2019/05/04

Michael Feinstein / Isn't It Romantic ('88)

A1Isn't It RomanticB1No Other Love
A2Where Do You StartB2I Wanna Be Loved
A3A Fine RomanceB3How about You
A4I Can Dream Can't I / I'll Be Seeing YouB4I'll Get By
A5You're an EducationB5Wasn't It Romantic
A6My Favorite Year
 ジャズ・ヴォーカルの世界は、女性ばっかりで、男性はほとんどいません。これはなぜなのでしょうか。
 やっぱり、ジャズ・ファンの大多数が男性だからですかね。ふだんエリック・ドルフィーが…とか、オーネット・コールマンが…なんて熱く語っているおっさんらも、見目麗しい女性が歌うキュートな仕草にハァハァ状態なわけです多分。

 男日照りの激しいジャズ・ヴォーカル界。80年代末にハリー・コニック・Jr.がデビューするまでは、スター不在の暗黒時代だったのです。本作はその頃に、ひっそりと売り出されました。
 バーやホテルで、ピアノの弾き語りをしていたファインスタイン。地道な活動が実を結び、ついにオーケストラと共演する機会が巡ってきます。
 ロマンティックなスタンダード・ナンバーを、ゴージャスなオーケストラの伴奏で歌う、ただそれだけのアルバムです。ただそれだけの企画を、80年代後半、新人同然の男性ジャズ・ヴォーカリストを主役に据えて実現するのが、いったいどれだけ大変だったことか。ジャケットの裏に、ファインスタイン自身の言葉が綴られています。
 はたして、暗黒時代の闇を照らすアルバムになったのでしょうか。

 適度にしっとり、適度にスイング。男性ジャズ・ヴォーカルの軽やかな魅力がいっぱいです。
 何はともあれタイトル曲のA1。ヴァースからコーラスに移る部分で、オーケストラがぐあーっと起動するダイナミズムは何度聴いてもたまりません。

 難点のほとんどない良作なれど、A面の後半がじゃっかん退屈に思えなくもない。何が悪いというわけでもなくて、おそらく全体が長いからそう感じちゃうのだと思われます。AB両面の合計が48分。これが35分弱とかだったら、愛聴盤になったかもしれない。惜しいです。

 プロデューサー、ジョニー・マンデルが呼び寄せたオーケストラのメンバーに、ジョー・ポーカロという人がいます。ポーカロ兄弟のおとんですな。
★★★

Conductor: Edward Karam
Piano: Alan Broadbent, Randy Kerber
Bass: John Clayton, Neil Stubenhaus
Drums: Sol Gubin, Steve Schaeffer
Guitar: Tim May, Dennis Budimir
Percussion: Larry Bunker, Joe Porcaro
Reeds: Ray Pizzi, Louise Di Tullio, Gene Cipriano, Jack Nimitz, Jim Walker, John Lowe, Earle Dumler
French Horns: Rick Todd, Brad Warnaar, Calvin Smith, Marni Johnson
Harp: Gayle Levant
Violins: Gerald Vinci, Assa Drori, Haim Shtrum, Reg Hill, Sheldon Sanov, Shari Zippert, Henry Ferber, Mari Tsumura, Ralph Morrison, Arnold Belnick, Bruce Dukov, Joe Goodman, Isabelle Daskoff, Gordon Marron, Peter Kent
Violas: Alan De Veritch, Marilyn Baker, Pam Goldsmith, Ken Burward-Hoy, Mike Nowak, Herschel Wise
Cellos: Fred Seykora, Ray Kelley, Anne Karam, Jody Burnett
Synthesizers: Stu Goldberg, Alan Broadbent

Produced and Arranged by Johnny Mandel

Recording Engineer: Hank Cicalo
Assistant Engineer: Rick Winquest
All Tracks Mastered by Bernie Grundman at Bernie Grundman Mastering

A&R Coordination: Michael Alago
Photography: Greg Gorman
Art Direction and Design: Henrietta Condak

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