2018/07/13

Rosemary Clooney / Here's to My Lady ('79)

ローズマリー・クルーニー / ビリー・ホリデイに捧ぐ
A1I Cover the Waterfront
アイ・カヴァー・ザ・ウォーターフロント
B1Comes Love
カムズ・ラヴ
A2Good Morning, Headache
グッドモーニング・ハートエイク
B2He's Funny That Way
ヒーズ・ファニー・ザット・ウェイ
A3Mean to Me
ミーン・トゥ・ミー
B3God Bless' the Child
ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド
A4Lover Man (Oh Where Can You Be?)
ラヴァー・マン
B4Them There Eyes
ゼム・ゼア・アイズ
A5Don't Explain
ドント・エクスプレイン
B5Everthing Happens to Me
エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー
 70年代にコンコード・ジャズが放った一連の作品群に共通する、ノスタルジック・スイング。

 まるで60年代のモード・ジャズやフリー・ジャズ、プロテスト・ジャズ、それに電化ジャズに対して、「むずかしいことはわかんねえんだよバカヤロー」とでも言わんばかりです。
 黄金時代への回帰や再評価なんて甘ったるいことではなく、現代(当時最先端)のジャズをキッパリ否定しています。嫌悪と言ってもいいかもしれません。

 とんがった音のジャズを拒絶するコンコードにとって、60年代に芸能界よりフェイドして隠居同然だったローズマリー・クルーニーは、50年代で時間が停止した「過去の人」として、まさに願ってもない人材。レーベル挙げて、ロージーのカンバックを全面的に支援しました。

 またロージーの方も、おそらくレーベル側の意向を適切に汲み取ったのでしょう。50年代にベツレヘムあたりが連発していたヴォーカルものを思わせるような、軽快なノリに終始した仕上がり。ビリー・ホリデイゆかりの曲を集めた本作でも、ビリー・ホリデイという名前から漂う重厚さや深刻さはあまり感じられません。

 A3「ミーン・トゥ・ミー」のギター→サックス→ピアノ→トランペットのソロ・リレーがいかにもコンコード風の、明るく楽しいスイングです。
 このカル・コリンズというギタリストも、ロージー同様60年代をタイム・カプセルにこもってやり過ごしたかのような人です。コンコードに重用されました。いや徴用というべきか。

 ちなみに俳優のミゲル・フェラーはロージーの長男。
 映画『ロボコップ』(リメイクじゃない方)で、膝を撃たれ、必死で命乞いする演技は絶品です。何度もテレビ放映されたので、ごらんになった人も 多いでしょう。
★★★

Scott Hamilton: Tenor Sax
Warren Vache: Cornet
Cal Collins: Guitar
Nat Pierce: Piano
Monty Budwig: Bass
Jake Hanna: Drums

Produced by Carl E. Jefferson, President, Concord Jazz, Inc.
Recorded at Wally Heider's Recording Studios, San Francisco, CA September 1978
Remixed at PER, San Francisco, CA
Recording and Remix Engineer: Phil Edwards
Mastered at The Mastering Room, San Francisco, CA
Cover Photo: B. R. Burr
Art Direction: DH Studio

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