2018/07/20

Willie Nelson / Stardust ('78)

ウィリー・ネルソン / スターダスト~我が心のジョージア
現代を彷徨う光と影。遥かなる夜空から贈る優しき星屑のシャワー。
全米トリプル・プラチナム(300万枚以上)に輝き、今なおロング・セラーを続けるウィリー不滅のスタンダード・アルバム。
A1Stardust
スターダスト
B1September Song
セプテンバー・ソング
A2Georgia on My Mind
我が心のジョージア
B2On the Sunny Side of the Street
明るい表通りで
A3Blue Skies
ブルー・スカイ
B3Moonlight in Vermont
ムーンライト・イン・ヴァーモント
A4All of Me
オール・オブ・ミー
B4Don't Get Around Much Anymore
ドント・ゲット・アラウンド・マッチ・エニモア
A5Unchained Melody
アンチェインド・メロディ
B5Someone to Watch over Me
サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー
 まるでアメリカン・スタンダード・ナンバーの人気投票でもしたかのような選曲。
 これをトニー・ベネットやペリー・コモらMOR系が歌ったところで、カラスがカアと鳴くようなもので、何の感慨もありません。

 本作のキモは、これらアメリカン・スタンダード・ナンバーの選りすぐりを、ウィリー・ネルソンが歌うという奇策、これに尽きます。
 ティン・パン・アレー・スタンダードと、カントリー&ウエスタンの間にでーんと横たわるチャイニーズ・ウォールを、このバンダナ野郎はひょいと、まるで風呂桶のへりをまたぐような気安さで乗り越えてしまいました。

 そのせいか、MOR系の連中なら仰々しく歌い上げるようなナンバーでも、深刻になることなくサラッと軽く歌っています。
 淡々としながらも情感を失わないウィリー・ネルソンの歌いっぷりが、聞き慣れた、または聞き飽きたスタンダード・ナンバーに、新たなる命を吹き込むのです。

 このアルバム、かなり売れました。たしかトリプル・プラチナだったかな。

 そして世界中の音楽業界・レコード業界の関係者に「スタンダード集は売れるッ」という悪魔のささやきをもたらしてしまいました。
 何せウィリー自身でさえ、本人が乗り気だったのか、あるいは周囲がゴリ押したのか、本作の続編にまで手を染めたくらいですからね。(パート3まであるらしいぜ…)

 ジョゼフ・ウォンボーの小説『ハリー・ブライトの秘密』に、このアルバムがほんの少し登場します。ウォンボーはこういう古き良きアメリカ音楽が好きなんだよね。
★★★

Produced and Arranged by Booker T. Jones
Recorded and Mixed in The Enactron Truck
Engineers: Bradley Hartman and Donivan Cowart
Mastering Engineer: Bernie Grundman
String Conductor: Jules Chaiken

Willie Nelson: Vocals and Guitar
Bobbie Nelson: Piano
Paul English: Drums
Rex Ludwig: Drums
Jody Payne: Guitar
Bee Spears: Bass
Chris Ethridge: Bass
Mickey Raphael: Harmonica
Booker T. Jones: Organ and Piano

Front Cover Painting: Susanna Clark
Back Cover Photograph: Beverly Parker

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