2018/06/16

Grover Washington, Jr. / Winelight ('80)

A1WinelightB1Take Me There
A2Let It Flow (For "Dr.J")B2Just the Two of Us
A3In the Name of LoveB3Make Me a Memory (Sad Samba)
 ロマンチックで心ときめくフレーズに終始する、80年代サックス・フュージョンの雛形となったベスト・セラー・アルバム。

 ごらん下さい。kudu時代ならまずあり得なかったであろう、オシャレなジャケット・デザイン。ブツ撮りの王道ショットです。確信的に、恥ずかしげもなくクロス・フィルターを駆使するプロの大胆な仕事っぷりに感服いたしました。
 タイトルのレタリングもじつにセンスいい。

 kuduのデザイナーだったら、こういうフォントは使わないような気がします。エレクトラとkuduの、販売戦略の違いが垣間見えるようで、面白いですよね。

 ヴォーカル・ナンバーB2"Just the Two of Us"は「クリスタルの恋人たち」という邦題でも有名。歌いだしの歌詞にcrystalという単語があるため、それほどぶっとんだ邦題というわけでもありません。

 コクもない、コシもない、しかし薄味のダシが効いたビル・ウィザースの声が曲調にぴったり決まってます。ロバート・グリニッジのスティール・ドラムに続く、テナー・サックスのエモーショナルなフレーズ。これ以上吹いたら野卑になる、という臨界点スレスレのプレイは、とてもスリリングです。

 なお、ため息が出るほど見事なこのサックス・ソロは、シングル・カットの際にばっさり切られました。ここを切ったら意味ねーじゃん。
★★★

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