A1 | Get Down Happy People Pt. 1 | B1 | You'll Always Be Mine |
A2 | Get Down Happy People Pt. 2 | B2 | Main Feature |
A3 | I Can Remember the Good Old Days | B3 | Count Your Blessing |
A4 | I Beg To Borrow | B4 | I'll Chase Your Smile |
A5 | Strong Lovin' | B5 | I Need You Around |
ジミー・ドケット…。
この名前、どこかで聞いたことある。うーん、たしかオルガンの大家だったような。
よーし、ちょっと買ってみるか。
レコードを手に意気揚々と帰宅して、カン違いが発覚しました。
オルガンの大家は、ビル・ドゲットという名だったのです。
では、間違いで買ってしもたこのジミー・ドケットっていったい何者なのよ。
私たち中古レコードの旅人は、しばしば、このようなミスを犯します。
ヒトの記憶は、ファジーですから。あ、ファジーって死語ですか。
一方で、このように間違えて買ってしまったレコードを聴いてみたら、意外と楽しかった、今まで知らなかったディープな音楽の扉が開いてしまった、ということも起こります。
こういう経験、同好の士なら、きっとおありでしょう。
中古レコード店にて、在庫の棚を探索しつつ、スマートフォンをいじっている人、ここ10年くらいでよく見かけるようになりました。
もちろんこの人たちはツムツムをやっているわけではなく、棚から引き出したレコードが何であるのかを調べているのです。
カス情報を集め、カスをつかまないよう防衛するわけ。こういう人たちは、私のような間違いを犯しますまい。
先日、職場の若い連中と話していたら、ネットの評判を確認することなく未踏の飲食店に入ることはぜったいにない、と言っていました。
アタリがあって、ハズレがあるから食い歩きって楽しいのじゃないのかなあ。「あ、この店まずそう」と思ってフラッと入り、じっさい食べてみたら本当にまずかった、とか、そういうのが食い歩きの面白味じゃないのかよ。
などと考えてしまうのは、私が昭和のおっさんだからです。イマドキの若者の気質や行動についていけなくなったのは、私が齢をとったせいか。
とかく今の若者は(このフレーズがすでにおっさんです)、失敗しないことに血道を上げている、上げすぎているような気がしてなりません。
やれコスパだ、タイパだといちいちうるせーのも、失敗したくないという強迫観念のあらわれだと思うのですよ。
失敗できないというただならぬ緊張感が、令和ニッポンの閉塞感を醸成しているのかもしれません。
「ひとつやふたつのあやまちだったらプロフィールになる」とEPOが歌った昭和元禄は、遠い昔になってしまったのです。
例えば、就職を控えた若者たちは、貴重な新卒カードをブラック企業なんかに献呈してたまるもんかと考えています。
職場がブラックであるか否か、これが一大事なのです。だから就職先のリサーチに全力投球です。新卒カードをクソ会社で蕩尽してしまったら、もうレールから脱線しちゃうんだ、人生オシマイなんだ、とそれはそれは必死ですよ。
就職先から食事処に至るまで、ありとあらゆることにカスをつかまないよう、選択を誤らないよう括約筋をギュッと締めて生きている若者たち。これでは息が詰まるでしょう。
そういうことを彼らに強いてしまったのは、結局のところ、私を含む昭和マインドのおっさんたちだと思うんですよね。
失敗したら、また立ち上がってやり直せばいい、そういう姿勢を私たち昭和のおっさんは、今の世代に伝えられたのか。青年は決して安全な株を買ってはいけない、などとうそぶきつつ、自身は安定にしがみついてきたのではないのか。
「イマドキの若者」は実のところ被害者で、私たちおっさん世代が(無意識とはいえ)加害者なのではないか。
だから私ごときに「食い歩きでまずいもん食ってみろ」とか「中古レコードくらいエイヤーで買えよ」などと説教する資格なんてありゃしません。
いっぺんでも失敗してしまったら、もう後がない。そんな世間は、とても、とても息苦しい。
失敗したらたちまちドン底まで落ちて、もう二度と浮上できないというのであれば、みんなますます括約筋に力が入ってしまうではないですか。
コロナ禍を経て、私たちを包む空気はさらにテンパったように感じます。「うまくいかなかった人」や「やらかしちゃった人」をコテンパンに叩くサディスティックな百鬼が夜行する令和ニッポン。
どうしたらいいでしょうか。答えはそう簡単に出そうにありません。
私たちはとりあえず、もうちょっと失敗に寛容な社会を目指すべきなんでしょうかね。失敗した結果を責めるのではなく、挑戦した姿勢を称えるような。
失敗を恐れるな!チャレンジしろ!思い切ってやれ!と、母親の心臓手術をする外科医にも言えるような、そういう世の中。
この名前、どこかで聞いたことある。うーん、たしかオルガンの大家だったような。
よーし、ちょっと買ってみるか。
レコードを手に意気揚々と帰宅して、カン違いが発覚しました。
オルガンの大家は、ビル・ドゲットという名だったのです。
では、間違いで買ってしもたこのジミー・ドケットっていったい何者なのよ。
私たち中古レコードの旅人は、しばしば、このようなミスを犯します。
ヒトの記憶は、ファジーですから。あ、ファジーって死語ですか。
一方で、このように間違えて買ってしまったレコードを聴いてみたら、意外と楽しかった、今まで知らなかったディープな音楽の扉が開いてしまった、ということも起こります。
こういう経験、同好の士なら、きっとおありでしょう。
中古レコード店にて、在庫の棚を探索しつつ、スマートフォンをいじっている人、ここ10年くらいでよく見かけるようになりました。
もちろんこの人たちはツムツムをやっているわけではなく、棚から引き出したレコードが何であるのかを調べているのです。
カス情報を集め、カスをつかまないよう防衛するわけ。こういう人たちは、私のような間違いを犯しますまい。
先日、職場の若い連中と話していたら、ネットの評判を確認することなく未踏の飲食店に入ることはぜったいにない、と言っていました。
アタリがあって、ハズレがあるから食い歩きって楽しいのじゃないのかなあ。「あ、この店まずそう」と思ってフラッと入り、じっさい食べてみたら本当にまずかった、とか、そういうのが食い歩きの面白味じゃないのかよ。
などと考えてしまうのは、私が昭和のおっさんだからです。イマドキの若者の気質や行動についていけなくなったのは、私が齢をとったせいか。
とかく今の若者は(このフレーズがすでにおっさんです)、失敗しないことに血道を上げている、上げすぎているような気がしてなりません。
やれコスパだ、タイパだといちいちうるせーのも、失敗したくないという強迫観念のあらわれだと思うのですよ。
失敗できないというただならぬ緊張感が、令和ニッポンの閉塞感を醸成しているのかもしれません。
「ひとつやふたつのあやまちだったらプロフィールになる」とEPOが歌った昭和元禄は、遠い昔になってしまったのです。
例えば、就職を控えた若者たちは、貴重な新卒カードをブラック企業なんかに献呈してたまるもんかと考えています。
職場がブラックであるか否か、これが一大事なのです。だから就職先のリサーチに全力投球です。新卒カードをクソ会社で蕩尽してしまったら、もうレールから脱線しちゃうんだ、人生オシマイなんだ、とそれはそれは必死ですよ。
就職先から食事処に至るまで、ありとあらゆることにカスをつかまないよう、選択を誤らないよう括約筋をギュッと締めて生きている若者たち。これでは息が詰まるでしょう。
そういうことを彼らに強いてしまったのは、結局のところ、私を含む昭和マインドのおっさんたちだと思うんですよね。
失敗したら、また立ち上がってやり直せばいい、そういう姿勢を私たち昭和のおっさんは、今の世代に伝えられたのか。青年は決して安全な株を買ってはいけない、などとうそぶきつつ、自身は安定にしがみついてきたのではないのか。
「イマドキの若者」は実のところ被害者で、私たちおっさん世代が(無意識とはいえ)加害者なのではないか。
だから私ごときに「食い歩きでまずいもん食ってみろ」とか「中古レコードくらいエイヤーで買えよ」などと説教する資格なんてありゃしません。
いっぺんでも失敗してしまったら、もう後がない。そんな世間は、とても、とても息苦しい。
失敗したらたちまちドン底まで落ちて、もう二度と浮上できないというのであれば、みんなますます括約筋に力が入ってしまうではないですか。
コロナ禍を経て、私たちを包む空気はさらにテンパったように感じます。「うまくいかなかった人」や「やらかしちゃった人」をコテンパンに叩くサディスティックな百鬼が夜行する令和ニッポン。
どうしたらいいでしょうか。答えはそう簡単に出そうにありません。
私たちはとりあえず、もうちょっと失敗に寛容な社会を目指すべきなんでしょうかね。失敗した結果を責めるのではなく、挑戦した姿勢を称えるような。
失敗を恐れるな!チャレンジしろ!思い切ってやれ!と、母親の心臓手術をする外科医にも言えるような、そういう世の中。
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Produced, Composed & Arranged by Jimmy Dockett
Musicians Credit To: Al Wagner and His Philharmonic Strings
Cover Photography: Hugh Bell
Art Director: Ron Warwell
Liner Photo: James J. Kriegsmann
Musicians Credit To: Al Wagner and His Philharmonic Strings
Cover Photography: Hugh Bell
Art Director: Ron Warwell
Liner Photo: James J. Kriegsmann
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