2019/04/30

Le Blanc & Carr / Midnight Light ('77)

A1Something about YouB1Johnny Too Bad
A2FallingB2Desperado
A3How Does It Feel (to Be in Love)B3Coming and Going
A4Midnight LightB4I Need to Know
A5Stronger LoveB5I Believe That We
 リチャード・カーペンターは、カーペンターズが他アーティストの曲をカバーしたことに関して、たいがいはオリジナルを超えたんじゃないかって豪語していました。たしかに「遥かなる影」「涙の乗車券」「ア・ソング・フォー・ユー」など、カーペンターズがカバーした故にオリジナルが霞んでしまった例は、いくらでもありそうです。
 しかしそんなリチャードも、「ならず者」のカバーでは敗北を認めています。カーペンターズの力量をもってしても、イーグルスのオリジナルを凌駕することはできなかったのです。

 カーペンターズでさえ、ほうほうのていですよ。ということは、そこいらの馬の骨がならず者に挑んだところで、惨敗するのは火を見るより明らか。
 それでもチャレンジャーは現れます。今回立ち上がったのは、レニー・ルブランとピート・カーのコンビ。ルブランはともかく、カーの方はそこいらの馬の骨と言っては失礼かもしれません。数々のセッションに参加し、たくさんの名盤に貢献した伝説級のギタリストです。

 やはりというか、まあみなさんお察しの通り、オリジナルを超えることは叶いませんでした。
 ルブラン&カーの、プロ・ミュージシャンとしての地力は申し分ないと思う。だがそれゆえに、小ぎれいな演奏になってしまいました。これはカーペンターズのカバーにも言えることですけど、イーグルスのオリジナルがまとっていた、ならず者に不可欠な荒っぽくて、埃っぽい憂いを表現することはできなかったのです。

 例えるなら、イーグルスのならず者は薄汚い町中華で食べる熱々のギョーザ。カーペンターズのそれは高級中華レストランの、材料にカネのかかったギョーザ。そしてルブラン&カーは、お持ち帰りの冷めたギョーザです。
★★★

Vocals: Lenny Le Blanc
Harmony Vocals: Pete Carr, Lenny Le Blanc
Drums: Roger Clark
Bass: Butch Leadford, Bob Wray
Keyboards: Randy McCormick, Tim Henson, Clayton Ivey
Electric & Acoustic Guitars: Pete Carr
Acoustic Guitar: Lenny Le Blanc
Rhythm Guitar on A5: Robert Byrne

Strings & Flutes Arranged by Mike Lewis

Recorded and Mixed at Wishbone Studio, Muscle Shoals, Alabama
Engineer: Pete Carr
Assistant Engineer: Steve Moore
Mastered by George Merino at Sterling Sound, New York, N. Y.

Photography: Alen MacWeeney
Art Direction: Lynn Breslin, Bob Defrin
Design: Lynn Breslin
Lettering: Gerard Huerta

Produced and Arranged by Pete Carr for Pete Carr Productions

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