2024/04/01

Eddie Hazell / Sugar, Don't You Know ('80)

A1In a Mellow ToneB1Mimosa and Me
A2But Not for MeB2Polka Dots and Moonbeams
A3Theme From Black OrpheusB3A Felecidade
A4I Hear MusicB4Sugar, Don't You Know
A5Ev'rytime We Say GoodbyeB5Early Autumn
A6Four BrothersB6How Can You Do a Thing Like That to Me?
 エディ?
 エディだろ?

 なんて、思わず問いかけてしまいました。

 たしかに、エディ・ヘイゼルという名のギタリストがいるのは、知っています。
 でもこういう人だったっけ。なんかイメージと違うなあ。どう見てもジャズだよなこれ。

 ともあれギター+ベース+ドラムスのトリオがスタンダードを演奏する、かなり渋めのジャズ・アルバムです。
 ジャケットをごらんの通り、このおっさん、ギター弾きながら歌います。

 ほとんどのトラックは、歌が入っています。純然たるインスト曲はブラジルもののA3とB3くらいか。
 きちんと歌詞のあるものもあれば、歌詞などなく、シュビドゥバシュビドゥバ…と歌い上げたりもします。「11PMのテーマ」のシャバダバシャバダバみたいなもんです。

 高速ギターを弾きつつシュビドゥバと、飛沫をまき散らして激しく歌っておりやす。いやあジャズですなあって感じ。

 Audiophileというレーベルの作品。
 このレーベル名で、うっかり高音質を期待してしまったそこのあなた。残念でした。
 本作、たいして高音質ではありません。ベースの音なんかちっとも聴こえないし。

 ただしこのギタリストが発するギラギラしたエネルギーを、あますところなく伝えてくれます。その点で、優秀録音ではなくとも、的確な録音とは言えましょう。
 とにもかくにも、ギターとヴォーカルの圧がすごいです。刑務所で相部屋になったムキムキマッチョのお兄さんのように、こちらの意向なぞまるっきり慮ることなく強引に迫ってきます。

 しょぼい録音だからこそ、描ける世界がある。
 このおっさんの真価は、しょぼい録音でなければわからなかったのかもしれません。

 何でもかんでも高音質ならオッケー、というわけではないあたり、アナログの世界はひとかたなりません。奥が深くて、複雑で、混迷していて、そして今日も私たちを魅了するのです。
★★★

The Eddie Hazell Trio
Eddie Hazell: Guitar
Bernie Taylor: Bass
Lou Slingerland: Drums

Album Art Direction: Reg Stagmaier
Cover Illustration: Reg Stagmaier
Suggested by a John Domoney Photograph
Liner Photograph by Stan Godlewski
Liner Text by Ed Fuerst
Recording Engineer: Frank Dickinson
Produced by George H. Buck, Jr.
Production Coordinatpr: Wendell Echols

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