A1 | Kiss You All Over | B1 | Gonna Make Changes |
A2 | Somewhere in My Lifetime | B2 | Living Inside Your Love |
A3 | Lookin' for a Lovin | B3 | Be Careful (How You Treat My Love) |
A4 | The Answer Is You | B4 | Soon Come Again |
A5 | So Strange | B5 | Here's That Rainy Day |
ブッダ・レコーズが沈没し、漂流していたフィリス・ハイマンに救助の手を差し伸べたのは、アリスタでした。本作はアリスタ移籍の第1弾。
アリスタの看板スター、バリー・マニロウがプロデュースしています。レーベルとしても、それだけフィリスに期待していたってことですかね。
よりコマーシャルな成功を目指し、もっと広い層にアピールしようとしたのでしょう。ジャケット写真も、ブッダ時代の近寄りがたい美人イメージを一新しました。ごらん下さい「女は海」ポーズのバスト・ショットです。
ちょっと眠そうな目をしています。それにタラコ唇。まるでロバート・ミッチャムと松本清張が合体したかのよう。これらが短所とはならず、むしろかなりの美人です。
美人か否かを分かつのは、顔のパーツ個々の出来不出来ではなく、全体のバランスなのでしょう。こういうバランス美人は、個々のパーツが整ったパーフェクト美人よりも、親しみを覚えやすいような気がするんだ。
当時絶頂期で、多忙を極めたマニロウが全曲プロデュースとはいかなかったようです。マニロウが手掛けたのは、たったの1曲だけ。その曲、A2はなるほど、ミョーにマニロウっぽい雰囲気です。それもそのはず、伴奏もアレンジも、マニロウ組の面々が担当していますからね。
アルバム全体の中ではじゃっかん浮いている感のあるA2を、わざわざアルバム・タイトルにしています。これはおそらく、アリスタに合流したブッダの残党に対し、主導権はこっちにあるんだぞ、フィリスはうちの色に染めちゃうんだぞ、というアリスタ側からのメッセージでしょう。お前らの好きにはさせないからな、そんな強い意思が、このタイトリングに込められているのです。
後年、フィリスの扱いを巡り、アリスタ内部で揉めます。その火種は、移籍間もないこの頃、すでに仕込まれていたわけですな。
A2以外、ほとんどの曲をラリー・アレキサンダー&スキップ・スカーボローのコンビがプロデュースしています。
ラリー・アレキサンダーは、フィリスの伴侶です。女性シンガーを旦那がプロデュースするのは、このジャンルならよくあること。ちなみに彼はトルネーダーの項で述べた通り、モンティ・アレキサンダーの弟です。
つまり、フィリスの義兄がモンティということになります。
本作のオーラスにひっそり収録されたスタンダード・ナンバーB5は、この兄妹が共演。フィリスはピアノのみの伴奏を従え、しっとりと憂いを歌い上げます。ふだんは陽気なジャマイカ野郎も、バカテクを抑えた地味プレイに徹し、妹に寄り添いました。もしここでピアノをベロンベロンに弾きまくって「オレはマニロウよりもピアノが上手いんだぜ」アピールをしたら、それはそれでまた火種になっちゃうもんな。
アリスタの看板スター、バリー・マニロウがプロデュースしています。レーベルとしても、それだけフィリスに期待していたってことですかね。
よりコマーシャルな成功を目指し、もっと広い層にアピールしようとしたのでしょう。ジャケット写真も、ブッダ時代の近寄りがたい美人イメージを一新しました。ごらん下さい「女は海」ポーズのバスト・ショットです。
ちょっと眠そうな目をしています。それにタラコ唇。まるでロバート・ミッチャムと松本清張が合体したかのよう。これらが短所とはならず、むしろかなりの美人です。
美人か否かを分かつのは、顔のパーツ個々の出来不出来ではなく、全体のバランスなのでしょう。こういうバランス美人は、個々のパーツが整ったパーフェクト美人よりも、親しみを覚えやすいような気がするんだ。
当時絶頂期で、多忙を極めたマニロウが全曲プロデュースとはいかなかったようです。マニロウが手掛けたのは、たったの1曲だけ。その曲、A2はなるほど、ミョーにマニロウっぽい雰囲気です。それもそのはず、伴奏もアレンジも、マニロウ組の面々が担当していますからね。
アルバム全体の中ではじゃっかん浮いている感のあるA2を、わざわざアルバム・タイトルにしています。これはおそらく、アリスタに合流したブッダの残党に対し、主導権はこっちにあるんだぞ、フィリスはうちの色に染めちゃうんだぞ、というアリスタ側からのメッセージでしょう。お前らの好きにはさせないからな、そんな強い意思が、このタイトリングに込められているのです。
後年、フィリスの扱いを巡り、アリスタ内部で揉めます。その火種は、移籍間もないこの頃、すでに仕込まれていたわけですな。
A2以外、ほとんどの曲をラリー・アレキサンダー&スキップ・スカーボローのコンビがプロデュースしています。
ラリー・アレキサンダーは、フィリスの伴侶です。女性シンガーを旦那がプロデュースするのは、このジャンルならよくあること。ちなみに彼はトルネーダーの項で述べた通り、モンティ・アレキサンダーの弟です。
つまり、フィリスの義兄がモンティということになります。
本作のオーラスにひっそり収録されたスタンダード・ナンバーB5は、この兄妹が共演。フィリスはピアノのみの伴奏を従え、しっとりと憂いを歌い上げます。ふだんは陽気なジャマイカ野郎も、バカテクを抑えた地味プレイに徹し、妹に寄り添いました。もしここでピアノをベロンベロンに弾きまくって「オレはマニロウよりもピアノが上手いんだぜ」アピールをしたら、それはそれでまた火種になっちゃうもんな。
★★★ | 採点表を見る |
Produced by Larry Alexander and Skip Scarborough
A1, A3, A5 Produced by T. Life
A2 Produced by Barry Manilow and Ron Dante
Larry Alexander and Skip Scarborough Production
Recorded at CBS Studios, San Francisco, December, 1977
Engineer: Don Cody
Barry Manilow and Ron Dante Production
Recorded at Media Sound Studios, New York City, August, 1978 and United Western Studios, Los Angeles
Engineer: Michael Delugg
T. Life Production
Production Assistant: Bill Green
Recorded at Secret Sound, New York, September, 1978
Engineer: Rick Rowe
Assistant Engineer; Darrol Gustamachio
Executive Producer: Command Performances, Inc.
Mastered at Sterling Sound by Jack Skinner Except A2 Mastered by George Marino
B2 and B3 Re-Mixed at Soundmixers Studios, New York City
Engineer: William Wittman
Assistant Engineer: John
Makeup: Jeri Haywood
Styling: Nora Lee and Hui Wang
Wardrobe: Marian Williams of Deva
Photography: Ron Harris
Art Direction: Donn Davenport
A1, A3, A5 Produced by T. Life
A2 Produced by Barry Manilow and Ron Dante
Larry Alexander and Skip Scarborough Production
Recorded at CBS Studios, San Francisco, December, 1977
Engineer: Don Cody
Barry Manilow and Ron Dante Production
Recorded at Media Sound Studios, New York City, August, 1978 and United Western Studios, Los Angeles
Engineer: Michael Delugg
T. Life Production
Production Assistant: Bill Green
Recorded at Secret Sound, New York, September, 1978
Engineer: Rick Rowe
Assistant Engineer; Darrol Gustamachio
Executive Producer: Command Performances, Inc.
Mastered at Sterling Sound by Jack Skinner Except A2 Mastered by George Marino
B2 and B3 Re-Mixed at Soundmixers Studios, New York City
Engineer: William Wittman
Assistant Engineer: John
Makeup: Jeri Haywood
Styling: Nora Lee and Hui Wang
Wardrobe: Marian Williams of Deva
Photography: Ron Harris
Art Direction: Donn Davenport
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