2020/06/11

Angelo / Midnight Prowl ('78)

A1Midnight ProwlB1Have You Ever Seen the Rain
A2I've Loved These DaysB2We're Over
A3Changing ManB3As I See You Now
A4The DesertB4Miami 2017 (Seen the Lights Go out on Broadway)
 ティアドロップのレイバンをかけ、ブックマッチを擦ってダバコに火をつけている不審者。左上の女性も、訝しげに様子をうかがっています。
 このジャケットはあんまりです。本気で売るつもりがあるんかレコード会社よ、そうなじらずにはいられません。

 アルバムの内容も、何だか気力が感じられない。集まったバンド・メンバーも仕方なくやってます感がひしひし。みんなケガだけはするなよ、といった消化試合のノリです。
 こういうレコードをお店でかけても、「ねえマスターこれ歌っているの誰?」なんて声をかけてくるお客さんは皆無でしょう。飲食や雑談のジャマを一切しない、そういう意味で優秀なBGMと言えます。

 主役のアンジェロは、スタジャンにヒゲの風貌そのまんまのザラついたおっさん声で、訥々と歌ってます。コーラスで本作に参加しているピーター・セテラやビル・チャンプリンの方が、ヴォーカリストとしての技量は100倍やそこらあるんじゃないか。

 A1はJ・D・サウザーのカバー。"Black Rose"に収録されてました。アンジェロのカバーはあまり上出来とは言えず、これをアルバム・タイトルにしちゃうあたり、本作にかける関係者一同の無気力っぷりがうかがえますな。

 A2とB4はビリー・ジョエルのカバー。B1はCCRの有名曲。B2はバリー・マン&シンシア・ウェイルの作。というわけで残りのA3、A4、B3がアンジェロの自作曲となります。

 カバーの比率が高いのは、アンジェロがまともな曲を書けるのか不安になったレコード会社やプロデューサーが保険をかけたからでしょう。ナメられてるぞアンジェロ。
 しかし心配する関係者をよそにアンジェロ、サクサクと曲を作ってきました。アンジェロより産むが易し。

 自作曲はいずれもまずまずの出来で、とりわけA3が心に残ります。アルバム全曲、アンジェロに任せてもよかったんじゃないの。
 名馬は常にあれども、伯楽は常にはあらず…。A&Rの迷走で不発弾になってしまった残念な1枚。
★★★

Produced by Michael Stewart With Rick Ruggieri
Recorded and Mixed by Rick Ruggieri
Recorded at Fantasy Studios (Berkeley), Producer's Workshop (Los Angeles) and Redwing Studios (Sunland, CA.)
Mixed at Cherokee Studios, Los Angeles
Assistant Engineers: Steve Williams (Fantasy), Cheech (Cherokee)
Mastering: Mike Reese (Mastering Lab, Hollywood)
Art Direction: Phil Carroll
Photography: Phil Bray
Design: Dennis Gassner

0 件のコメント: