A1 | (So Long) since I Felt This Way | B1 | Sherry |
A2 | Hey There Lonely Girl | B2 | Winner Take All |
A3 | Just One More Try | B3 | Hurtin' Doesn't Go Away |
A4 | On My Own | B4 | Back on the Street Again |
A5 | Give up Your Love | B5 | You Could Have Told Me |
ロバート・ジョンはかつて、「サッド・アイズ」という曲でビルボード・ホット100の1位に輝きました。
ほんの一瞬、たったの一週とはいえ、アメリカ音楽界の頂に立ったのであります。
これがどれだけの偉業であるか、ちょいと確認してみましょう。
「サッド・アイズ」が1位になった1979年、他にどんな曲が1位になっているのか、調べてみました。
いやあ、何と凄まじいリストなのでしょう。ちなみにロバート・ジョンが首位に滑り込んだのは、「マイ・シャローナ」と「今夜はドント・ストップ」の間です。
「アメリカのチャートは、マグレやインチキでは絶対に1位になれない」と、以前ラジオでグッチ裕三さんは話していました。見て下さいよ。どれもこれもええ曲ばかり。グッチさんの言うことは、間違っていなかったのです。
百鬼夜行のヒット街道で、これほどまでに強力な、かつ魅力的なライバルに伍して、チャートを制するのがどれだけ難儀であるか。
いま一度、上のリストをよく見てほしい。各曲を脳内で再生しつつ見てほしい。こいつらとしのぎを削って、1位まで駆け上がったんですよ。ロバート・ジョンは。
プロデューサーのジョージ・トービンは、「サッド・アイズ」の熱が冷めないうちに、二の矢、三の矢を放ってヒットを量産し、ロバート・ジョンをスターダムに押し上げようと画策しました。
それが「サッド・アイズ」翌年に制作された、このアルバムです。
有名曲(A2とB1)のカバーをシングル・カットし、てっとり早くヒットを狙ったのが悪手だったのか。あるいは上のリストが示すように、ビー・ジーズがさんざん流行っていた頃なので、世間のリスナーに「ファルセット声はもういらないです」な空気が流れていたのか。
理由はよくわかりません。とにかく、期待したほどにはヒットしませんでした。一度はつかみかけたスターの座が、その手をするりと抜け、いくら手を伸ばしても届かない、宇宙の果てへと消え去ったのです。
私としては、ヴィジュアル面が大いに気になるところ。ジャケット写真を拡大してみましょう。
ロバート・ジョンは5.5頭身くらいかな。体格こそ違えど、ジョン・テンタのような顔をしています。
MTV時代なら、いかにも苦戦を強いられそうな容姿です。しかし幸いと言うべきか、MTV時代が到来する前に、ロバート・ジョンの時代は終わっていました。
売れなかったからといって、では本作がカスなのかというと、そうでもありません。
ほぼ全編、ファルセットで歌い切っていますので、そういうのが苦手でなければ悪くないアルバムと言えます。
似たり寄ったりの曲を並べて平板になってしまったA面より、B面の方がだんぜんいい。
ファルセットから解き放たれたタイトル曲B4から、静かなエモーションをたたえたB5にかけての、終盤の流れが聴きどころ。アルバム最後に印象的な曲を配してシメるのは、同時期の『女はドラマティック』といっしょ。ジョージ・トービンのいつもの手口です。
ほんの一瞬、たったの一週とはいえ、アメリカ音楽界の頂に立ったのであります。
これがどれだけの偉業であるか、ちょいと確認してみましょう。
「サッド・アイズ」が1位になった1979年、他にどんな曲が1位になっているのか、調べてみました。
ビー・ジーズ | 「失われた愛の世界」 「哀愁のトラジディ」 「ラヴ・ユー・インサイド・アウト」 |
ロッド・スチュアート | 「アイム・セクシー」 |
グロリア・ゲイナー | 「恋のサバイバル」 |
ドゥービー・ブラザーズ | 「ホワット・ア・フール・ビリーヴス」 |
エイミー・スチュアート | 「ノック・オン・ウッド」 |
ブロンディ | 「ハート・オブ・グラス」 |
ピーチズ&ハーブ | 「恋の仲直り」 |
ドナ・サマー | 「ホット・スタッフ」 「バッド・ガール」 「ノー・モア・ティアーズ」with バーブラ |
アニタ・ワード | 「リング・マイ・ベル」 |
シック | 「グッド・タイムス」 |
ザ・ナック | 「マイ・シャローナ」 |
マイケル・ジャクソン | 「今夜はドント・ストップ」 |
ハーブ・アルパート | 「ライズ」 |
M | 「ポップ・ミューヂック」 |
イーグルス | 「ハートエイク・トゥナイト」 |
コモドアーズ | 「スティル」 |
スティクス | 「ベイブ」 |
ルパート・ホルムズ | 「エスケイプ」 |
いやあ、何と凄まじいリストなのでしょう。ちなみにロバート・ジョンが首位に滑り込んだのは、「マイ・シャローナ」と「今夜はドント・ストップ」の間です。
「アメリカのチャートは、マグレやインチキでは絶対に1位になれない」と、以前ラジオでグッチ裕三さんは話していました。見て下さいよ。どれもこれもええ曲ばかり。グッチさんの言うことは、間違っていなかったのです。
百鬼夜行のヒット街道で、これほどまでに強力な、かつ魅力的なライバルに伍して、チャートを制するのがどれだけ難儀であるか。
いま一度、上のリストをよく見てほしい。各曲を脳内で再生しつつ見てほしい。こいつらとしのぎを削って、1位まで駆け上がったんですよ。ロバート・ジョンは。
プロデューサーのジョージ・トービンは、「サッド・アイズ」の熱が冷めないうちに、二の矢、三の矢を放ってヒットを量産し、ロバート・ジョンをスターダムに押し上げようと画策しました。
それが「サッド・アイズ」翌年に制作された、このアルバムです。
有名曲(A2とB1)のカバーをシングル・カットし、てっとり早くヒットを狙ったのが悪手だったのか。あるいは上のリストが示すように、ビー・ジーズがさんざん流行っていた頃なので、世間のリスナーに「ファルセット声はもういらないです」な空気が流れていたのか。
理由はよくわかりません。とにかく、期待したほどにはヒットしませんでした。一度はつかみかけたスターの座が、その手をするりと抜け、いくら手を伸ばしても届かない、宇宙の果てへと消え去ったのです。
私としては、ヴィジュアル面が大いに気になるところ。ジャケット写真を拡大してみましょう。
ロバート・ジョンは5.5頭身くらいかな。体格こそ違えど、ジョン・テンタのような顔をしています。
MTV時代なら、いかにも苦戦を強いられそうな容姿です。しかし幸いと言うべきか、MTV時代が到来する前に、ロバート・ジョンの時代は終わっていました。
売れなかったからといって、では本作がカスなのかというと、そうでもありません。
ほぼ全編、ファルセットで歌い切っていますので、そういうのが苦手でなければ悪くないアルバムと言えます。
似たり寄ったりの曲を並べて平板になってしまったA面より、B面の方がだんぜんいい。
ファルセットから解き放たれたタイトル曲B4から、静かなエモーションをたたえたB5にかけての、終盤の流れが聴きどころ。アルバム最後に印象的な曲を配してシメるのは、同時期の『女はドラマティック』といっしょ。ジョージ・トービンのいつもの手口です。
★★★ | 採点表を見る |
Produced by George Tobin in Association With Mike Piccirillo for George Tobin Productions Inc.
Arranged by George Tobin and Mike Piccirillo
Drums: Craig Krampf, Ed Greene on A2
Bess: Scott Edwards, Wade Short on A2
Guitars: Mike Piccirillo, Bill Neale Played the Solo on A3
Keyboards: Stewart Levin, Bill Cuomo on A3 and B4
Synthesizers: Mike Piccirillo
Sax: Joel Peskin
Harp: Katie Kirkpatrick
Bells: Mark Zimoski
Electric Sitar: Mike Piccirillo
Background Vocals: Robert John and Mike Piccirillo, Edna Wright and Darlene Love on A2, George Tobin Bass Vocal on B1
Horn Arrangements: Gary Scott on A1 and B2
Recording Engineers: Mark Wolfson and H. Lee Wolen
Mixed by George Tobin and Mike Piccirillo
Recorded and Mixed at Studio Sound Recorders, North Hollywood, California
Production Coordinator: Lisa Marie
Direction for GTP: Gary Goetzman
Art Direction & Design: Bill Burks
Photography: Jennifer Griffiths
Arranged by George Tobin and Mike Piccirillo
Drums: Craig Krampf, Ed Greene on A2
Bess: Scott Edwards, Wade Short on A2
Guitars: Mike Piccirillo, Bill Neale Played the Solo on A3
Keyboards: Stewart Levin, Bill Cuomo on A3 and B4
Synthesizers: Mike Piccirillo
Sax: Joel Peskin
Harp: Katie Kirkpatrick
Bells: Mark Zimoski
Electric Sitar: Mike Piccirillo
Background Vocals: Robert John and Mike Piccirillo, Edna Wright and Darlene Love on A2, George Tobin Bass Vocal on B1
Horn Arrangements: Gary Scott on A1 and B2
Recording Engineers: Mark Wolfson and H. Lee Wolen
Mixed by George Tobin and Mike Piccirillo
Recorded and Mixed at Studio Sound Recorders, North Hollywood, California
Production Coordinator: Lisa Marie
Direction for GTP: Gary Goetzman
Art Direction & Design: Bill Burks
Photography: Jennifer Griffiths
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