2019/06/01

The Monty Alexander Quintet / Ivory & Steel ('80)

A1Happy LypsoB1Work Song
A2CavatinaB2Medley:
Impressions
So What
A3MontevideoB3Stella by Starlight
A4S. K. J.B4Street Life
A5That's the Way It Is
 アイヴォリー(ピアノ)とスティール(・ドラム)だからこのタイトル。何と即物的なジャケット・デザインなのでしょう。惚れた。

 ピアノ、ベース、ドラムスのトリオに、スティール・ドラムとパーカッションが加わった、かなり変則的なクインテットです。モンティひとりだけでもじゅうぶんやかましいのに、この編成で全員が遠慮なく音を出し合うため、とんでもない音の洪水になっています。

 B1はモンティの十八番。これをふだんのピアノ・トリオと違う、ユニークな編成でやったらどうなるか。トリニダードからやって来たスティール・パン名人オセロを、ジャマイカの重戦車モンティが迎撃する異種格闘技戦です。スリル満点、アルバムいちばんの聴きどころ…には違いないんだが、クライマックスでオセロがモンティに花を持たせてしまったような感じがしなくもない。まあ主役はモンティですからね。空気を読んだのでしょう。
 しかしコルトレーンとマイルスのメドレーB2、ここでのオセロはガチンコです。スティール・ドラムでモード・ジャズを叩いて叩いて叩きのめしました。

 ジャケットにでかでかと"Featuring Othello on Steel Drums"とクレジットがあります。本来このアルバムは、ホストたるモンティが「どうですかみなさん、このオセロってスティール・ドラマー、すごいでしょ」と紹介する体裁だった筈。
 しかし実際にはお聴きの通り、オセロの好演さえもモンティ重戦車がズンズン突き進むための燃料になってしまいました。それでいいんです。つーかオセロ自身もきっと、自分がトンカツに添えられたキャベツなのを甘受していたことでしょう。
★★★

Monty Alexander: Piano
Othello Molineaux: Steel Drum
Robert Thomas, jr.: Percussion
Frank Gant: Drums
Gerald Wiggins: Bass

Produced by Carl E. Jefferson, President, Concord Jazz, Inc.
Recorded at Soundmixers, New York City, N. Y. March 1980
Remixed at PER, San Francisco, CA
Recording and Remix Engineer: Phil Edwards
Mastered by George Horn
Cover Steel Mill Photo: Richard Tolbert / After Image
Elephant Photo: Courtesy of Kenya Tourist Office
Art Direction: Dick Hendler

0 件のコメント: