 このCMが、ウイスキーの売り上げにどれほど奏功したのかはわかりません。しかしロン・カーターという人を広く、遍く世間に知らしめた効果は絶大だったようで、同時期にリリースされた彼のリーダー・アルバムは(ジャズにしては)爆発的な売れ行きだったとか。

 というわけで、わが国ではカタブツの紳士といったイメージが定着してしまった感のあるロン・カーター。
 CM出演のはるか以前、遠い銀河系の彼方で、このようなお茶目なアルバムを作っていました。

 映画『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』の音楽をジャズ化するという、完全にイロモノのお仕事です。
 ただ命ぜられてベースを弾いた、というわけではなく、映画のスコアをジャズに編曲し、プロデュースまでもするというリキの入れようです。
「俺だってミーコのように儲けたいんや!」と思ったのかどうなのか。このアルバム、売れたのでしょうか…?

 ジャケット・デザインがきわめて秀逸。
 R2-D2がドラムス、C-3POがベース、ストーム・トルーパーがサックスを吹き、チューバッカがピアノを弾いています。(上の画像では、チューバッカはオビで見えません)
 そして演奏を聴いているのがダース・ベイダーですよ。
 音を間違えたり、しょっぱい演奏をしたらやっぱりフォースのチョークスリーパーでお仕置きされてしまうのでしょうか。
 とはいえ映画の中では敵味方なのに、このジャケットでは仲良くいっしょにいるというのがミョーに嬉しいんだな。
★★★

Produced and Arranged by Ron Carter
Executive Producer: Bill Oakes

Musicians
Ron Carter: Bass
Bob James: Acoustic Piano
Billy Cobham: Drums
Ralph McDonald: Assorted Percussion
Hubert Laws: Flute
Jon Faddis: Trumpet and Flugelhorn
Joe Shepley: Trumpet and Flugelhorn
Frank Wess: Tenor and Soprano Sax
Jay Berliner: Electric and Acoustic Guitar
Eddie Bert: Trombone

Art Direction: Glenn Ross
Illustration: Jeff Wack
Design: Tim Bryant, George Corsillo / Gribbitt

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