2019/01/15

Hamilton, Joe Frank & Reynolds / Fallin' in Love ('75)

A1Winners and LosersB1Badman
A2Everyday Without YouB2Who Do You Love
A3Only Love (Will Break Your Heart)B3Barroom Blues
A4What Kind of Love Is ThisB4So Good at Lovin' You
A5Fallin' in LoveB5Love Is
 ポップスのアルバムはたいてい、AB両面合わせて10曲前後の曲が収録されていますよね。

 アルバム収録曲がすべて、上出来ならそれにこしたことはない。しかし悲しいかな一部の例外を除いて(全盛期のマイケルとか)、全部の曲が高水準ということはなかなかありません。
 10曲のうち、5曲は上出来、残り5曲は残念な出来、そういうアルバムは決して珍しくない。むしろいたってフツーです。

 ここは曲順を考えるプロデューサーの、腕の見せ所でしょう。
 上出来と不出来の曲を上手に配置して、上出来はより輝くよう、不出来はアラが目立たぬよう、考えて考えて考え抜いて、これ以上ないという曲順を決め、作品を仕上るのも大切な仕事。

 多くの場合、上出来と不出来を交互に並べることになります。均等配置こそが、アルバム全体を好印象に導く唯一解なのではないかなあって気がしますので。大事なのはバランスだ。

 で、本作。
 何がすごいって、曲の並べ方。ひどいバランスですよ。
 上出来をA面にズラッと配しました。そしてB面はひたすら不出来です。
 こんなに不出来が続くアルバムも珍しい。不出来、感激。

 B1からB2の流れとかもう言葉もないです。何なんだこれは。
 しかしそれだけのことはあり、上出来を濃縮したかのようなA面は見事。A1からA5まで全曲聴きどころですよ。
 B面を焦土としながらも、A面にリソースを集中する、という潔い戦略が、本作では奏功しました。A面B面からなるLPの特性を考えれば、これはこれであり。

 均等配置こそ唯一解、ってな常識にとらわれているわれわれに、常識から脱却することのリスクとそしてリターンを教えてくれるわけです。常識なんてぶん投げろ。やわらか亀頭だ。

 本作より新メンバーとなった、アラン・デニソンのピアノが要所々々でキラリと光ります。B面の敗戦処理でも大いに気を吐きました。
★★★

Produced by H, JF, & D
Engineered by Dallas Jordan and Gil Fortis
Rick Heenan (A5), Neil Brody (A1)
Recorded and Mixed at Village Recorders
Mastered by Lanky Linstrot at ABC Recording Studios
Strings & Horns Arranged and Conducted by Jimmie Haskell
Sid Sharp Strings, Sid Sharp Concert Master
Dan Hamilton: Vocals, Guitar, Acoustic Guitar
Joe Frank Carollo: Vocals, Bass Guitar
Alan Dennison: Vocals, Piano
Joe Correro: Drums
Dan Hamilton, Joe Frank Carollo, Alan Dennison: Background Vocals
Ed Caraeff: Art Direction & Photography
Zox: Skydrop
Tom Nikosey: Letterforms & Layout

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