2018/09/17

Dann Rogers / Hearts under Fire ('78)

A1Hearts under FireB1Savannah
A2Old MexicoB2I Got the Fever
A3LucyB3Looks like Love Again
A4CompanionsB4Dream On
A5China
 アルバム冒頭、耳に跳び込んでくるミョーに熱っぽいエレキ・ギターのイントロ。B級ロックのニオイがプンプンしてもうたまんないです。

 本作の主役ダン・ロジャースは、ケニー・ロジャースの甥っ子らしい。本人の公式サイトにそう書いてあります。
 しかしこのアルバム、大御所の影響力なんざ絶無で、氏素性なんかどうでもいいだろ!と言わんばかりに、B級ロッカーが魂のサウンドを叩きつけています。

"Hearts under Fire"や"I Got the Fever"なんて、曲名からすでに熱気が溢れてしまってますよね。

 ハード・ドライヴィンなイケイケB級ロックで盤面を埋め尽くしてしまえば、かなりの良盤になれたんじゃないかって気がします。しかし本作には、いくつかアダルト・コンテンポラリーに歩み寄った曲があるんだなあ。1978年は、きっとそういう時代だったのでしょう。

 売れるアルバムを作らなければ、という周囲からのプレッシャーに屈したのか、それとも本人がやる気マンマンだったのかはともかく、B級ロックを貫徹できなかった詰めの甘さが残念な反面、じつは意外と面白かったりもします。
 A5やB3なんかがその路線ですな。B4はモロ、イングランド・ダン&ジョン・フォードだし。

 B級ロッカーが照れくさそうに、甘っちょろいストリングスを従えて歌うA5"China"が、とりわけ心に残ります。エレピとリズム・ギターの音がアダルト・コンテンポラリーど真ん中ですよ。クライマックスではサックスがむせび泣いて盛り上げたりするし…。明らかにそっちの方向を狙ってますなこりゃ。

 ちなみに本作、AB両面合わせて30分弱です。ヘタな埋め草をねじ込んで水増しするくらいなら、これくらいの時間で一気に駆け抜けてしまう方がずっといいですよね。
★★★

Produced by Ian Gardiner

Keyboards: Jim Phillips
Bass: Ian Gardiner
Drums: Timothy "Ace" Holleran
Guitars: Jack Daniels, Steve Crossley
Cello: Hugh McDowell
Horns: Quitman Dennis, Greg Smith, Jim Gordon, Slyde Hyde, Chuck Findley, Steve Madaio
Harmonica: Norton Buffalo
Background Vocals: Dann Rogers, Delaney and Bonnie Bramlett, Burton Cummings, Steve Crossley, Jack Daniels, Ian Gardiner, Gary Brandt
Strings and Horns Arranged by Jim Phillips

Recorded at Alpha Studios, North Hollywood, Ca.
Engineered by Gary Brandt
Strings Recorded at Warner Amigo Studios, North Hollywood, Ca.
Second Engineer: Ken Dean
Mastered at Allen Zentz, Hollywood by Chris Bellman

Photography: Andrew Sackheim
Styling: Kathy Miller
Tinting: Carol Fede
Art Direction: Phil Denslow for Brown Shoe Productions

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