A1 | Bidin' My Time | B1 | It Ain't Neccesarily So |
A2 | How Long Has This Been Going on | B2 | Love Is Here to Stay |
A3 | Soon | B3 | 'S Wonderful |
A4 | Lady Be Good | B4 | Nice Work If You Can Get It |
A5 | But Not for Me | B5 | Embraceable You |
A6 | A Foggy Day |
ジャズメンはなぜ、ガーシュウィン・ナンバーを好んで演奏するのでしょうか。
もちろん、心をくすぐる素敵なメロディがあるからでしょう。しかしそれ以上に多くのジャズメンを魅了したのは、そのメロディに伴って変化するハーモニー、なのだそうです。
数多のスタンダード作曲家にあって、ガーシュウィンはそのハーモニーを生み出す才能が傑出していました。アドリブに心血を注ぐジャズメンにとって、ガーシュウィンのユニークなハーモニーは、とてもそそられるのだとか。
パスは本作の数年前、ズート・シムズのガーシュウィン作品集に参加しました。
ズートの傍らでギターを弾きながら、「やっぱりガーシュウィンのハーモニーはおもろい。いつかオレもこんな企画モノやってみたい」そう思ったのでしょうな。
念願の企画が実現した本作は、ギター+ギター+ベース+ドラムスのカルテットによる、ガーシュウィン兄弟のソング・ブック。
リード・ギターをパスが、リズム・ギターをジョン・ピサノが担当します。
パスとピサノの腐れ縁は本作より20年ほど遡る1964年、パスのリーダー・アルバム『フォー・ジャンゴ』に、ピサノが応召したことから始まりました。
『フォー・ジャンゴ』の録音現場にて、ピサノはパスの引き立て役に回ることを強要されます。
自分らしさなぞ求められず、もちろんソロ・パートなんて与えられず、ただひたすら、主君に快くギターを弾いていただけるよう、縁の下で支える立場に徹したのです。
そこで決した主従関係は、20年近く経過した本作でも有効だったのでした。カ…カテエ…。
ジャズの世界って、まるで溶岩石のように凝り固まったタテ社会なんですね。下剋上とかないのかな。
スーパースターに成り上がり、肩で風を切っていたジョージ・ベンソンでさえも、ブラザー・ジャック・マクダフの前では直立不動だったなんて話もあるくらい。
ガーシュウィンのハーモニー、その旨味を表現するにあたり、リズム・ギターの役どころがどれだけ重要か、パスにはよくわかっていました。ピサノを起用したのは、それだけ信頼していたということなのでしょう。
パスはかたくなに、20年前といささかも変わらず、縁の下で自分を支えることをピサノに求めました。
流麗なパスのリード・ギターに、あたかも影のように付き従うピサノ。そう、まさに影です。シャドウです。ピサノシャドウ。
もちろんピサノにだって、「もうちょっと花を持たせてくれよ」といった要望はあったかもしれません。しかしパスは絶対に許さない。最初から最後まで、ピサノにはリズム・ギターを貫徹させました。カテエ。
リスナーにとっては、ギタリストふたりの役割がハッキリしていて聴きやすくなりました。同じ楽器のプレーヤーがソロ・パートを分かち合うと、混乱しますからね。
与えられた役割をはみ出すことなく、粛々とギターを刻むピサノのひたむきさは、もしかしたらパス以上に印象に残っちゃったりします。やみくもに目立とうとしたら、こうはいかなかったでしょう。
ロクなセリフもなく、顔もハッキリ映ることなく斬られて倒れる福本先生にも通じる、職人的な仕事ならではのカッコよさというか。
オーラスB5はピサノもベースもドラムスもいない、パスのひとりギター。ここだけヴァーチュオーゾ番外編。
もちろん、心をくすぐる素敵なメロディがあるからでしょう。しかしそれ以上に多くのジャズメンを魅了したのは、そのメロディに伴って変化するハーモニー、なのだそうです。
数多のスタンダード作曲家にあって、ガーシュウィンはそのハーモニーを生み出す才能が傑出していました。アドリブに心血を注ぐジャズメンにとって、ガーシュウィンのユニークなハーモニーは、とてもそそられるのだとか。
パスは本作の数年前、ズート・シムズのガーシュウィン作品集に参加しました。
ズートの傍らでギターを弾きながら、「やっぱりガーシュウィンのハーモニーはおもろい。いつかオレもこんな企画モノやってみたい」そう思ったのでしょうな。
念願の企画が実現した本作は、ギター+ギター+ベース+ドラムスのカルテットによる、ガーシュウィン兄弟のソング・ブック。
リード・ギターをパスが、リズム・ギターをジョン・ピサノが担当します。
パスとピサノの腐れ縁は本作より20年ほど遡る1964年、パスのリーダー・アルバム『フォー・ジャンゴ』に、ピサノが応召したことから始まりました。
『フォー・ジャンゴ』の録音現場にて、ピサノはパスの引き立て役に回ることを強要されます。
自分らしさなぞ求められず、もちろんソロ・パートなんて与えられず、ただひたすら、主君に快くギターを弾いていただけるよう、縁の下で支える立場に徹したのです。
そこで決した主従関係は、20年近く経過した本作でも有効だったのでした。カ…カテエ…。
ジャズの世界って、まるで溶岩石のように凝り固まったタテ社会なんですね。下剋上とかないのかな。
スーパースターに成り上がり、肩で風を切っていたジョージ・ベンソンでさえも、ブラザー・ジャック・マクダフの前では直立不動だったなんて話もあるくらい。
ガーシュウィンのハーモニー、その旨味を表現するにあたり、リズム・ギターの役どころがどれだけ重要か、パスにはよくわかっていました。ピサノを起用したのは、それだけ信頼していたということなのでしょう。
パスはかたくなに、20年前といささかも変わらず、縁の下で自分を支えることをピサノに求めました。
流麗なパスのリード・ギターに、あたかも影のように付き従うピサノ。そう、まさに影です。シャドウです。ピサノシャドウ。
もちろんピサノにだって、「もうちょっと花を持たせてくれよ」といった要望はあったかもしれません。しかしパスは絶対に許さない。最初から最後まで、ピサノにはリズム・ギターを貫徹させました。カテエ。
リスナーにとっては、ギタリストふたりの役割がハッキリしていて聴きやすくなりました。同じ楽器のプレーヤーがソロ・パートを分かち合うと、混乱しますからね。
与えられた役割をはみ出すことなく、粛々とギターを刻むピサノのひたむきさは、もしかしたらパス以上に印象に残っちゃったりします。やみくもに目立とうとしたら、こうはいかなかったでしょう。
ロクなセリフもなく、顔もハッキリ映ることなく斬られて倒れる福本先生にも通じる、職人的な仕事ならではのカッコよさというか。
オーラスB5はピサノもベースもドラムスもいない、パスのひとりギター。ここだけヴァーチュオーゾ番外編。
★★★ | 採点表を見る |
Shelly Manne: Drums
John Pisano: Rhythm Guitar
Jim Hughart: Bass
Produced by Norman Granz
Photo by Phil Stern
Layout & Design: Norman Granz & Sheldon Marks
Studio: Group IV Studios, Hollywood, CA November 23, 1981
Engineer: Dennis Sands
Ibanez Guitars Used by Joe Pass
John Pisano: Rhythm Guitar
Jim Hughart: Bass
Produced by Norman Granz
Photo by Phil Stern
Layout & Design: Norman Granz & Sheldon Marks
Studio: Group IV Studios, Hollywood, CA November 23, 1981
Engineer: Dennis Sands
Ibanez Guitars Used by Joe Pass
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