2018/06/13

Eagles ('72)

イーグルス・ファースト
1972年、アサイラム・レコードの夢と期待をのせて、大空に舞ったイーグルス。
ロスアンジェルスのロックの歴史を変えた記念すべきデビュー・アルバム。
A1Take It Easy
テイク・イット・イージー
B1Train Leaves Here This Morning
今朝発つ列車
A2Witchy Woman
魔女のささやき
B2Take the Devil
テイク・ザ・デヴィル
A3Chug All Night
チャグ・オール・ナイト
B3Earlybird
早起き鳥
A4Most of Us Are Sad
哀しみの我等
B4Peaceful Easy Feeling
ピースフル・イージー・フィーリング
A5Nightingale
ナイチンゲールの歌
B5Tryin'
トライイン
 すでに何度も何度も述べている通り、A面1曲目はアルバムの顔にして、アルバムの命です。
 そういう意味でこのデビュー作の、A面に針を下ろして最初に耳に入ってくる音は、イーグルスが世界に向けて放った第一声、まさしく"Hello World"であります。

 A1「テイク・イット・イージー」の流れ出す瞬間の空気を、いったい何と表現したらよいのでしょう。言葉になりません。これはもう音楽の魔法としか言いようがない。

 その魔法がいかに特権的であるか、ジャクソン・ブラウンの『フォー・エヴリマン』冒頭に収録されている「テイク~」と聴き比べてみて下さい。
 オリジナル作者なのに、イーグルスの足元にも及ぶことなく、あたかもセガールに秒殺されるチンピラのように、まるっきり勝負になりません。

「テイク・イット・イージー」だた1曲のためにこのアルバムを買っても、じゅーぶんモトを取れます。世の中楽しくテイク・イット・イージー、まさにそんな気分。
 しかし聴きどころは他にもいっぱいあります。A4のコーラスが入ってくるところなんか大好きですよ。

 当時イーグルスの面々はデビューに向け、みっちり楽器の練習に打ち込む一方で、4人のコーラス・ワーク、ハーモニーをキメるために日夜稽古していたそうです。
 まるでブライアンの部屋に集まってハーモニーを重ねていたビーチ・ボーイズみたいなことしていたわけ。どいつもこいつも"Looking for an Echo"ですなあ。

 デビューの時点でハーモニーが完成の域に達していた彼らのコーラスは、本作の随所で光っています。
 ホーン・セクションもない、ストリングスもない、ピアノやキーボードの音さえないシンプルなサウンドを満たしたのは、彼らのハーモニーに他なりません。それとジャケの青い空。
★★★★

Produced and Engineered by Glyn Johns at Olympic Sound Studios, London
Direction: The Geffen - Roberts Co.
Mastering: The Mastering Lab, Los Angeles
Photography: Henry Diltz
Art Direction Design: Gary Burden for R. Twerk

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