2020/06/26

Andy Gibb / Flowing Rivers ('77)

A1I Just Want to Be Your EverythingB1(Love Is) Thicker than Water
A2Words and MusicB2Flowing Rivers
A3Dance to the Light of the MorningB3Come Home for the Winter
A4Too Many Looks in Your EyesB4Let It Be Me
A5StarlightB5In the End
 アンディ・ギブのデビュー・アルバム。この当時、まだ10代の若者でした。
 あどけない面差し。かすかに反抗的な目をしています。そして胸元からチラリとのぞくボーボーの胸毛。
 大人でもない、子供でもないティーンエイジャー特有の、危なっかしい青臭さをフィルムに定着した、印象的なモノクロのジャケットです。ちなみに撮影したのは、けっこう有名な写真家さんらしいぜ。

 ギブという姓が示す通り、アンディはビー・ジーズの末弟です。そこで赤べこの総帥、ロバート・スティグウッドがケツを持ちました。ただし兄貴たちが全面協力したわけではなく、A1とB1をバリーが手伝っただけ。残りのトラックは、兄弟のサポートなどなく、アンディがひとりでがんばりました。

 で、結果はどうかというと、かなりハッキリ明暗が分かれます。
 A1とB1が上出来。それ以外は凡庸。兄貴の助けがあるかないかで、残酷なまでに大きな差がついてしまいました。

 でもまあ、しょっぱい出来のトラックにも、控えめな聴きどころがいくつかあります。A4からA5のぐったりした流れなんてなかなかいいじゃないの。

 アルバム・タイトルになったB2、続くB3は、ギターがジャンカジャンカと鳴りっぱなしの、ストレート・アヘッドなカントリー・ロック。兄弟といっしょだと、こういうテイストの曲はやりにくかったのではないか。もしかしたら、アンディ本人はこの路線で行きたかったのではないか。

 ビー・ジーズの末弟というポジションは、売り出すにはこれ以上ないくらいの好条件でしょう。
 しかし血の絆は特権であると同時に、桎梏でもあったはず。アンディは本作の後、ビー・ジーズ・ファミリーの構成員として、ますます兄弟との強調関係を深めていくことになります。

 それはすなわち、ギブ兄弟の一員に相応しい、世間から期待される音楽をやらざるを得ないことを意味します。要するにディスコです。
 軽佻浮薄なディスコ・ミュージックが、はたしてアンディの本懐であったのか。今となっては、知る由もありません。兄弟の誰よりも先に、アンディは旅立ってしまいました。

 あまり出来のよろしくないA2からA5、B2からB5の8曲、兄弟の助けもなく、また干渉もされなかったこの8曲にこそ、アンディの真の姿があるような気がするのです。
★★★

Vocals: Andy Gibb
Background Vocals
A1 & B1: Barry Gibb
All Other Selections: John Sambataro

Executive Producer: Barry Gibb
A1 & B1 Produced by Barry Gibb, Albhy Galuten & Kari Richardson
All Other Selections Produced by Albhy Galuten & Kari Richardson for Karlbhy Productions by Arrangement With the Robert Stigwood Organisation
Engineered by Kari Richardson
Assistant Engineer: Steve Gersky
Recorded at Criteria Studios, Miami
Mixed by Kari Richardson

Musicians
Drums: Ron "Tubby" Ziegler
Bass: Harold "Hog" Cowart
Guitar: Joey Murcia
Acoustic Guitar: George Terry
Steel Guitar: Don Buzzard
Percussion: Nelson (Flaco) Pedron
Piano: Paul Harris
Synthesizer: Albhy Galuten
Guitar: Tim Renwick
Electric Guitar: George Terry
Guitar: Joe Walsh
String Arrangements: Albhy Galuten
Conductor: Mike Lewis
Contractor: Bob Basso

Art Direction: Susan Herr
Design & Lettering: Tom Nikosey
Photography: Norman Seeff
Ocean Photo: Jon Kidder

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