2023/12/03

New York New York / Sounds of the Apple ('80)

A1ManhattanB1Sidewalks of New York
A2New York State of MindB2On Broadway
A3BroadwayB3Take the A Train
A4Autumn in New YorkB4Theme From New York New York
A5Chinatown, My Chinatown
 ニューヨークのジャズ・レーベル、スタッシュ・レコーズが出入りのミュージシャンをかき集め、ニューヨークを題材にしたスタンダード・ナンバーを演奏させた企画。
 ごらん下さい。五線譜に摩天楼というジャケット・デザインが洒落てますなあ。ニューヨークへの愛がパンパンだぜ。

 ジャケットの裏には、各国語に訳されたタイトルが記されています。イタリア語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、ロシア語。
 そして日本語。これです。

「ニユーヨー7の哥欠」
 なかなか味のある表現です。インターネットなど便利なモノの乏しかった時代には、こういう奇妙な果実がいっぱいあったのですよ。

 ティン・パン・アレイの古き良きスタンダードだけではなく、ビリー・ジョエルの"New York State of Mind"も取り上げています。ビリーの「ニューヨークの想い」に、きっとニューヨークのジャズメンは突き動かされるものを感じたのでしょう。

 フランク・シナトラのゴージャスな歌いっぷりで有名な"Theme From New York New York"はその名の通り、『ニューヨーク・ニューヨーク』という映画の主題歌です。監督のマーティン・スコセッシは『ミーン・ストリート』や『タクシードライバー』など、ニューヨークを描くことにしつこくこだわり続けた名匠。『ニューヨーク・ニューヨーク』の撮影時に、主演女優のライザ・ミネリとデキてしまいました。やりやがったな。なおライザ・ミネリの異常な性的嗜好(ちょっとここでは書けません)に、撮影現場の人々はそうとう辟易したらしい。

 それはさておき本作の聴きどころは、何といってもA5です。
 ピアノ、トランペット、テナー・サックスとソロ・リレーが続き、アンカーはピザレリのギター。これがすごい。
 いったいどうしちゃったんだろう彼は。途中から、まるで背中のゼンマイを巻き直したかのように狂奔します。終盤のチャイニーズ・リフまで全力疾走だ。
★★★

Dardanelle: Piano
Slam Stewart: Bass
Grady Tate: Drums
Marky Markowitz: Trumpet
Bucky Pizzarelli: Guitar
Phil Bodner: Tenor Saxophone
George Duvivier: Bass
John Bunch: Piano

Producer: Bernard Brightman
A&R: Richard Ables
Engineer: Les Paul, Jr.
Production Coordination: ERH Productions
Cover Art: Barbara Gottlieb and Lynn Tesser
Back Cover: Nina Leto Herman
Typography: SCOOPGRAPHICS

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