2018/06/24

Lynyrd Skynyrd / Second Helping ('74)

レーナード・スキナード / セカンド・ヘルピング
A1Sweet Home Alabama
スイート・ホーム・アラバマ
B1The Ballad of Curtis Loew
カーティス・ロウのバラード
A2I Need You
アイ・ニード・ユー
B2Swamp Music
スワンプ・ミュージック
A3Don't Ask Me Questions
何も聞かないで
B3The Needle and the Spoon
針とスプーン
A4Working for MCA
ワーキン・フォー・MCA
B4Call Me the Breeze
コール・ミー・ザ・ブリーズ
「上から目線」という言葉は昭和時代にはありません。
 平成のどこかで発生して、アッという間に普及し、気がついたら定着していました。もはや単なる流行語ではなく、人々の会話に普通に飛び交う日常語になりましたよね。

 なぜ、上から目線という言葉が燎原の炎のごとく、平成ニッポンのすみずみへと広まったのでしょう。
 それはきっと、エラそうな態度を取る他者に対し、われわれはみな敏感なのです。おまけにキライなのです。

 そういう相手に対し、「誰に口きいとんじゃコラ」と言えればいいのですけど、実際はなかなか言えません。言えたところで、自分も相手と同じエラそうな側に堕してしまいかねません。

 上から目線という言葉のすごいところは、この言葉を使った側が正しく善良であり、使われた側が悪者になる、揺るぎない白黒の図式を強要できる有用性の高さにあります。

 上から目線でモノ言う人は加害者、そして言われた人は被害者。灰色の部分はありません。
 それゆえ、上から目線という言葉は「被害者」の側からしか使われません。オレは正しい、オレこそ正義という信念のもと、相手を攻撃するため用いられる格好の道具。上から目線という言葉の正体なんてそんなものです。
「誰に口きいとんじゃコラ」よりもタチ悪いじゃん。そりゃ普及するよ。

 インターネットにおいて振りかざされる正義と、どこか似ているような気がします。ブログやツイッターを炎上させる、あの正義です。
 上から目線という言葉に、今の時代の気分を感じずにはいられません。だからこそ、定着したのではないかと思う次第。

 ま、そんな話はともかく、A1の歌詞に"Mr. Young"とあります。これ実名なんですよね。
"Mr. Young"とは、いったいどこのヤングなのか。ビッグだよ。そりゃペヤングだ。答えはニール・ヤング。

 大スターのニール・ヤングがエラそうに故郷をくさしたことに、新人バンドがかみついた、そういうアングルです。
 それこそ上から目線でアラバマを小馬鹿にしたミスター・ヤング、許さんぞこの野郎!とレーナード・スキナードが地元を代表して怒りを露にしたわけ。

 それにしても実名を挙げて吠えるなんてよーやるわ。「フォーブス知事の寓話」なんて曲が売り出されてしまうアメリカならでは、と言えなくもないですね。

 わが国でもしばらく前、桑田佳祐が歌詞の中で長渕剛や永ちゃんを愚弄したことがありました。でもさすがに実名にはしなかったもんね。

 ちなみに永ちゃんを実名で使っちゃったのは「完全無欠のロックンローラー」だな。でもあれは永ちゃんに憧れている内容なのでセーフ。
★★★

Produced by Al Kooper for Sounds of the South Productions

Recorded at The Record Plant, Los Angeles, January 1974 Except A1 Recorded at Studio One Doraville, Georgia
Engineering: Al Kooper
Assistants: Austin Goodsey, Bob Merritt, Rodney Mills, Gary Kellgren
Remix Engineer: Al Kooper
Mastering: Austin Goodsey at Kendun Recorders, Burbank

All Songs Arranged by Lynyrd Skynyrd

Cover Illustration: Jan Salerno
Liner Photos: Norman Seeff

0 件のコメント: