2018/06/20

The Joe Chemay Band / The Riper The Finer ('81)

A1Bad EnoughB1You Saw Me Coming
A2ProudB2Love Is a Crazy Feeling
A3Once in a LifeB3Holy Thunder
A4A Fine LineB4One Needs Another
B5Never Gonna Let You Go
"Joe Chemay"という名前にかすかな見覚えがある、という人は、もしかしたらビーチ・ボーイズの熱心なファンかもしれません。

 ビーチ・ボーイズの『ライヴ・アット・ネブワース』というDVDで、彼の姿を見ることができます。サポート・ミュージシャンとして参加していました。
 ブライアン・ウィルソンの虚ろな振る舞いばかりが気になるDVDにあって、ベースを弾いて伴奏を支えるジョー・シャーメイの堅実な仕事っぷりもけっこう映ってましたね。

 ジョー・シャーメイはアルバム・アーティストというよりは、流しのミュージシャンに近いのかな。

 リーダー・アルバムは本作以外、目立ったものはありません。大物アーティストのコンサートやレコーディングに参加して食っている人のようです。

 なお、しばらく前に紹介したフランキー・ブルーの『潮風のバラード』と本作は、お膳立てが同じ。つまり同じレーベルで、同じプロデューサー、同じ伴奏ミュージシャン、ほぼ同じ時期の作品です。兄弟盤と言ってもいいでしょう。

 で、兄弟を比べると、華のあるヴォーカリストを前面に立てた『潮風~』の方が断然よかったりします。
 本作の方は一聴すると地味に感じますが、玄人の仕事っぷりというか、『潮風~』より複雑で高度、通好みの音楽をやっているような印象。

 もしかしたら本作は、音楽業界人に向けて作られたシャーメイの名刺なのかもしれません。これを手に、あちこちに名を売り、人脈を築いて流しの仕事につないだのではないか。

 セールスの振るわなかった本作も、そういう意味では無駄ではなかったわけです。だって彼は流しのミュージシャンとして、今日までずっとメシを食えたのですから。
★★★

Joe Chemay: Bass, Acoustic Guitar, Lead Vocals, Background Vocals
John Hobbs: Acoustic Piano, Fender Rhodes, Synthesizer
B. Walker: Electric and Acoustic Guitar
M. Meros: Organ, Clavinet
P. Leim: Drums, Percussion
Louis Conte: Percussion
Maxine & Julia Waters: Background Vocals
Rhythm Tracks Arranged by J. Hobbs, B. Walker, M. Meros, P. Leim, J. Chemay
(aka the Council)
Recorded at the Music Grinder Recording Studio
Mastered at Capitol Records
Cover Composition: Dawn Adams
Cover Painting: Doris Vartan
Produced by J. Chemay and John Guess
Engineered by John Guess for Guesswork Productions
Executive Producer: Daphna D. Edwards

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