2018/06/11

David Sanborn / A Change of Heart ('87)

A1Chicago SongB1Breaking Point
A2ImogeneB2A Change of Heart
A3High RollerB3Summer
A4TintinB4The Dream
 チャーリー・パーカー、ポール・デスモンド、ジョニー・ホッジス、ジャッキー・マクリーン、フィル・ウッズ、バド・シャンク、アート・ペッパー、キャノンボール・アダレイなどなど、個性的なアルト・サックス奏者は、枚挙にいとまがありません。

 しかしそれら個性は、ジャズが好きな人、興味のある人にとってのみ、ある程度の判別ができるものでしかありません。興味のない人には、これらはみな同じようにしか聞こえないのです。

 ところが、デイヴィッド・サンボーンは違います。
 ちょっとひと吹きしただけで、「あっ、サンボーンだ」とわかります。唯一無二のサックスの音。たいへん際立った個性です。

 ジャズやフュージョンにまるっきり興味のない、時代劇の再放送を見るのが楽しみのおじいちゃんおばあちゃんでも、あるいは夜、布団にくるまって口裂け女に怯える男の子女の子でも、サンボーンの音なら、わかる、つまり他と区別できると思います。

 映画『リーサル・ウェポン』で、素っ頓狂に流れ出すサックスの音も、聴いた瞬間にサンボーンなのがバレバレですもんね。

 自分だけの音を持っている強み。まさにサンボーンの特権です。既得権といってもいい。

 そこに既得権があれば、食い荒らそうする輩がゾロゾロ登場するのが、音楽界の通例です。当たったもの、流行ったものは、すかさずパクられます。

 しかし、サンボーンのエピゴーネンは出てこなかった。
 どうやらあの音は、サンボーンだけのものらしいです。そのあたり、ぱちもんが101匹大行進したケニー・Gと違いますね。

 シンプルなタイトルの曲が多い本作。とりわけB3はもう夏そのもの。私にとって「燃えろいい女」と同じくらい、夏を想起させる曲です。
★★★

Executive Producer: Michael Colina

Produced by Michael Colina, Marcus Miller, Ronnie Foster and Philippe Saisse
Mixed by John Abbey Except A4 Mixed by The French Acrobats and B2 Mixed by Larry Alexander
Originally Mastered by George Marino at Sterling Sound, New York

Production Coordinator: Bibi Green
Management: Patrick Raims & Associates, Los Angeles
Album Coordinator: Shirley Klein

Art Direction and Design: Michael Hodgson
Illustration: Ann Field
Photography: Guido Harari

0 件のコメント: