2021/10/07

Rusty Bryant / Soul Liberation ('70)

A1Cold Duck TimeB1Soul Liberation
A2The Ballad of Oren BlissB2Freeze-Dried Soul
A3Lou-Lou
 サックス奏者のラスティ・ブライアント。先年急逝したブラコン歌手、スティーヴィー・ウッズのお父さんです。

 泥くさいソウル・ジャズのおやじと、さわやかブラコンのせがれ。
 音楽性はまるっきり逆の方向です。しかし父子ともに、数枚のアルバムを遺し、それぞれのジャンルで知名度とファンを得ています。ジャンルを突き抜けたスーパースターになれなかったとはいえ、ミュージシャンとしてはまずまず成功した父子鷹と言っていいのではないのかなあ。

 本作は、ラスティ・ブライアントがノリにノッていた頃の作品。共演者はいずれも、ソウル・ジャズのスター・プレイヤーたちです。
 ソウル・ジャズに興味あるのに、何から聴いたらいいのかサッパリわからん、とのたまう御仁は、とりあえず本作を聴いてみるといいかもしれません。気に入ったプレイヤーがいたら、そやつを掘り進めていけばやがて好みの作品に巡り合えると思うんだ。

 ほぼ全編ノリ大会の本作にあって、A2"The Ballad of Oren Bliss"が唯一のしっとり系バラード。
 オーレン・ブリスというのは、ベトナムで戦死したラスティのいとこです。戦地で斃れたいとこを想い、アルト・サックスで泣きます。

 タイトル・チューンのB1は11分半にも及ぶ大作。全員野球のソウル・ジャズ、その凄まじいこと。こいつらにひとたび火が点いてしまったら、もう手が付けられません。周辺一帯を焼き尽くす大火となるのです。
 就中ギターのメルヴィン・スパークス。いったいこの人に何があったのでしょう。まるでギターを弾く手からボーボー炎が噴き出しているかのよう。熱い。この熱さは「お灸タイム」にも負けない。
★★★

Rusty Bryant: Tenor Sax, Alto Sax (A2)
Virgil Jones: Trumpet
Charlie Earland: Organ
Melvin Sparks: Guitar
Idris Muhammad: Drums

Recording: Rudy Van Gelder
Supervision: Bob Porter

2 件のコメント:

lts さんのコメント...

偶然にも最近このレコを入手して、悦に入っています。
自分は1000円位で買ったと思います。
確かVangelder刻印もあり音もかなり良かったし、何しろ内容も良かったです。
投げ売りでこれに出会えたら、もちろん2枚目として買います(笑)。

kuromara さんのコメント...

コメントありがとうございます。
安レコが専門の私にはリイシューでじゅうぶん。
OJCならまずまずの音質ですからね。
それにしても、ソウル・ジャズのブラザーたちはどうしてこんなに激しい演奏をするのでしょうか。
何かヘンなクスリでも打ってたのかなあ。