2018/06/20

Joao Gilberto / Amoroso ('77)

ジョアン・ジルベルト / イマージュの部屋
A1'S Wonderful
スワンダフル
B1Wave
A2Estate
エスターテ
B2Caminha Cruzados
十字架の道
A3Tin Tin Por Tin Tin
ティン・ティン・ポル・ティン・ティン
B3Triste
トリステ
A4Besame Mucho
ベサメ・ムーチョ
B4Zingaro
ジィンガーロ
 ギター1本の弾き語りでその豊かな音楽世界を作り上げるジョアン・ジルベルトに、蛇足以外のなにものでもないゴージャスなオーケストラを伴奏にくっつけてしまった無謀きわまる企画です。

 ジョアンはいつも通り、あるいはいつも以上に力の抜けた例の歌い方を貫いており、後ろにオーケストラがあろうとどこ吹く風といった趣。まさにカエルの面にションベン。

 もしかしたら、ジョアンの歌声とギターのトラックだけ抜き出して聴いても、まったく印象が変わらないんじゃないかって気さえします。それくらい、オーケストラが空気と化しているわけ。

 ギター弾き語りでたちどころに大編成のオーケストラを無力化してしまうジョアンの、孤高の音楽。
 アメリカのメジャー・レーベルで、海千山千の大物プロデューサーがさんざん物量作戦をカマしたところで、ジョアンの音楽は微動だにしないのでした。

 まるで土俵に根っこが生えているかのように、押しても引いてもびくともしない、とライバル力士に畏敬された全盛期の千代の富士に近いものがあります。
 そうだ、横綱だ。ジョアンはボサノヴァの横綱です。

 ジョアンがあの声、あの歌い方で「チンチン、チンチン」と連呼するA3が大人の味です。
★★★

Arranged and Conducted by Claus Ogerman

Musicians
Guitar and Vocals: Joao Gilberto
Drums: Grady Tate and Joe Correro
Bass: Jim Hughart
Keyboards: Ralph Grierson

Produced by Tommy LiPuma and Helen Keane
Recorded and Mixed by Al Schmitt

Recorded at Rosebud Studios, New York, November 17th, 18th & 19th, 1976
Assistant Engineer: Eric Bowman
Recorded at Capitol Records, Hollywood, January 3rd, 4th & 7th, 1977
Assistant Engineer: Don Henderson
Concertmaster: Israel Baker
Orchestra Contractor: Frank De Caro
Production Assistant: Noel Newbolt

Photography: Hirosuke Doi
Art Direction: Ed Thrasher
Design: Richard Seireeni / Rod Dyer, Inc.

Cover Painting: Geoffrey Holder

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