2018/07/17

Stevie Wonder / Music of My Mind ('71)

A1Love Having You AroundB1Happier Than the Morning Sun
A2SuperwomanB2Girl Blue
A3I Love Every Little Thing About YouB3Seems So Long
A4Sweet Little GirlB4Keen on Running
B5Evil
 モータウンのしょぼいスタジオにうんざりしていたスティーヴィーは、最新機材でびっしり埋め尽くされたエレクトリック・レディ・スタジオが嬉しくて嬉しくてたまらなかったようです。
 本作に打ち込む間、スタジオを占有してしまったために、スタジオ費用が25万ドルになってしまったとか。当時の25万ドルってどんだけ高いんだか。安普請のスタジオが一棟おっ建ちそうな金額ですな。

 まあこれくらいのお金は、ベリー・ゴーディからむしり取った(奪い返した)大金のほんの一部に過ぎません。モータウンの契約を更改し、スティーヴィーはあらゆる創作上の「好き勝手」を許されるようになりました。

 並のアーティストなら、好き勝手にやらせるとロクなもんできません。ひとりよがりの駄作を放って死亡です。
 ところがスティーヴィーは、そんな世間一般の常識が通用するようなタマじゃない。自由になればなるだけ、その音世界は広がり、そして深まるのです。

 スティービーのmindに流れていた音楽を、現実の音に起こすためにシンセサイザーという新しい技術が必要となれば、じゃあ専門家を呼んで来い! もちろんAクラスの奴だぞ!ギャラはいくらでも出すからな!(ゴーディが)とまあ、こんな具合。

 そうして駆り出されたマーゴレフとセシルは、スティーヴィーの底知れぬmindからコンコンと湧き出す音楽をくみ上げ、私たちの下へセッセと届けてくれたのでした。ナイスワーク。

 このアルバムの曲はどれもこれも好きです。あえてひとつ選ぶならB3"Seems So Long"かな。ドラマティックに盛り上がる後半。英語のわからん私でも、激しく心を揺さぶられてしまいます。
★★★★

Trombone: Art Baron (A1)
Guitar: Buzzy Feiton (A2)

Produced by Stevie Wonder
Associate Producers, Engineering, Moog Programming: Robert Margouleff and Malcolm Cecil
Production Support: Centaur Music
Recordists: Rick Rowe and Joan DeCola
Recorded at Media Sound and Electric Lady, N. Y. and Crystal Industries, L. A.

Cover Photos: Gaetano
Cover Art and Montage: Daniel Blumenau
Cover Graphics: Graphic Projects, Inc. / N. Y.
Stevie Wonder Uses the Moog and Arp Synthesizers

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