2022/06/01

Terry Gibbs & His West Coast Friends / My Buddy ('82)

テリー・ギブス&ヒズ・ウエスト・コースト・フレンズ / マイ・バディ
〈白いライオネル〉テリー・ギブスのヴァイブが歌う、グレイト・スイング・アルバム!
A1There Will Never Be Another You
ゼア・ウィル・ネバー・ビー・アナザー・ユー
B1My Buddy
マイ・バディ
A2Please Let Me Play the Blues
プリーズ・レット・ミー・プレイ・ザ・ブルース
B2Waltz for My Children
ワルツ・フォー・マイ・チルドレン
A3Misty
ミスティー
B3You’d Be So Nice To Come Home To
ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ
A4All of Me
オール・オブ・ミー
 誰にだって、思い出のレコードってありますよね。
 嬉しいとき、悲しいとき、傍らにあったそのレコード。針を下せば、あの頃の思いがこみ上げて胸がいっぱいになる、そんなレコード。
 私にとって、本作がまさにそれ。

 というのも、本作を買った帰りにお巡りさんに違反キップを切られてしまったからなのです。
 ずっとゴールド免許だったのに。ンモー。

 なので私は、本作を虚心坦懐で聴くことができません。どうしたって、パクられた記憶を呼び覚まさずにはいられないのです。
 悪いアルバムじゃないのになあ。残念。レコードに罪はないんだ。

 パクられたことは、たしかに残念でした。しかし不運ではありません。

 私は長いこと、無事故・無違反でした。それゆえ知らず知らずのうちに、自分の運転が傲慢になっていたのでしょう。
 パクられて私は、そのことに気付いたのです。

 大事故をやらかす前にパクられたこと、自分の運転を省みる機会を与えられたことは、むしろ幸運だったのかもしれません。パクってくれたお巡りさん、どうもありがとう。

 …そんな風に考えられる大人になれたらいいな。でもなれなかったよ。チキショー。
 パクられた日の晩はあまりの口惜しさに眠れず、日課にしていたハンド・ジョブを危うくし忘れるところでした。って結局するのかよ。
 ともあれみなさん。どうか安全運転でお願いします。

 なお本作、よほど音質に自信があったのでしょうか。
 録音機材やセッティングを示す図面が添付されていました。

 ドラムセットの周辺に、やたらとマイクが仕掛けられています。
 われわれがレコードでふだん耳にする、実際にはあり得ないであろうドラムの超現実音像は、各採音をミックスする秘術によって生み出されていたんですね。

 本作における主役は、言うまでもなくヴィブラフォン。その音を拾う重責を担ったマイクは、やはりというかノイマンなわけです。
★★★

Personnel
Terry Gibbs: Vibraphone
Al Viola: Guitar
Lou Levy: Piano
Andrew Simpkins: Bass
Jimmie Smith: Drums

Executive Producer: Masahiko Yoshida
Producer: Yasuyuki Ishihara
Director: Tsuguhiko Hashimoto
Recording Engineer: James Mooney
Co-Ordinate: “Woodstone Project” K. Ueki
Recording Co-Ordinate: Mariko Ohmura (Maxy Incorporated)
Liner Note: Hideki Sato
Photo: Joe Shimada
Design: Akira Tokuda
Recording Studio: Sage & Sound, Hollywood, California
Recording Date: January 21, 1982

0 件のコメント: