2018/06/17

Hiram Bullock / Give It What U Got ('87)

A1Down the PipeB1Give It What U Got
A2Too Hip 2 B NeedyB2Gotta Get Your Jollys
A3You Send MeB3Pretzel Logic
A4Half-LifeB4Angelina
 このジャケット写真における思慮深いまなざしは、どこか『ゾンビ』のケン・フォリーに似ています。顔がソックリというわけではなくて、何というか落ち着いた雰囲気があるじゃないですか。

 実際、ハイラム・ブロックは高学歴のインテリで、かなり本気で弁護士を志していたらしい。単なるコカイン大好きの能天気なギター野郎ではなかったようなのです。おまけに学会員ときた。

 バーニー・ケッセルやタル・ファーロウなど、スインギーなギタリストに心ときめく私にとって、彼のギターはあんまり好きになれません。たとえ学会員でなかったとしても。

 本作はヴォーカル曲がいくつかありまして、ハイラム・ブロックの歌声も聴けます。うーんこれは微妙。

 アル・ジャロウがゲスト参加したA3は、やはりプロのヴォーカリストだけあって、うっとりするほどの出来。ジャロウの起用は大成功と言えます。それゆえ、ハイラム・ブロックのしょぼいヴォーカルを際立たせてしまう両刃の剣でもありました。

 インスト・ナンバーのB3はスティーリー・ダンの有名曲です。こいつがじつに汗臭くて、何とも演歌っぽいカバーに仕上がっています。オリジナルの影も形も残っちゃいません。日本生まれのハイラム・ブロックだけに、演歌の心が湧き出してしまったのでしょうか。

 B4に至っては、共演したサンボーンにまで演歌の心が飛び火してしまいました。いつにもましてサックスが泣いています。泣きの大噴火。気が付いたらサンボーン劇場だった。そんなアルバム。
★★★

Produced by Hiram Bullock

Co-produced by Ricky Peterson
Studio Time Booked by Time Capsule
Mastered at Sterling Sound by Jose Rodriguez
Art Direction: Bob Defrin
Design: Lynn Kowalewski
Photography: Marty Umans

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