| A1 | Stardust | B1 | Moonlight Serenade |
| A2 | In the Mood | B2 | Sing, Sing, Sing |
| A3 | Opus One | B3 | Temptation |
| A4 | Skyliner |
楽器の摩天楼に、空飛ぶ円盤(レコード)の上で踊る男女。センスがいいんだか悪いんだかよくわからん。
このジャケットが、なぜか心に引っかかりました。買っちゃったくらいですからね。そういう意味では優れたデザインなのかもしれません。
スイング時代の名曲をディスコ化したアルバム。
仕掛けたのはチャーリー・カレロ。長らくポピュラー音楽界に貢献してきた重鎮です。
もともとは裏方の人。アレンジャーです。このような、本来表方に出てこないような人が縁の下からゾロゾロ這い出し、自己名義のアルバムを作ったりしてしまうのも、ディスコ音楽全盛のキラキラしていた時代ならでは。
スタンダードの中のスタンダード、「スターダスト」を上品で、洗練されたディスコ音楽にしてしまいました。Aクラスのポップス職人が本気の仕事をすると、こんなに素敵に生まれ変わるのです。
ほぼ同時期にカレロが編曲を手掛けている"Dr. Buzzard's Original 'Savannah' Band"に、よく似た雰囲気です。瀟洒なスイング感がたまりません。
さてみなさんもご存知の通り、「スターダスト」はあらゆるジャンルのあらゆるミュージシャンに歌われ、演奏されています。カバー・バージョンは1,000とも、5,000とも言われています。正確な数は誰にもわからないのではないか。
きっとみなさんそれぞれ、お好きな「スターダスト」があると思います。せっかくだから、私のオススメをいくつか挙げさせて下さい。

まずはスタン・ゲッツの"Prezervation"から。かの名盤『スタン・ゲッツ・カルテット』の没トラックを主にまとめたもの。
ジュニア・パーカーという聞いたことあるようなないような、正体不明の歌手が「スターダスト」を歌っています。当時インプロヴィゼーションの創造性が人生最高ポイントに達していたであろうスタン・ゲッツとアル・ヘイグを従え、エモーショナルに歌い上げます。やや硬さや緊張が感じられるのは、後ろに控えていたゲッツやヘイグが無言で威圧していたからかもしれません。怖かったろうなあ。いずれにせよこの無名歌手、ゲッツやヘイグと共演したことによってジャズ史にその名を刻んでしまいました。

次は『グッドフェローズ』のサントラから。
ビリー・ワード・アンド・ヒズ・ドミノズが歌っています。ドゥー・ワップのフォーマットであろうとも、「スターダスト」の醸し出す気品はいささかも損なわれることはありません。さすが、スタンダード中のスタンダードだけのことはあります。なおこのサントラ、以前にベン・シドランの項にて紹介した通り、ナイスな曲がいっぱい入っているのでお買い得ですよ。

ボストン・ポップス・オーケストラが'93年に発表したアルバム"Unforgettable"です。タイトルでお察しの通り、ナタリー・コールの場外ホームランにおもいっきり便乗した企画。
ゴージャスなオーケストラで「スターダスト」を聴くのも楽しいものです。
このアルバムには他にも「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」「星影のステラ」「ローラ」など有名スタンダード曲が多数収録されていて、どれもこれも美麗なメロディがたっぷり詰まっています。
ジャズメンがバキバキにアレンジして原型をとどめていないスタンダードをさんざん聴いたときなど、原曲のイメージに回帰するためにこのCDをかけたりします。

最後にもうひとつ。まともな音源ではないので紹介しにくいなあ。
私の手元にあるVHSのテープ。ラベルには"Concord jazz festival"と記されています。
1990年の富士通コンコード・ジャズ・フェスティバルがテレビ放映された際に録画したもの。現在私にはVHSデッキがないので、見られません。
番組の最後の方で、メル・トーメがフランク・ウェスを伴って「スターダスト」を歌っています。これが見事な歌いっぷり。その場面だけ何度も何度もリピートしたので、テープがヘロヘロになってしまった。
こんな名唱も、テープやデッキがお釈迦になったら、もう再生できなくなっちゃうんだろうな…と、私は危惧しました。
どうにか遺したい、そう切望した私はこの映像をこっそりYouTubeというサイトに上げました。10数年前のことです。ちなみに当時のYouTubeは、今よりもずっと怪しげで、ずっと不健全な場所でした。アングラな無法地帯だったのをいいことに、権利関係の許諾もないまま、あたかも読み終えたスポーツ新聞を電車の網棚に放置するかのごとく、そうっと置いておきました。
自分が見るため、ただそれだけのために上げたのです。誰かに見てもらおうなんて考えもしませんでした。ときどき訪れては、メル・トーメのたるんだ顔を見て悦に入っていました。それでよかったのです。
あれから幾星霜。YouTubeは膨張を続け、クリーンなサイトに生まれ変わりました。もともとは「自分専用メル・トーメ」だった映像を見に、世界中から数万人がやって来ました。どれだけこっそり上げたつもりでも、インターネットに存在するからには、人々の目から秘匿することなどできないのです。
泉下のメル・トーメさん、勝手に上げちゃって本当にごめんなさい。
このジャケットが、なぜか心に引っかかりました。買っちゃったくらいですからね。そういう意味では優れたデザインなのかもしれません。
スイング時代の名曲をディスコ化したアルバム。
仕掛けたのはチャーリー・カレロ。長らくポピュラー音楽界に貢献してきた重鎮です。
もともとは裏方の人。アレンジャーです。このような、本来表方に出てこないような人が縁の下からゾロゾロ這い出し、自己名義のアルバムを作ったりしてしまうのも、ディスコ音楽全盛のキラキラしていた時代ならでは。
スタンダードの中のスタンダード、「スターダスト」を上品で、洗練されたディスコ音楽にしてしまいました。Aクラスのポップス職人が本気の仕事をすると、こんなに素敵に生まれ変わるのです。
ほぼ同時期にカレロが編曲を手掛けている"Dr. Buzzard's Original 'Savannah' Band"に、よく似た雰囲気です。瀟洒なスイング感がたまりません。
さてみなさんもご存知の通り、「スターダスト」はあらゆるジャンルのあらゆるミュージシャンに歌われ、演奏されています。カバー・バージョンは1,000とも、5,000とも言われています。正確な数は誰にもわからないのではないか。
きっとみなさんそれぞれ、お好きな「スターダスト」があると思います。せっかくだから、私のオススメをいくつか挙げさせて下さい。

まずはスタン・ゲッツの"Prezervation"から。かの名盤『スタン・ゲッツ・カルテット』の没トラックを主にまとめたもの。
ジュニア・パーカーという聞いたことあるようなないような、正体不明の歌手が「スターダスト」を歌っています。当時インプロヴィゼーションの創造性が人生最高ポイントに達していたであろうスタン・ゲッツとアル・ヘイグを従え、エモーショナルに歌い上げます。やや硬さや緊張が感じられるのは、後ろに控えていたゲッツやヘイグが無言で威圧していたからかもしれません。怖かったろうなあ。いずれにせよこの無名歌手、ゲッツやヘイグと共演したことによってジャズ史にその名を刻んでしまいました。

次は『グッドフェローズ』のサントラから。
ビリー・ワード・アンド・ヒズ・ドミノズが歌っています。ドゥー・ワップのフォーマットであろうとも、「スターダスト」の醸し出す気品はいささかも損なわれることはありません。さすが、スタンダード中のスタンダードだけのことはあります。なおこのサントラ、以前にベン・シドランの項にて紹介した通り、ナイスな曲がいっぱい入っているのでお買い得ですよ。

ボストン・ポップス・オーケストラが'93年に発表したアルバム"Unforgettable"です。タイトルでお察しの通り、ナタリー・コールの場外ホームランにおもいっきり便乗した企画。
ゴージャスなオーケストラで「スターダスト」を聴くのも楽しいものです。
このアルバムには他にも「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」「星影のステラ」「ローラ」など有名スタンダード曲が多数収録されていて、どれもこれも美麗なメロディがたっぷり詰まっています。
ジャズメンがバキバキにアレンジして原型をとどめていないスタンダードをさんざん聴いたときなど、原曲のイメージに回帰するためにこのCDをかけたりします。

最後にもうひとつ。まともな音源ではないので紹介しにくいなあ。
私の手元にあるVHSのテープ。ラベルには"Concord jazz festival"と記されています。
1990年の富士通コンコード・ジャズ・フェスティバルがテレビ放映された際に録画したもの。現在私にはVHSデッキがないので、見られません。
番組の最後の方で、メル・トーメがフランク・ウェスを伴って「スターダスト」を歌っています。これが見事な歌いっぷり。その場面だけ何度も何度もリピートしたので、テープがヘロヘロになってしまった。
こんな名唱も、テープやデッキがお釈迦になったら、もう再生できなくなっちゃうんだろうな…と、私は危惧しました。
どうにか遺したい、そう切望した私はこの映像をこっそりYouTubeというサイトに上げました。10数年前のことです。ちなみに当時のYouTubeは、今よりもずっと怪しげで、ずっと不健全な場所でした。アングラな無法地帯だったのをいいことに、権利関係の許諾もないまま、あたかも読み終えたスポーツ新聞を電車の網棚に放置するかのごとく、そうっと置いておきました。
自分が見るため、ただそれだけのために上げたのです。誰かに見てもらおうなんて考えもしませんでした。ときどき訪れては、メル・トーメのたるんだ顔を見て悦に入っていました。それでよかったのです。
あれから幾星霜。YouTubeは膨張を続け、クリーンなサイトに生まれ変わりました。もともとは「自分専用メル・トーメ」だった映像を見に、世界中から数万人がやって来ました。どれだけこっそり上げたつもりでも、インターネットに存在するからには、人々の目から秘匿することなどできないのです。
泉下のメル・トーメさん、勝手に上げちゃって本当にごめんなさい。
| ★★★ | 採点表を見る |
Musicians
Alan Schwartzberg: Drums
Neil Jason: Bass
David Spinozza: Guitar
Jeff Mironov: Guitar
Jimmy Maelen: Percussion
Richard Tee: Piano
Steve Jordan: Drums on A2, A3
Will Lee: Bass on A2, A3
Barry Miles: Piano on B2
Strings
Gene Orloff and the New York Strings
Kermit Moore: Cello
John Abramowitz: Cello
Frederick Buldrini: Violin
Regis Iandiorio: Viola
Mitsue Takayama: Viola
Richard Maximoff: Viola
Theodore Israel: Viola
Tony Posi: Violin
Peter Dimiriades: Violin
Julien Barber: Violin
Marvin Morgenstern: Violin
Harold Kohon: Violin
Guy Lumia: Violin
Band
George Young: Alto Sax (Solo on A1, A4, B1)
Jerry Dodgion: Alto Sax
Lawrence Feldman: Tenor Sax
David Tofani: Tenor Sax
Michael Brecker: Tenor Sax on A4, B3 (Solo on A2, A3, B2)
Ronald Cuber: Baritone Sax
Wally Kane: Baritone Sax on A2, B1
Urban Green: Trombone
Keith O'Quinn: Trombone
David Taylor: Bass Trombone
Tom Mitchell: Bass Trombone on A3, B1, B2
Jon Faddis: Trumpet
Marvin Stamm: Trumpet
Joe Shepley: Trumpet
John Gatchell: Trumpet
Mel Davis: Trumpet on A2, B1
Jim Bossy: Trumpet on A2, B1
David Robert Gate: Trumpet on A2, B1
John Tropea: Lead Guitar on B3
Singers
Luther Vandross
Cissy Houston
Jocelyn Brown
Alfonso Thornton
Arranged by Charlie Calello
Wedo Marasco: Copiest
Engineered by Jeffrey Kawalek
Assistant Engineer: Craig Bishop
B1 Mixed by Ted Spencer and Bobby Gordon
Engineered by Michael Ruffo
B2 Mixed by Joe Barbaria and Bobby Gordon
Engineered by Christopher Martinez
Project Conceptualists: Lauren Reno, Denny Randell and Charlie Calello
Produced by Denny Randell and Charlie Calello
Recorded at The House of Music Except Horns on A4 and B3 Recorded at The Hit Factory
Cover Concept, Design and Illustration: Andy Lackow
Mastered at Frankford Wayne by Tom Coyne
Alan Schwartzberg: Drums
Neil Jason: Bass
David Spinozza: Guitar
Jeff Mironov: Guitar
Jimmy Maelen: Percussion
Richard Tee: Piano
Steve Jordan: Drums on A2, A3
Will Lee: Bass on A2, A3
Barry Miles: Piano on B2
Strings
Gene Orloff and the New York Strings
Kermit Moore: Cello
John Abramowitz: Cello
Frederick Buldrini: Violin
Regis Iandiorio: Viola
Mitsue Takayama: Viola
Richard Maximoff: Viola
Theodore Israel: Viola
Tony Posi: Violin
Peter Dimiriades: Violin
Julien Barber: Violin
Marvin Morgenstern: Violin
Harold Kohon: Violin
Guy Lumia: Violin
Band
George Young: Alto Sax (Solo on A1, A4, B1)
Jerry Dodgion: Alto Sax
Lawrence Feldman: Tenor Sax
David Tofani: Tenor Sax
Michael Brecker: Tenor Sax on A4, B3 (Solo on A2, A3, B2)
Ronald Cuber: Baritone Sax
Wally Kane: Baritone Sax on A2, B1
Urban Green: Trombone
Keith O'Quinn: Trombone
David Taylor: Bass Trombone
Tom Mitchell: Bass Trombone on A3, B1, B2
Jon Faddis: Trumpet
Marvin Stamm: Trumpet
Joe Shepley: Trumpet
John Gatchell: Trumpet
Mel Davis: Trumpet on A2, B1
Jim Bossy: Trumpet on A2, B1
David Robert Gate: Trumpet on A2, B1
John Tropea: Lead Guitar on B3
Singers
Luther Vandross
Cissy Houston
Jocelyn Brown
Alfonso Thornton
Arranged by Charlie Calello
Wedo Marasco: Copiest
Engineered by Jeffrey Kawalek
Assistant Engineer: Craig Bishop
B1 Mixed by Ted Spencer and Bobby Gordon
Engineered by Michael Ruffo
B2 Mixed by Joe Barbaria and Bobby Gordon
Engineered by Christopher Martinez
Project Conceptualists: Lauren Reno, Denny Randell and Charlie Calello
Produced by Denny Randell and Charlie Calello
Recorded at The House of Music Except Horns on A4 and B3 Recorded at The Hit Factory
Cover Concept, Design and Illustration: Andy Lackow
Mastered at Frankford Wayne by Tom Coyne
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