2019/03/10

Felix Cavaliere / Castles in the Air ('79)

A1Good to Have Love BackB1Dancin' the Night Away
A2Only a Lonely Heart SeesB2Love Is the First Day of Spring
A3All or NothingB3Outside Your Window
A4Castles in the AirB4Don't Hold Back Your Love
A5People Got to Be FreeB5You Turned Me Around
 鳥取砂丘のような見渡す限りの砂原に、打ち捨てられたピアノ。それも5台。
 脚を砂地に沈め、傾いたグランド・ピアノ。ヒゲボーボーのおっさんが歩いています。足跡がピアノからピアノへと続いている様子から、このおっさんが5台のピアノの間をふらふらと彷徨っている状況を想起させます。

 ミュージシャンにとって、求めている音、お気に入りの音、納得しうる音をわがものにするための努力がいかに孤独で、苦難に満ちた道程なのかをシンボリックに表現した、衝撃的なジャケット写真ですね。
 ヒゲボーボーの体がナナメっている、この角度が絶妙なんだ。

 どうやって撮影したのでしょう。重そうなグランド・ピアノをこんな砂原に運び込むなんて。ユニック車は乗り入れられないだろうに。ドンガラだけのダミーピアノかあ?

 手前の1台だけが本物で、残りの4台は合成、つーことも考えられますね。
 あるいはそもそも屋外ロケなんてしてなくて、スタジオ内に砂原のセットを作り、そこで撮ったのでしょうかねえ。

 謎は消えません。いや謎が残るからこそ、このジャケットの印象が深まるのです。

 ちなみにジャケットの裏は、ヒゲボーボーのおっさんのウエストショットです。

 こちらを表にしても悪くはなかったと思う。国内盤だと青い空と海の写真に差し替えられちゃいそうだけど。

 アルバムの内容は、ヒゲボーボーがやる気なさそうな歌いっぷりでAB両面を埋め尽くしています。伴奏する24丁目バンドがやたらハツラツとしているせいで余計に、ヒゲボーボーの心がこもっていない感じが際立ちました。
 どの曲も同じように聴こえるのがしんどい。
 A4とA5の間を謎のピロピロ・サウンドでつないでいます。こういうのをカッコイイと信じているセンスが好きです。
★★★

Produced by Felix Cavaliere and Cengiz Yaltkaya for Shanti Productions
Direction: David Krebs, Steve Leber, Louis Levin for Contemporary Communications Corp.
Cover Photo: Ken Ambrose
Back Cover Photo: Don Hunstein
Design: Paula Scher

Recorded at Atlantic Studios, NY, NY by Bill Dooley
Assistant Engineers: Tom Heid, Randy Mason
Mixed at The Hit Factory by Gerry Block
Assistant Engineer: Bobby Gordon
Except A5 Mixed at Sound Works, New York City by Gerry Block
Assistant Engineer: Craig Goetsch
Mastered by Greg Calbi at Sterling Sound, NY, NY
Concert Master: Gene Orloff
Project Coordinator: Chrissy Allerdings
String & Horn Arrangements by Cengiz Yaltkaya
Rhythm Arrangements: Felix Cavaliere & Cengiz Yaltkaya

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