2018/07/13

Rupert Holmes / Pursuit of Happiness ('78)

ルパート・ホルムス / 浪漫
大都会に漂うロマンの香り!
ソングライターとしてアレンジャーとしてプロデューサーとしてあまりにも有名なニューヨークの巨人、ルパート・ホルムズ。彼のセクシャルな感覚と成熟度の高い音楽感覚が織りなすメロウな音世界。彼こそパーソナルなフュージョン・ミュージック・パーソナリティだ!
A1Less is More
レス・イズ・モア
B1Let's Get Crazy Tonight
今夜はメロウに
A2Show Me Where It Says
愛はどこに
B2Bedside Companions
ベッドサイド・コンパニオン
A3Speechless
スピーチレス
B3Guitars
ギターに限りない愛を
A4Cradle Me
クレイドル・ミー
B4The Long Way Home
ロング・ウェイ・ホーム
A5So Beautiful It Hurts
ソー・ビューティフル・イット・ハーツ
B5Town Square & The Old School
タウン・スクエア・アンド・オールド・スクール
 中古レコード屋で、さんざんエサ箱内を捜索したものの、とくに欲しいものは見つからない。でもせっかく来たのに手ブラで帰るのも寂しいので、どうしても欲しいというわけでもないレコードをテキトーに買って帰り、さして期待もせずに聴いてみたらけっこう良かった、などという経験、同好の士ならきっとおありですよね。
 私にとって、本作はまさにそれでした。

 どうせ大したことないよ。何が『浪漫』だよバカじゃねーの。
 そんな、ナメきった気持ちで盤をターンテーブルに置き、針を下ろし、やがて流れ出した1曲目「レス・イズ・モア」のイントロにじっと耳を傾ける。

 か、かっこいい…。

 A1のイントロ、ベースの最初の数音で雷に打たれたように、トリコになりました。両面すべて聴き終わる頃には、すっかり好きになってしまっていたのです。

 A1に限らず、この人はイントロ作りがとても上手い。イントロで雰囲気を固めてから、リード・ヴォーカルが入るパターンが見事に決まっています。
 A2、A5、B1、B2など、いずれもドレミファドン!のイントロクイズに出題したくなるほど、よくできたイントロなのです。

 しかも、どのイントロもエロいムードに満ちています。で、歌詞カードを見たら内容も本当にエロかった。
『浪漫』という邦題も、聴き込んだ今なら合点です。バカなんて言っちゃってすみません。いやあ、じつにいい買い物でした。

 こういうことがあるから、中古レコード屋の探訪はやめられません。ネットショッピングや通信販売では、かような興奮や感動を味わうことはできないでしょう。
 中古レコードは、足で買うのがいちばんです。
★★★★

Drums: Alan Schwartzberg and Jimmie Young
Percussion: Jimmy Maelen
Electric Bass: Wilbur Bascomb, Will Lee and the Late Joe Mack
Lead Electric Guitar: Steve Khan and Elliott Randall
Keyboards: Carter Cathcart, Pat Rebillot and Rupert Holmes
Tenor Sax and Flugelhorn Solos on A5: Michael Brecker and Randy Brecker
Lead Trumpet: Mel Davis, Randy Brecker and Marv Stamm
Lead French Horn: Peter Gordon
Violin Concertmaster: Gene Orloff
Cello Concertmaster: Jesse Levy
Background Vocals: Vivian Cherry, Lani Groves, Hilda Harris, Maeretha Stewart and Rupert Holmes

Arranged and Conducted by Rupert Holmes
Recorded and Mixed at Plaza Sound Studios by Rob Freeman
Additional Recording and Mixing at A&R Studios by Jim Boyer and at Power Station by Bob Clearmountain

All Words and Music Written by Rupert Holmes

Design by Richard Mantel
Photography by Benno Friedman, Push Pin Studios

Produced by Rupert Holmes for The Holmes Line

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