2018/06/21

Jorge Ben / Africa Brazil ('76)

ジョルジ・ベン / アフリカ・ブラジル
A1Ponta De Lanca Africano (Umbabarauma)
アフリカ槍の先(ウンババラウマ)
B1Xica Da Silva
黒人女 シーカ・ダ・シルバ
A2Hermes Trismegisto Escreveu
ヘルメス トリスメジストは書いた
B2A Historia De Jorge
飛べ!ジョルジ
A3O Filosofo
やって来た哲人
B3Camisa 10 Da Gavea
背番号10番目のプレイヤー(ペレの讃歌)
A4Meus Filhos, Meu Tesouro
わたしの3人の子供達
B4Cavaleiro Do Cavalo Imaculado
アフリカの騎士
A5O Plebeu
平民
B5Africa Brasil (Zumbi)
アフリカ・ブラジル・“ズンビ”
A6Taj Mahal
タジ・マハール
 ロックでファンクなブラジルのサンビスタ、ジョルジ・ベン絶頂期のアルバム。

 ブラジルではかなりとんがった、斬新な音楽をやっている有名人ではありますが、しょせんはローカルでリージョナルなアーティストにすぎませんでした。

 同世代のアーティストたちが、軍事政権の圧政から逃れるように海外へ進出して行ったのとは対照的に、ジョルジ・ベンはリオにとどまり、ビーチで水着ギャルのモリマンを眺めてはギターを手に歌ったり、曲を作ったりして暮らしていました。
 世界進出の野心なんて、スープ、じゃない、つゆほどもなかったわけ。

 ところが本人の思わぬところで、彼は全世界から注目を集めることになります。
 世界的なスーパースター(もちろんブロンド好き)ロッド・スチュワートが、A6「タジ・マハール」をパクったのです。

 ロッドの大ヒット曲「アイム・セクシー」と、本作の「タジマ・ハール」、両方聴けば明々白々、パクリであることはきっと誰にでも、おそらく佐村河内氏にだってさえわかります。

 自分の曲をパクられ、おまけにボロ儲けされたことに憤激したジョルジ・ベンは当然、ロッドに抗議します。
 するとロッド側はいっさい争うことなく、ほとんど無条件降伏に等しい条件で手打ちをしたとか。ここまであからさまなパクリだと、争う余地なんて ないのでしょうな。

「ロッドに剽窃された男」として、ジョルジ・ベンの株価はたちまち急上昇。ブラジルはおろか世界の老若男女に、その名が知れ渡ったのでした。

 リオにどっしりと腰を据えていたジョルジ・ベン、本人にその気があったのか、周囲がそうさせたのか、ともあれこれを好機といよいよ世界進出を図ります。

 世界に打って出るにあたり、ジョルジ・ベンはジョージ・ベンソンと混同されるのを避けるため、「ジョルジ・ベンジョール」と改名しました。

 ちょっとこれは気を遣いすぎのような気がします。
 間違えねーよベンソンとは。コロコロ名前変えるなよ。

 ただしこの改名、当時TOTOが大人気だったわが国では吉と出ます。ベンジョだけに。
★★★

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