Don McLean / Chain Lightning ('78)

A1	Words and Music	B1	Your Cheating Heart
A2	Crying	B2	Wonderful Night
A3	It's Just the Sun	B3	It Doesn't Matter Anymore
A4	Lotta Lovin'	B4	Since I Don't Have You
A5	Chain Lightning	B5	Genesis (in the Beginning)
		B6	It's a Beautiful Life

　真っ黒な背景に顔だけをどどーんと出す、そういう顔アピールが流行っていた時代なのでしょうか。すでに拙ブログで紹介した"Peter Pringle"と同じ手口。
　イケメン度はプリングルとどっこいかな。闇の深さ、版面率、そして人相の悪さは本作の圧勝。
　無言で語りかける顔面の迫力に至っては、プリングルなんぞ足元にも及びません。こういう顔でムチャな納期とかお願いされたら、とても断れそうにない。

　ドゥー・ワップのスタンダード、"Since I Don't Have You"は私の大好きな曲。ずいぶん昔に、ライノのコンピレーションで知りました。

　このCD"The Best of Doo-Wop Ballads"は有名曲をごっそり押さえているので、ドゥー・ワップ入門に最適です。オススメ。

　そのカバーB4は、オリジナルの味を尊重していて逸脱も冒険もなく、期待通りの出来。これでいいんだ。
　音楽界にはときおり、ドゥー・ワップをギンギンギラギラ、コッテコテにカバーする人たちがいますよね。ああいうのは誰も求めていないんじゃないかって気がします。

　ドン・マクリーンは自作曲中心の歌手、だったはず。しかし本作、オリジナル少なめで、カバーが半分くらいあります。忙しくて書けなかったのか、それともスランプだったのか。
　ともあれカバーがどれもこれも美味しく仕上がっていますので、結果オーライでしょう。B4のみならず、A2やB1なども聴きどころ。エモーショナルな歌いっぷりにうっとりしてしまいます。

　ソリッドなロックもあれば、フォークやカントリー、それにドゥー・ワップと、まるでホテルのビュッフェのように多彩な品揃えでリスナーを飽きさせません。
　全体的に甘口のアルバムです。でもA5だけは辛口なんだ。それもどえらい辛口。常温に何年置いても腐らない、昭和の梅干しみたいな塩辛さ。これをアルバム・タイトルに持ってくるあたり、マクリーンの硬骨っぷりがうかがえます。

★★★

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Musicians
Bass: Bob "The King" Moore
Electric Guitar: Billy R. Sanford, Arlen Roth
Acoustic Guitar: Don McLean, James D. Capps, Ray Edenton
Pedal Steel Guitar: Pete Drake
TicTac Guitar: Tommy D. Allsup
Piano: Hargus "Pig" Robbins, Chuck Cochran
Electric Piano: Bobby R. Woods
Drums: Joseph E. Chrisman, Eddy Anderson
Drums and Percussion: Jerry K. Carrigan
Background Vocals: The Jordanaires
The Nashville Strings: Arranged and Conducted by Bill Justis

Produced by Larry Butler for the Rainbow Collection, Ltd.
Engineer: Billy Sherrill
Recorded and Mixed at Jack Clement Recording Studio, Nashville, Tenn.
Mastered by George Marino, Sterling Sound, N. Y. C.
Portrait Photography: Charles Nesbit
Design and Inner Photo: Herb Gart
Management: Herb Gart