2018/06/29

Nick DeCaro / Italian Graffiti ('74)

ニック・デカロ / イタリアン・グラフィティ
A1Under the Jamaican Moon
ジャマイカの月の下で
B1Angie Girl
アンジー・ガール
A2Happier than the Morning Sun
輝く太陽
B2Getting Mighty Crowded
ゲッティング・マイティ・クラウディド
A3Tea for Two
二人でお茶を
B3While the City Sleeps
町はねむっているのに
A4All I Want
オール・アイ・ウォント
B4Canned Music
キャンド・ミュージック
A5Wailing Wall
ウェイリング・ウォール
B5Tapestry
タピストリー
 ニック・デカロは売れっ子のアレンジャーで、その方面での実績はかなりのものです。
 アレンジメントという裏方仕事に飽き足らなくなったのか、もともと歌手志望だったのか、あるいは突如歌いたい衝動に駆られたのか、ともあれニック・デカロはめでたく歌手としてのリーダー・アルバムを発表する機会を得ました。

 ワタクシ、本業はアレンジメントですので、歌手としては未熟です。堪忍してつかあさい。
 というエクスキューズ前提でリリースされているわけ。当然、歌はあまり上手くない。副業としての歌手なら、レジー・スミスの方がずっと上手いのではないかとさえ思えます。

 A2はスティーヴィー・ワンダーの曲。有名ですね。スティーヴィー・ナンバーをカバーする人って、
「オレは創造性ではスティーヴィーにかなわない、しかし歌唱力なら負けないぜ!」
くらいの気概があって初めて成り立つもんだと思うんですよ。「可愛いアイシャ」をカバーしたビル・チャンプリンなんか、かなりのオラオラ系でしたもんね。
 ところがデカロはほのぼのと、のほほんと楽しげに、かつ危なっかしく歌っています。

 本作が世間で名盤の扱いなのは、ここらに理由があるんじゃないの。オラオラ系の対極というか。

 アルバム全曲、デカロがアレンジしています。自分が気持ちよく歌う、ただそれだけのためにアレンジジメントの技と心意気が惜しむことなく注入されていて、さすがAクラスの編曲家、見事な仕事っぷりです。
★★★

Produced by Tommy LiPuma and Nick DeCaro
Engineered and Mixed by Al Schmitt

Nick DeCaro: Vocals, Arrangements, Keyboards

Dynamite Rhythm Section
Guitars: Arthur Adams, David T. Walker
Bass: Wilton Felder
Drums: Paul Humphrey, Harvey Mason

Concertmaster: Harry Bluestone
Contractor: Frank DeCaro
Copyists: The Bob Ross Gang

Recorded at Sunset Sound Recorders and Hollywood Sound Recorders, Hollywood, California
Mixed at Hollywood Sound Recorders, Hollywood, California, February, 1974
Mastering by Arnie Acosta at the Mastering Lab., Hollywood, California

Album Design and Photography by Tom Wilkes Productions, Inc.

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