2018/07/20

Yellowjackets / Samurai Samba ('85)

A1HomecomingB1Silverlake
A2Dead BeatB2Lonely Weekend
A3Daddy's Gonna Miss YouB3Los Mambos
A4SylvaniaB4Samurai Samba
 サムライというのはかつてわが国に棲息した、奇妙なヘアスタイルで刃物を振り回し、ときに首狩りをするユニークな生物です。150年くらい前に絶滅しました。時代劇でおなじみですね。

 サンバは南米ブラジルで生まれた音楽。躍動的なリズムがやがて世界へ伝播し、わが国でも「てんとう虫のサンバ」や「お嫁サンバ」などで親しまれています。

 サムライとサンバ、残念ながら接点はまったくありません。
 江戸時代、嵐で流されたブラジル人が浜辺に漂着し、当地のサムライにサンバを伝えた、なんて『ジャズ大名』に似た話も、おそらくないと思います。

 このタイトル、異国情緒あふれる言葉を2個拾ってきて、くっつけただけなんじゃないの?
 売り出し中のバンドが、何とかしてメジャーになりたい。そのためにはとにかく目立たなくては!
 そこで奇をてらったタイトルをつけたのではないか、というのが私の推測。
 だって本当にタイトルだけなんだもん。内容的には、サムライのファンにも、サンバのファンにも納得いくものではないでしょう。

 どうってことのないインスト・フュージョン。よくもなく、悪くもなくといったところ。サムライやサンバに過剰な期待をしなければ、じゅうぶん及第点です。

 ミュージシャンのクレジットに、カルロス・リオスの名前がありますね。ジノ・ヴァネリの"Brother to Brother"で、かっちょいいギターを弾いていた人です。本作では地味にリズムを刻んでいます。目立つことなく、堅実に仕事をこなす彼こそ、滅私奉公のサムライですな。

 また、ボビー・コールドウェルがゲスト参加し、B2"Lonely Weekend"を歌っています。
 わざわざ来ていただいたゲストに気持ちよく歌ってもらおうと「ノセる伴奏」に徹したイエロージャケッツのハラキリ精神は見上げたもので、バンドの只ならぬ力量を感じずにはいられません。
★★★

The Yellowjackets
Keyboards: Russell Ferrante
5-String Bass: Jimmy Haslip
Drums, Electric Drums: Ricky Lawson
Alto Sax: Marc Russo

Additional Players
Guitar: Carlos Rios
Guitar: Michael Landau
Fairlight Programming: Rory Kaplan
Percussion: Paulinho da Costa
Vocals: Bobby Caldwell, Marilyn Scott, Paulinho da Costa and Carl Caldwell
Vocals for B3: Paulo da Costa, Jr.

Produced by Tommy LiPuma and the Yellowjackets

Engineered and Mixed by Erik Zobler
Recorded at Larrabee Sound Studios
Additional Recording at Mad Hatter Recording Studios and Music Grinder
Additional Recording and Mixing at Sunset Sound
2nd Engineers: Toni Greene, Gary Wagner, John Ingoldsdy, Casey McMackin, Steve Shelton, Peggy McCreary and Terry Christian
Production Coordinator: Celeste

Art Direction / Design: Simon Levy
Cover Artwork: Lou Beach
Photography: Jeff Katz

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